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第1話 そのサン

「ねえ、アスリン・・・貴女、シンイチくんの事が好きなの?」 「え?な、何でそんな事を聞いてくるの?」 「いいから、真面目に答えて」 サトミの真剣な面持ちにアスリンは俯いて少し思案した。 「・・・よくわからない・・・だけど、シンイチが誰かのものになるのは嫌なの・・・それが例えサトミでも」 「それは、荻生一族の命令だから?」 「それは違う・・・多分、違うと思う・・・でも、シンイチにずっと自分の傍にいてほしいと思うの」 それは、相手の事が好きなのに自分の気持ちを素直に表現できなくて悩んでいる、恋する乙女のようにサトミには思えた。だが、視聴覚室の外にいるイツコは、アスリンの歪んだ心を的確に把握していた。自分と同じく、相手を自分の思い通りにしたいという支配欲がアスリンにもあるという事を。 “頃合いは良さそうね・・・” イツコは満を持して視聴覚室の扉を開いた。 「話は聞かせてもらったわ」 「えっ?」 「イ、イツコ!?どうしてここに!?」 「お二人がちゃんと仲直りできるかどうか心配で、私達扉の外にいたんです」 続けて入ってきたサヤが答えて扉を閉めた。 「サトミ?」 イツコとサヤが何故自分達の事を知ってるのかが不思議で、アスリンは思わず不思議顔をサトミに向けた。 「実はね、イツコは私の大学時代からの親友でね、相談に乗って貰ったのよ。シンイチくんやアスカとの関係を修復するにはどうすればいいか、ってね」 「だから、自分の全てをさらけ出して話してみなさいって言ったのよ」 「もっと詳しく言うと、その全てというものには性癖も含まれているわ」 「性癖・・・」 アスリンが何かを思い出そうとしていると、サヤが先に言葉にした。 「シンイチくんは女装趣味」 「私は女装美少年好きのショタコン」 「で、私達はこういう関係よ」 イツコはサヤの背後に回り込むと、背後から手を回していきなりサヤの両の乳房を揉みしだいた。 「あっ・・・お姉様・・・」 思わず顔を赤らめて振り向いたサヤの唇をイツコは己の唇で塞いだ。 「ちょ、ちょっと、イツコ!」 予想外の二人の行為にサトミも慌てるが。 「と、見てのとおり、私とサヤはレズなのよ」 「え・・・そ、そうなんですか・・・・・・・・・あの・・・えーと・・・私、別に構いません」 「ア、アスリン?」 予想外に冷静なアスリンにサトミは唖然。 「だって、さっきサトミは言ったでしょ。人は誰も皆違うって・・・私は別に同性愛者じゃないけど、それを差別する気は無いわ。それに、男はみんなホモって言うし」 「理解してくれて嬉しいわ」 イツコはサヤから離れてアスリンの傍に歩み寄った。 「私は保健室の養護教諭をやっているわ。だからよく生徒の悩みごとの相談にも乗ってあげてる。自分で言うのもナンだけど、こう見えても心理学にも精通してるのよ」 「はあ・・・」 「だから、私には貴女の本当の心がわかる。猪狩くんに対する本当の貴女の気持ちが」 「好きって事でしょ?」 「正確に言うと、それはかなりずれているわ」 サトミの推測をイツコはやんわりと否定した。 「じゃあ、赤城先生は私があいつをどう思ってると言うんですか?」 イツコはアスリンの顔をじっと見つめてから口を開いた。 「惣竜アスリン・・・貴女は、猪狩シンイチを支配したいと思ってる。奴隷のように、自分の命令に従順に従う下僕にしたいという欲望があるわ」 「な、何言ってるのよ、イツコ!このコがそんな歪んだ事を考えてる筈無いでしょ!」 「では、本人に訊いてみたら?」 自信に満ちた表情のイツコに促されてサトミがアスリンの表情を伺うと、アスリンは何やら不敵な笑みを浮かべていた。 「アスリン・・・貴女、まさか、本当に・・・?」 「・・・何で私がシンイチにあんな感情を持ったのか、何であんな事をしたのか自分でもよくわからなかった・・・その場その時の瞬間の激情に駆られてのものだろうと思っていた・・・だけど、赤城先生にはっきり指摘されて、私も自分でやっと気付いたわ。私は気に入った異性を支配したい性格なのよ」 「・・・信じられない・・・どうして・・・アスリン・・・」 「サトミ、これは別に誰かに影響を受けたとか、そういう事じゃないと思う。きっと、私が持つ遺伝子によるものよ。だから、サトミが私に対して何かがっかりする必要は無いのよ。逆に、こんな私を受け止めてくれないかしら?」 人はみな誰も違う、とアスリンに言ったのはサトミ自身である。