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第114話 教科書泥棒13

(葵語り) やっと貰えた雄が俺を優しく貫いた。後孔いっぱいにある先生のモノに、震えるくらい身体が悦びを感じている。 後ろでこんなにも気持ちよくなれるのかと変化する自分に驚いていた。先生とのセックスは苦痛も我慢も必要ない。ただただ甘やかされて、子供のように拗ねても受け止めてくれる。多少の意地悪も愛情の裏返しだと思える安心感があった。 「ぁ、ぁ、ぁ……んッ……」 「気持ちいい?」 「ん、きもちいい……ぁ、ぁ、ぁっ」 「いい反応だ」 先生が奥へ奥へと挿れるように突くと、痛いような快感がせり上がってくる。経験したことのない奥は、暗い闇に呑み込まれそうな恐怖があった。 こうしていると、今日起きたことが現実か幻か分からなくなる。教科書泥棒は正直に言うとものすごく怖かった。同じ学校の生徒が、俺のいない時に俺の席へ座り、教科書や上履きを盗んでいたのだ。明日、もしあいつに会ったら何と言えばいいのだろうか。 ゆさゆさと何度も何度も小刻みに擦られて、訳が分からなくなりそうになる。余計なことを考えず行為に没頭するため、俺は先生にしがみついた。 「葵は、いつからそんなにエロいの?」 耳元で先生が囁く。 「……えっ……いつからって、わ、かんない」 「快楽に弱い葵はとっても好きだけど」 「だけど…………なあに?」 「俺たちまだ2回目だろう。これからが怖い」 「んな……俺は、そんなんじゃないよ」 「そんなんじゃないと自分で決めつけているから怖いんだよ。葵は自覚が無い」 「え、え……よく分かんない……どういうこと?」 「おしゃべりはお終いにして行為に集中しようか」 「…………ん、ふぅ……ぁ、ん……」 先生は見上げた俺に、蕩けるようなキスを繰り返した。唇がこちらへ寄る度に、下半身がぐいぐいと奥で掻き回される。 こうなってくると理性は飛んで、ただただ腰を振って強請るいやらしい生き物になってしまうのだった。お尻が溶けてしまうかと錯覚するくらい熱い。俺の身体はなんかおかしい。 「あ、あ、ぁ……そこ……やぁだ……」 「ここがいいの?」 「…………ぁっ、ぁ……いきそ……」 「ああ。ゆっくり上っておいで……」 優しい声とは裏腹に先生の眉間に皺が寄る。先生も余裕がないんだとぼんやり悟った瞬間に、抽迭が速くなった。 「………………はぁっ、も……あ、ぁ、きもちいの……もっと、もっと……ぁっ、ぁッ…………ぁぁぁん……ん……」 自らの白濁液が腹を濡らした瞬間に、後孔も震える。必然的に中へ挿っているモノを容赦なく締め付けてしまったため、先生もイってしまったらしい。抽送が止み、大きな身体が倒れ込んでくる。 波のように迫る余韻に愛しい人の重みを噛み締める。 何があってもこの人について行きたい。 心からそう思った。

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