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初体験 ステップ62

 僕の中でそう思いながら京平の事を見上げる。 多分、京平は今さっき僕の言葉に何か考えているのかもしれない。 また手を顎に当てているのだから。  ふふ……京平ってホント、そういう所カッコいいっていうのかも。 その格好が似合う。 いやぁ、京平の場合には何をしても似合うって言った方がいいのかもしれない。 だって実際そうなのだから。  そんな京平に僕はうっとりとした感じで見ていると、 「じゃあ、それでいいのかな?」  って言ってきた。  ふふ……もう、それしかないしねぇ。 そうなると、なんかこう僕が京平に勝てた感じがする。 だって僕が言った意見を聞いてくれてるんだもん。 でも京平の言う事ばっかりじゃあ、それはそれで公平じゃないような気がする。 やっぱ、こう恋人同士っていうのは公平じゃないとダメなんだと思う。  男女のカップルだと気持ち的に男性の方が強いイメージがあるしね。 でも男同士のカップルだって力の関係では無い方がやっぱいいしね。 なら、たまには僕の意見も聞いてもらってもいいんじゃない?  そう期待して待っていると、京平はそれにしてくれたようだ。 これで僕は京平がリードしてくれている方に付いていけばいいんだよね。 って、ちょっと待って、僕はそれでいいのかな? って思って来た。 んー、ちょっとおかしくない。 まぁ、でもいいか……京平がリードしてくれて僕の事気持ち良くしてくれるんだったらね。  って、事はさっき京平が言っていたように、京平は僕の事を抱き上げてスるって事になるんだよね。  あー、なんか自分でハマってしまったっていう感じだ。 ま、いいけどね。 京平は僕の事を抱き上げながら、京平の長くて細い指が僕の後ろの蕾の中に入って来た。 「ん……ぁ……」  本当に子供になって感じで抱き締められてるんですけど……。 だけど、シてる事はシてるのだから大人だ。  僕は京平の首に両手をしっかり回して京平にしがみついてるっていう状態だ。 「ふふ……初めての事で……緊張してるのかな? それとも、期待してるのかな? 私の指を離さないっていう感じなんだけどな」 「もう……そんな事……言わなくていいから……」  と僕は吐息漏らしながら京平の事を見上げる。  そんな僕に京平は、 「たまにはいいんじゃないのかな? 私が言葉責めみたいなのもね……」  その京平の言葉に僕は一気に顔を赤くする。 だって、まさか京平の口からそんな言葉が出るとは思ってもなかった事だし、やっぱ僕の中ではMなんだから、そういうのっていうのは弱いっていう感じだからだ。

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