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やっと言ってくれた

睦月は展開に追い付けずにいる 意味が分からないとばかりに 目を見開いて酒川を見つめる すると酒川は睦月の顎をくいっと引き上げ 体ごとゆっくりと睦月に近づく 「俺が好きなの 睦月なんだよ?」 睦月の耳元でささやくように告げた後 酒川は 有無を言わさず深いキスをする 「...っん!...んぅぅっ!」 逃げようとする睦月を追いかける やがて睦月が抵抗を諦めた頃 そっと唇を離して再び見つめ合う 「...っ?...っはぁ...はぁ」 顔を赤くし息を荒げる睦月を 酒川はじっと見下ろす 「ごめんね いきなりキスして」 睦月は満たされたような それでいて恐ろしいような なんとも言えない感覚に戸惑い 酒川から目を反らす 「...睦月も俺のこと好きなんじゃないか って思ってるんだけど 違った?」 睦月が酒川の顔に視線を戻すと 酒川は自信に満ち溢れた笑みを 浮かべている 「...っち、違わない」 予想外だったためか 突然すぎたためか 睦月は信じられなかった 酒川の好きは睦月と同じ好き... あんなに出来ないと思っていた告白を 酒川はさらりとやってのけたのだ そう思うと睦月は 自分もやらなくてはと 睦月は闘志をもやした 「...好きっ! ...さっ酒川がっ...好きっ!」 睦月の言葉に酒川は 満足気に微笑む 「やっと言ってくれたー」 それから酒川は いつもの調子で にこにこと笑顔を浮かべ 睦月を眺め続けていた 「それじゃ睦月 今日は泊まってってね? 佐々木と何を話したのか 全部聞かせてもらうからね?」

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