自分に害が及ぶ訳でもないし、ここでアスリンを拒絶するのならば、それはアスリンの信頼を裏切り、彼女と決別する事につながる。 「・・・わかったわ、アスリン。貴女の好きなようになさい」 サトミはアスリンをもう一度抱きしめた。 「できれば、アスリンとシンイチくんの仲が悪くならないように・・・私も応援するから・・・」 「有難う、サトミ・・・」 「大丈夫、必ず上手くいくわ」 「お姉様、そう言い切れる根拠は何なのでしょう?」 イツコの自信に満ちた言葉にサヤは不思議顔。 「それは、シンイチくんが女装マゾだからよ」 「・・・えーと・・・」 サトミとアスリンにはイツコの言わんとしている事がすぐにわかったが、理系の頭のサヤには理解しにくいらしい。 「アスリンはシンイチくんを従順な奴隷にしたい。ではどうすればいいかしら?」 「相手の弱みを握る?」 「流石にそれぐらいはわかるようね、サヤ」 サヤ自身がそうだったのだからそれも当然と言えば当然だ。愛しいイツコから躾けられる事を無上の歓びと感じるサヤは、イツコに捨てられる事を恐れている。それがサヤの弱みである事をイツコは百も承知している。 「シンイチくんの弱みというのは、他人に決して明かす事はできない女装マゾという自分の性癖。アスリンに女装を強要されたら、シンイチくんは従わざるを得ない。そうやってアスリンはシンイチくんを自分のペットに躾けていけばいいのよ」 イツコの言ってる事はかなり常軌を逸しているように思えるが、サトミとアスリンはそうは思わなかった。 「そうね・・・形はどうであれ、シンイチくんとアスカが結び付くと言う事は、引いては猪狩財閥と荻生一族が結ばれると言う事につながるし・・・」 「はぁ・・・赤城先生って本当に天才なんですね。私がどうすればいいか悩んでいた事について、簡単に道筋をつけてくれるんだもの。最初からサトミじゃなくて赤城先生に相談しておけばよかったかも」 「ちょっと、アスリン!?」 「冗談よ、サトミ。まあ、落ち着いて考えてみて。私がシンイチに女装を命じたとしたら、どうなると思う?」 サトミの家にシンイチとアスリンは居候しているのである。すぐにその問いの答えをサトミは見つけた。 「あ!じゃ、じゃあ、いつでもシンイチくんの可愛い女装姿が拝めるって事じゃないの!」 サトミは己のショタコン趣味丸出しで破願してうんうん頷いた。 その夜。イツコとサヤが葛木邸を辞し、アスリンが一番風呂に入っている間にサトミはプレゼントを手にシンイチの部屋にやってきた。 「シンイチくん、ちょっといいかしら?」 「どうぞ」 シンイチはさっきまでのワンピースからはとっくにスウェットに着替えて机に向かっていた。 「宿題?」 「ええ。」 「ちゃんと宿題が出たその日のうちに片づけてしまおうという事ね。それはいい心がけだわ」 「何ですか?サトミさん。前からやってますけど?」 「まあまあ。そんな優等生のシンイチくんにご褒美として私からのプレゼントよ。はい」 サトミはそう言って大きめの紙袋をシンジに差し出した。 「プレゼント?誕生日はまだ先ですけど?」 そう答えながらもシンイチは紙袋を受け取り、中を覗き込んだ。 「えっ!?」 「出してみて。私がシンイチくんの為に揃えたのよ」 中に入っていたのはレースのフリルがカップの全面にあしらわれたピンク色のシルクのブラジャーだった。それだけではない。 「こ、これって・・・」 続いて出てきたのは同じくピンク色のシルクのパンティ。ブラと少々デザインは違うがこれも腰回りの部分にレースのフリルがあしらわれていた。 そしてその下には同じくピンク色のシルクのスリップドレスが入っていた。 「パンティは私のものだけど、ブラとスリップはシンイチくんに合うサイズが無かったから買ってきちゃった」 「・・・な、何でこんなものを僕に・・・」 「そんなの決まってるじゃない。私の大好きなシンイチくんの可愛い女装姿を見たいからよ」 サトミはニッコリ笑ってシンイチにウインクした。 サトミが大好きなのはシンイチ本人か?それともシンイチの可愛い女装姿か?勿論後者である。だが、また女装を求められる事に抗議するかと思いきや、シンイチは顔を赤らめて俯くだけだった。 最近、劇のために何度も女装させられたので、少しは免疫がついたのかもしれない。 “ふふっ、どうやら女装に抵抗はなくなってきたみたいね” サトミは内心でほくそ笑みながらも表情を緩める事はしなかった・・・と言う事は無く、さっきのニコニコ顔のままだった。 「シンイチくん・・・着てくれるわよね?」 