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初体験 ステップ60

「え? ……なら……」  僕は京平さんの首に両手を回して自分の方へと引き寄せると唇を重ねる。  ホント、京平とのキスは好きだ。 ある意味、一日中してても飽きないのかもしれない。 でもさ、キスってずっとしてる訳にはいかない。 唇も荒れるだろうし何も出来なくなってしまうしね。 だから、しないようにしているのだけど、こういう時は遠慮なくしてもいいって事だよね。  暫くして僕は京平から離れると京平の事を見上げる。 それから笑顔を向けるのだ。  そんな僕に京平は、 「このまま玲音の事を抱き上げて、スる?」 「……へ?」  その京平の言葉に僕の方は目が点状態だ。 しかも言葉を強調されて言われたようにも思える。  しかし『僕の事を抱き上げて、スる』とはどういう意味なんだろう。 確かに僕と京平では身長差があるのだけど……体重は? 京平は重いの平気なのかな? まぁ、京平の場合は時間さえあれば、筋トレはしてるのだけどね。 だからなんていうのかな? 普通体型なんだけど、筋肉はしっかりと付いてる体だ。 まぁ、流石にボディービルダーまでとは行かない所がいいんだけどね。 「僕の事を抱き上げてって?」  分からない事があれば聞く方だ。 だから僕は気になった事を京平に聞いてみた。 「ん? その意味って……そのまんまなんだけど……」 「そのまんま? って……どういう意味?」  甘えたように聞いてみる僕。 「ん? 子供みたいに玲音の事を抱っこして、それで、君の中に私のモノを入れて私の腰を動かすって事なんだけど」 「あ……」  そこまで京平に説明してもらってやっと意味が分かった。  あー、そういう事かぁ。 やっぱ、そうなると僕の中に挿れている間ってずっと僕の事を抱き上げて腰を動かすって事になるんだよね。 それって、かなり体力がないと出来ないんじゃない? 「それは、分かったんだけどー。 その……京平は大丈夫なの? こう体力的にっていうのかな?」  その僕の言葉に京平は僕から視線を離して考えているようだ。 そして直ぐに僕の方に視線を向けて来て、 「大丈夫なんじゃないかな? まぁ、なんていうのか、普通に私が試してみたくなったっていうのかな? だって、そういう時の為に私は今まで鍛えてきたようなもんなんだしね」 「あ……」  またまた京平の言葉に納得する僕。 確かに毎日のように京平は鍛えてきていたのだから、まぁ、男性なら筋肉質な体の方がカッコいいよねっていうのは分かってはいたのだけど、まさか僕の事を抱き上げてするって事を目指す為に京平が鍛えていたなんて思ってはいなかった事だ。 「今日、それで試してみて、出来るようなら今度撮影の時にやってみようかな? っていう感じかな?」

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