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第16話 久々の逢瀬2
(猪俣先生語り)
久しぶりに会った葵はいつもと様子が違った。
ぼんやりと考え事をしたり、話を聞いてなかったり、心ここに在らずといった感じがする。
葵との関係が始まって1年が経った。
葵が俺に想いを寄せているのを知っていて、わざと近付いた。憧れの存在に恋心を抱くという思春期特有の揺らぎに付け込んだ。
悪いことをしている自覚はある。コンプライアンスや道徳といった教育に反しているだろう。
最初は軽い気持ちで始めた恋愛の真似ごとも、いつしか俺までが夢中になっていた。
何もかもを捨てて、葵だけを選びたくなる。そんなこと出来る筈もないのに、俺が幸せにしてあげたいとも思う。
この間は葵に悪いことをした。
熊谷が葵にちょっかいを出そうとしているのは知っていた。葵が熊谷に靡く訳ないのにムキになり、子供みたいに拗ねてかき抱いた。
だから、今日はいっぱい甘やかしてあげたいと思った。俺だけを求めて止まない可愛い存在に長いキスをした。
「ここ、葵の気持ちいところ?」
葵の後孔に手を入れて、前立腺を探る。
お腹側にそれはあったので、指の腹で刺激した。すっかり俺仕様になった穴は快楽と同時に収縮を繰り返している。白い四肢が艶めかしく羞恥に震えていた。
「……やっ…あ……あん…。」
葵は身をよじって喘いでいる。
彼は気持ちいいとき、いつも眉間にしわを寄せていて、その表情が堪らなく俺を煽るのだ。
「かわいいね。もっと気持ちよくしてあげるから、もうちょっと。」
ローションを足して、さらに刺激を加えて指を素早く出し入れした。ぐちゅぐちゅと卑猥な音に、葵の腰もヒクヒクと動いている。
「はぁ……せんせい、出ちゃいそう……き、もち…いい……ぁぁ……っ」
反対の手で葵のものを扱くと、甘い呻き声と共に間もなく射精した。
「もう少しやるから、まだだよ。」
葵が、えっという顔をする。
「もう、いい……から挿れてほしい……」
「だめ。もうちょっと。」
後ろの刺激をさらに強くすると、葵のモノが再び上を向き始める。同時に胸の突起も舌でぐりと押さえた。
「せんせい……つよく……しないで……おかしくなっちゃう……から……」
可愛いくて、しつこく攻め続けたら、葵がビクビクっと長い痙攣をした。汗で張り付いた前髪を優しく撫でると、虚ろな目が俺を見上げる。
「葵、後ろでイッちゃったね。やらしい顔。」
「…………先生のいぢわる。もう、早く挿れて。お願いだから……」
要望どおり、葵の後ろにゆっくり挿入する。
葵の中は熱くて狭くて、すぐに達してしまいそうだった。
「やっと先生とつながった。うれしい。」
そう言って幸せそうに笑う。
腹の底から愛しさがこみあげてきて、狂おしいくらいのキスをした。
好きだよ、葵。
ずっとずっと俺のことを好きでいて。
俺のことだけを見ていて欲しい。
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