シンイチは俯いたまま、小さく頷いた。 「サトミさんが・・・望むのなら・・・」 「嬉しいわ、シンイチくん」 サトミは喜色満面でシンイチに顔を寄せると、その頬にそっとキスした。 「っ!・・・サトミさん・・・」 思わず顔を上げたシンイチの瞳は、いつぞやのサトミとの悩ましい出来事を思い出したのか、ウルウルと潤んでいた。 だが、アスリンもまだ就寝していないのでここでそんな事はできない。 サトミはぱっとシンイチから身を離した。 「じゃあ、明日は一日それを着て女のコになりきってね。楽しみにしてるわ」 サトミは妖しく微笑んでシンイチの部屋から出ていった。 “一日中・・・女のコに・・・” 今までは、草木も眠る深夜の一時とか学校が終わって帰ってきてからとか、僅かな時間しか女装した事は無かったが、明日は土曜日で学校に行く必要も無い。 朝起きてから寝るまでまる一日女のコになって過ごすというのは当然初めての体験になる。それもサトミのランジェリーを身に着けてである。 何となく、シンイチは胸の鼓動が高まるような気がした。 翌朝。 目が覚めたシンイチはベッドから出ると机の椅子の上に置いてあった紙袋を取った。それをベッドの上で逆様にすると、ピンクのパンティとブラジャーとスリップドレスがこぼれて落ちた。 “・・・やっぱり、夢じゃなかったんだ・・・” 目が覚めた瞬間は、昨日の夜のサトミのプレゼントはもしかしたら夢だったのではとシンイチは思ったのだが・・・。 いつもなら最初はトイレに行って用を足し、洗面所に行って洗顔と歯磨きをするのだが。 “今日は一日、ずっと女のコ・・・恥ずかしいけど、サトミさんが喜んでくれるなら・・・アスリンも、理解してくれるって言ってたし・・・” 躊躇する一方で胸の高まりに気づいたシンイチは二~三回深呼吸をすると、思い切って着ている者を全部脱いで全裸になった。 シンイチは最初にピンクのパンティを手にすると、その生地の前後を確認してからそれを穿いた。それは、今までのものと比べて丈が低く、サイドの幅も2~3センチぐらいしかないビキニパンティだった。男性用とは違って生地の面積は小さいからお尻の割れ目の一部は露呈してしまったが、前の方は男性にしては陰毛が薄いせいでハミ毛する事は無かった。 次いで、シンイチはブラジャーの肩紐に腕を通して胸に当て、背後に手を回した。姿見があればそれを使ってやれば楽であるのだが、生憎シンイチの部屋にはそれは無かった。だが、シンイチは身体が柔らかいおかげで器用にブラのホックを止める事ができた。そのブラのサイズは一番小さいAAAでカップは殆んど無いと言ってもよく、ピッタリだった。尤も、シンイチに胸の膨らみは無いので身に着けるならジュニアブラが妥当だが、それだとパンティにお揃いのデザインが無いのでサトミは妥協したらしかった。 最後にスリップドレスを頭から被り、レース地の幅広の肩紐をブラの肩紐の上に被せてシンイチのお着替えは完了した。 “・・・こ、こんなカンジかな・・・” スリップドレスの丈は膝までの長さ。隠れていない二の腕もその下も脚も男性にしては体毛がかなり薄いので、ちょっと見では本当に女のコに見えなくもなかった。 “・・・これからどうしよう・・・” 休日は平日と比べて始まりが1時間ほど遅い。まだ朝食の支度をするには早かった。 取りあえず、シンイチは洗面所に行って洗顔・歯磨きをした。洗面所の鏡に映る自分の顔を見て、何となくシンイチはほっとした。 女のコっぽい顔立ちだからこそ、女装しても何の違和感も無く、サトミは気に入ってくれるのだ。もしシンイチの顔がどう見ても男のコにしか見えなかったら、流石にサトミがシンイチに女装を求める事は無いだろうし、アスリンもおそらく理解するとは言ってもあまりいい顔はしなかっただろう。 ・・・だが、本当ならば立派な男のコの顔立ちだったらシンイチに何の悩みも無く、女装させられるという事態そのものにならなかった筈なのに、シンイチはそんな事にも気づかなかった。知らず知らずのうちにサトミの求める女装趣味の美少年に変化し始めていたのかもしれなかった。 それどころか。 “・・・そうだ、サトミさんに見せて、変なトコロが無いかチェックして貰おう。・・・と、その前に” 洗面所を出たシンイチはトイレに入った。そしてパンティを膝まで降ろしスリップドレスの裾を腰までたくし上げると洋式トイレの便座―――もちろん、ピンクのカバーが付いているが―――に座った。男のコならば小ならば立ってすればいいのだが、サトミの言い付けを忠実に守っているシンイチは今は女のコだから座って用を足すのが当然だった。 