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第8話 放課後③
(葵語り)
車の中から先生の様子がおかしかった。熊谷先生の名前を出すと更に不機嫌になり、重い雰囲気の中、沈黙だけが続いた。例えるならば、背中に大きなおもりを乗せられたようで、身体も口も動かなかった。
いつものホテルの部屋に入ると同時に、噛みつかれるようなキスをされる。
「ふうっ……せっ…んせっ……」
息をする暇もなく、ただ強い力で壁に押さえつけられた。空気を吸いたくて、先生の背中に回していた手が宙を描く。支配欲に圧倒されて、何もできない。怖い、怖い。
「はぁ……はぁ……はぁ……なんでっ……」
口が離れ、肩で息をしていると、突然首の左側を強く吸われた。痛みで顔が引きつるが、怖くて先生の目がまともに見れない。すべてを持っていかれちゃいそうで怖い。
そして、身体ごとベッドへ乱暴に投げられ、視界が転回する。
「葵……熊谷に何を言われた?自分を大切にしろとか言われた?不倫はいけないとか諭されたか。お前も同罪なのに、何故俺だけが悪者なんだよ。」
俺の上に跨って、自身のネクタイを外しながら先生は言う。その光景は一瞬、扇情的にも見えた。
「そ、そんなこと……ない……」
「嘘つくとき左を見る癖、治した方がいいよ。すぐバレるから。」
先生が、俺のベルトに手をかけて、ズボンとパンツを引きずりおろした。
「ひぁっ、せんせ、やめて……」
「奴に何を言われようとも俺は葵を解放しないから。」
くるりと向きを後ろにされたと思ったら、突然後孔に激痛が走る。
「いたっ……い。」
いきなり指を入れられたのだと気付く。強い痛みに背中が仰け反り、恐怖で顔が引きつったのが分かった。
「いきなりだと痛いか。」
先生が、俺の髪をつかんで身体を起こさせ、股間に導いた。目の前のそれは、完全にそそり立っていた。
「舐めろ。」
こんな無理やりなの嫌だ。いつもの先生じゃない行為に、涙が滲む。
でも俺は言われた通り先生のを口に入れた。
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