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初体験 ステップ12

「待って! 待って! ちょっと待って!! ねぇねぇ、今までは確かに僕がふざけてたんだけどさぁ、その衣装って僕のだって事だよね?」  そう言いながら僕は今度、何でか分からなかったんだけど、諒馬君へと近付いてって諒馬君に迫るっていう感じで聞いてしまっていた。  そんな僕に諒馬君の方は、こうたじたじしてるっていうのかな? そんな感じでいるんだよね。  あはは……ホント、そんな姿も諒馬君って可愛いっていうのかな? 基本的に仕事では、諒馬君はSだと思うのだけどー、プライベートな時間っていうのは僕の方がSって感じがしない? まぁ、別に僕の場合はそこは気にしないんだけどねぇ。 寧ろ、こう諒馬君の事をいじってるのは楽しいっていうのかな? 「多分、そうなんじゃないかな? 確かに俺からすると、気持ち的にパツンパツンな気もするしねー」 「そういう事じゃなくて、あー、いやー、そういう事でもあるんだけどー。 だってさ、ネコ側が白衣着るっていうイメージってないじゃない? だから、僕にその白衣の衣装があるっていうのが不思議っていうのかな?」 「あ、あー! そういう事ー!」  そう諒馬君の方もこうオーバーリアクション的な感じで言ってきてくれる。 おまけに僕の方に指差して言ってくれているのだから余計になのかもしれない。 「え? え? なら、それ、僕が着てみたい!」  そう興味津々っていうのか、そういう衣装を着た事がなかったから興味っていうのか、僕は早速諒馬君に向かって催促してみる。 「あ……そ、そういう事……!?」  そう言って諒馬君は着ていた白衣を脱いで僕に渡してきてくれる。 だけど、まだ僕はさっきのミニスカナースを着ているもんだから、なんていうのか、変ではないのだけど、流石に違和感……? あー、まぁ、いいように言えば、ミニスカナースに白衣を引っ掛けたっていうシチュエーションが出来たって感じなのかな?  だけど僕は諒馬君に向かって、 「この格好変?」  と若干ふざけて聞いてみた。  その僕の押しに諒馬君の方はまたたじたじな感じで、首を縦に二回程頷かせて、 「だ、大丈夫だってー! うん! 大丈夫!」  そんな諒馬君に僕はクスリとすると、 「ホント、諒馬君って飽きない人だよね。 もし、先に京平と会ってなかったら、もしかしたら、僕……諒馬君の事好きになっていたのかもなぁ」  と半分以上はふざけて言っていた僕。  そんな僕の言葉に諒馬君は目を丸くしながら僕の事を見つめている。  まぁ、全然僕は諒馬君の事は好きだけどねー。 でも、やっぱり僕からしてみたら京平が一番かな?

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