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第26話 レモンキャンディ5
(葵語り)
どうしてこうなった?
頭がグルグル回る。
島田君を家まで送って、車両事故で電車が止まってるから、お兄さんのご好意でご飯ができるまで島田君の部屋で宿題していたんだ。
だけど、俺は後ろ手に手錠をかけられて、ベッドに横たわっている。
手錠を目の前に差し出されて、興味本位で触っていたら、急に後ろ手に回されて鍵をかけられたのだ。どこにそんな力があるのか、島田君によりあっという間に組み敷かれる。
「葵君、ごめんね。少しの間、大人しくしててね」
何を言ってるのか、さっぱり分かんない。
こんな事されたら誰でも暴れるだろうよ。
「やめてっ……痛いから外せよ」
「だーめ。外さない。イイことしかしないから安心して」
島田君って、こんな人なの?
そもそも熊谷先生があんなことを……いや、山本先輩が島田君について気にしなければ、声を掛けることもなかったのだ。
この状況をどう打破しようか考えようとするが、いかんせんパニックで思考が止まっている。
「何するつもり?」
「痛いことはしないよ。気持ちいいだけだ。僕は男の子を抱く趣味はないんだ。葵君もでしょ?」
島田君は、俺のシャツのボタンを外し出した。
「やめっ。ひぁっ。」
首筋から、鎖骨、乳首に唇を這わされる。
背筋がゾクゾクとして、身体中に鳥肌が立った。気持ち悪い。
「やっぱり。葵君って、男の人に抱かれてるよね。体の反応が違う。すごい、えっろい」
「あっ………はぁ……あっ…」
乳首を執拗に舐められる。
島田君の舐め方はねっとりして舌がやらしい。
舌先で強く弾いたり、吸ったり、慣れている感じだった。
「僕、上手でしょ。ふふふ。公園でキスしてから、触れたくてたまらなかった。葵君、口開けて」
島田君のキスは、レモンキャンディの味がした。甘酸っぱくて、ねとねとする。
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