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第74話 葵のやりたいこと7
(葵語り)
本当はしてもらったら、してあげるのがマナーなんだろうけど、そこまで気が回らなかった。
先生が、裸に剥かれた俺と服を着ている自らのアンバランスに気付いたようで、下着以外を全部脱ぐ。俺はイったばかりで、くたんとなった股間を隠すように丸くなって座った。
先生の裸は、無駄が一切無い大人の男そのもので、目線のやり場に困ってしまう。
気を許したら、また勃っちゃいそうなくらいカッコよかった。この身体と抱き合うんだと思ったら、お尻の奥がズクンと疼いた。
「色々調べたんだ。葵の嫌がることは絶対しないよ。手慣れてない分、もどかしいかもしれないけど」
「うん……俺だって慣れてる訳じゃないよ」
頷くと、ベッドへ行くように誘われた。俺もそんなに経験がある訳じゃない。それに良くも悪くも、過去の恋愛は存在が薄くなっていた。
向かい合わせで座り、俺の立てた膝の間に先生が入る。ローションを取り出して俺の股間にかけた。
「冷たい?触るよ」
「冷たく、ない、よ……ぁぁ……ん……もう、そこばっか……だめ……」
「力抜いて、指が入っていかない。うん、上手だ。前に集中してごらん」
俺の股間を、温かく大きな手で揉まれる。足を広げている格好ですら恥ずかしいのに、乱れた姿を晒してしまう。さっきイったばかりの息子は敏感に反応した。袋の裏までねっとりとマッサージをするようにされて、文字通り半分蕩けた状態になってしまう。体温で柔らかくなったローションがやらしい音をたてている。
お尻の穴を探るように、指が裏筋に這わせて降りていく。そして、たっぷりのローションを纏わせた指がゆっくりと後孔へ入ってきた。
この感覚は久しぶりだ。
「ん………はぁッ………」
先生は男を抱いたことがないと言ってたけど、本当なのかが怪しい。後孔の触り方が初めてじゃないくらい慎重で、且つ身を任せても大丈夫な安心感があった。
入口を広げる動作も手馴れてる。
全然痛くなかったし、全然嫌でもない。今日が先生との初めてじゃなかったら、もっと強請ってたかもしれない。
指でも十分気持ちが良くて、動いてしまう腰をなんとか控えめにしようと努力する。自然と出る声を我慢しながら快感を逃していると、不意に動作が止んだ。
「ごめん……葵を見ていたら、俺がもちそうにない。挿れたい」
「俺も欲しかったよ……早くちょうだい……」
「お前ってさ、それはわざとなのか、天然なのか分かりづらい。ちょっと待て……」
ベッド脇から小さなコンドームの箱を取り出し、先生が下着を脱いで装着するのを眺める。初めて見る完全体の息子さんが姿を現した。
「なに?気になるのか」
「……先生の、おっきいなぁ……と思って………なんか恥かしくなってきた」
「恥ずかしがってたらできないだろう。見てごらんよ。今からこれが葵の中に入るんだ。いつもよりデカいかもしれない」
想像していたのよりも大きいそれに、手を伸ばし触れてみると、固くて立派だった。
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