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一緒にランチでも

睦月の部署のひとつ上のフロア そこで最初に声を掛けたのは 酒川と同じ部に属する佐々木だ 「定食屋の割引券もらったんだが これから一緒に食わないか?」 「睦月!珍しいな!」 「いっぱいもらったんだよ ひとりじゃ使いきれないし」 睦月は珍しいなりに あたり触りのなさを意識して 誘ったつもりだった しかしそこまで言って睦月は気づく 佐々木は既婚者だ 「もしかして弁当ある?」 そうなると佐々木以外の 誰かを誘わなければと考えるも その必要なかった 「嫁に娘の風邪うつって 療養中だから今日はない ちょうど良かったよ」 そう聞いてホッとしたのも束の間 「なになにー?どしたのー?」 と佐々木の肩口から酒川が顔を出す 睦月は予想より早い 酒川との対面に慌てたものの 緊張を隠し笑顔で話すことを 意識しながら返事をする 「割引券、もらってさ、 かもめ食堂、よかったら酒川も、 一緒に行かないか?」 不自然ではないだろうかと 不安に思いながら見つめ続けた 酒川の目元が徐々に緩む 「もちろん!行くよー!」 その返事を聞いて "一緒にランチでも作戦"の 良好な滑り出しに 睦月は自然と笑顔を浮かべた

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