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嫌いじゃない

「嫌いじゃないけど」 三田村はどうしてそう思ったのか 自分の態度はそんなに分かりやすいかと 少し動揺しつつ睦月はこたえる 「そっか」 三田村は同期の中でも まとめ役という印象だ 人のことをよく見ているのかもしれない 「まぁメドがついたら途中からでも来いよ」 三田村はそう言って男前な顔を緩める 「どうせまだ急ぐ作業でもないんだろ?」 職場の仲間として 睦月と酒川の関係が悪化することを懸念し こう言ってくれるのだろうか 「そんじゃなー」 と今度こそ去っていく三田村の背を見ながら 睦月は酒川との距離の取り方を考えていた 酒川のことは 嫌いじゃない 嫌いじゃないのだ

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