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第110話 教科書泥棒9
(葵語り)
「お前、島田と何かあっただろ。しかも俺に言えないようなこと」
先生にじとーっと睨まれた。
「俺が迎えに行った時、島田はあからさまに目を逸らしたぞ。分かりやすい奴だ」
「……イかせて……おねがい…」
「聞かれたことを話すまではダメだ」
先生は根元をにぎったまま、先っぽを口に挿れた。じゅぼじゅぼわざと音を立ててすすり、上目使いで煽ってくる。いきなり襲ってきた強い快感に、腰が仰け反った。
「ちょっと……ぁやッ……でちゃう……」
「出る訳ないでしょ。栓してるもん」
焦らしが続いて足が吊りそうになる。
片方の手で乳首をピンと弾かれたため、過敏に体が反応する。それは痛気持ちいいのだと身体が知っていた。
「足がピクピクしてる。早く言わないとおかしくなるぞ。ほら、腰も動いてる。後ろも欲しそうにしてる」
この人……言うまでは絶対に手を離さない気だ。すでに俺の頭の中は精子を出したいで支配されていて、他のことは考えられなかった。
出したい。出したい。出したい。出したい。
不協和音のように、おかしくなりそうだ。
「教室で……しまだが、泣いて……それで……」
出したい。出したい。
けど、うまくしゃべれない。
「………キス、された……」
先生の目が信じられないと、大きく見開かれた。
「キス……………………したの?」
俺はうんうんと頷く。
先生さぽかんと口を開けたまま動かない。
「島田のやつ…………いつか絶対に殺す……」
「………だから、せんせえ………手……はなして、おねがい……」
もう、悲しくて涙が滲んできた。気が遠くなるような長い時間が経った気がする。
俺の懇願で我に返った先生が手を離した。
「まあ……言えたな。ほら、イけよ」
「……ぁ……でる……ぁッ…ぁん……んん……あ……」
精液は少し飛んで、後は たらーと垂れてきた。
やっと出せた白濁液はだらしなく開いた股下へ垂れる。俺の精液を先生が指で絡め取って、躊躇いもせずに舐めた。
「ごめんな、と言いたいところだが、キスしたのは許さん」
目線を泳がせる俺へ見下ろす先生は、非常に威圧的であった。
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