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第113話 教科書泥棒12

(熊谷先生語り) 長い長いキスの後、葵は縋るように俺の目を見つめた。たぶん、俺にはまだ挿れる気がないことを悟られている。言い出したら聞かないことを、葵は知っていて反抗しない。従うところは可愛いが、欲を言えば反発して欲しくもあった。 葵には10代特有の元気さが足りないと前々から思っていた。逆に他の生徒にはない落ち着いた色気を持ち合わせていて、年甲斐もなく俺はそれに惹かれたのだが。 普段隠されている色香は、俺だけに反応して欲しくても、勘の鋭い輩のセンサーにも引っかかってしまうだろう。 ったく、とんだ変態に目を付けられたもんだ。 盗んだ教科書に何をされたか葵には言わないが、想像に容易かった。 男を引き寄せる何かを葵は持っていて、それは本当に厄介で、時には俺をイライラさせた。 「……せんせ、も、欲しい……」 苦しそうに喘ぐ葵の後孔は、柔らかく指3本を咥えていた。すんなり指が出し入れできる。 いやらしくて、淫靡な穴だ。 「なんで?もうちょっと柔らかくないと」 「やだ……ぜったい、やだ。指じゃなくて、先生のが欲しい……」 「そんなに……欲しい?」 「うん……指……抜いて」 「やだって言ったら?」 「ひど……じゃ、もうやらない……」 「いいよ、やめても」 「なんで、そんなこと言うの……指、嫌だもん……とにかく、やだ、嫌なの」 ものすごく嫌そうに懇願してくるので、遂には俺が根負けした。さっきも虐めたからしょうがない。度が過ぎて拗ねてしまうのは勘弁だった。 この指で蕩けそうになってるくせに、うちのお姫様は本当にわがままだ。 お願いされた通り指を抜いて、自らの服を脱ぐ。そして未だに不機嫌な葵の頭を撫でた。 「へそ曲げてないで、こっちへおいで。お望み通り、欲しいものをあげるよ」 ぶすっとしたまま、起き上がった葵が寄り添う。 「どうやって挿れてほしい?後ろがいい?それとも前から?」 「…………先生の顔見ながらがいい……も……はやく、ほしい……げんかい……おっきいの、ください」 「いやらし過ぎて説教したいけど、我慢できないみたいだから、後にするわ。分かったから、寝てごらん」 もう我慢できないと、葵が疼く後ろを気にしていた。1度点いた火は、なかなか消えない。気にすれば気にするほど、欲しくて仕方ないだろう。機嫌が悪くなると後からが大変なので、焦らしはここまでにする。 コンドームを装着して、自身にもローションをかけた。寝転び脚を広げ、期待する葵の姿が堪らなく愛しく思える。 そこまで欲しいと言ってくれる俺の分身は、臨戦態勢に入った。正直俺も限界に近い。 「……ぁッ……ん……」 入口へ馴染ませるように、先端を数回擦る。その度に葵の腰が揺れて、真っ赤な後孔がはくはくと息をするように開いた。そして、葵が息を吸った瞬間に腰を押し進める。 葵も腰を俺に擦り付けてくるので、自動的に温かな窄まりへ誘導されてしまった。 「ぁぁぁぁ…………やっと、きたぁ…………」 正直、ここまで性に対して開放的だとは思っておらず、驚きと嬉しさで複雑な気持ちになった。

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