「あっ、と」 用を足そうとしたシンイチは直前で水を流してから事を済ませた。 「・・・ふぅ・・・」 ちゃんとトレペでペニスの先の後処理をすると、シンイチは立ち上がって再びパンティを履き、たくし上げていたスリップの裾を降ろした。そして、便器の蓋を閉じてから水を流した。用を足す時の女のコの嗜みをちゃんと守った訳だ。 手を洗ってタオルで手を拭いたシンイチは、水が流れる音が聞こえなくなったのを確認してからトイレを出て、そのままサトミの寝室に向かった。 同居し始めてから最初の休日にサトミを起こしに行った時、シンイチはサトミの寝相のあまりの酷さに愕然としたものだった。何故か枕が足元の方に転がっているし―――しかし、その足元の近くに目覚まし時計が置かれていたが―――掛け布団はベッドの下に全部落ちているし、そしてサトミは毛布を被ってベッドの真ん中に真ん丸になっていた。その姿はどう見ても春日部咲演じるところの<ぷよ>にしか見えなかった。 「・・・あの・・・サトミさん・・・起きてますか?」 「・・・シンイチくん?起きてるわよ」 一拍後、ドアが開かれてサトミが顔を出した。既に寝間着からラフな室内着に着替えていた。 「お・・・お早うございます・・・」 自ら女装姿を見せに来たという事で、シンイチの声は緊張気味だった。 「あ、あら・・・まぁまぁまぁ・・・」 シンイチのスリップドレス姿にサトミは一瞬驚いてすぐに妖しい微笑に変わった。 「シンイチくん、ちゃんと女のコになってくれたのね。それでわざわざ見せに来てくれるなんて、本当に嬉しいわ」 感動・感激のあまり、サトミは思わずシンイチの身体を抱きしめた。 “・・・あ・・・” サトミの髪から微かにほんのりと甘い香りがしてきた。シンイチは自分を今抱きしめてくれているサトミに何だか甘えたい気分になってきた。当然、それはパンティの中で縮こまっているモノに膨張の萌しを与える事となった。 “あ・・・ダメだって・・・こんな時に・・・” 今の身体が密着している状態では、当然その変化はサトミに知られてしまうだろう。 シンイチは別の事を考えて気分を変えようとした。元々自分がサトミの部屋に来た理由は何だったのかを考えてみる。 「あ、あの・・・着こなしとか、変なところ、無いですか?」 サトミはシンイチを抱擁から解放すると、数歩下がってシンイチの全身をチェックした。 「えっと・・・・・・・・・うん、大丈夫よ。シンイチくん、体毛が薄い方だから思い切ってスリップドレスにしてみたんだけど、よく似合ってるわよ」 「・・・よかった・・・サトミさんが気に入ってくれて・・・」 「勿論よ。あ、でも・・・チョッチ、気になる事があるのよねぇ」 そう言うサトミの邪笑顔は何となく鼻の下が伸びたスケベなもの。 「な、何ですか?」 シンイチはまさか・・・?と思いながらも思わず訊いてしまった。 「私のパンティのサイズが合ってるか、このままじゃチェックできないわ」 「え・・・いや、あの・・・」 サトミに言われてシンイチは自分でも自覚してしまった。別の事を考えて気分を変えようとしたがそれは手遅れだった事に。 “ど・・・どうしよう・・・” 既にシンイチのペニスは硬度がMAXになっていた。 「ね、スリップの裾を上まで巻くって、パンティを見せてくれる?」 「・・・・・・・・・」 シンイチは何か言おうとして何も言えず口籠る。できる事なら拒否したいが、サトミが見たいというのなら・・・。 シンイチは目を閉じて俯くと、頬をほんのりピンクに染めたまま、微かに震える手でスリップの裾を掴んでおずおずと引き上げていった。 女装美少年が羞恥に震えながら自らスリップを巻くってパンティを見せようとする行為に思わずサトミは生唾をごくりと飲み込んだ。 “もうちょっと・・・あと少し・・・” スリップの裾が上がって太腿が見え、ゆっくりと脚の付け根に近づいていく。もう、サトミの胸はシンイチと同様に昂ぶっていた。 そして、ついにパンティが見え始め、シンイチの手が胸元で止まった時にようやくシンイチの下半身は露わになった。 「あらあら、まぁまぁ・・・パンティの前が突っ張っちゃってるわよ。シンイチくん、私のパンティを履いて興奮してクリトリスをボッキさせちゃったのね。いけないコなんだから・・・」 「は、恥ずかしいよ、サトミさん・・・」 シンイチはとうとう顔を真っ赤にしてしまい、スリップを離して両手で顔を覆った。 「うふふ・・・その恥ずかしがり方も、本当に女のコみたいよ。可愛いわ、シンイチくん」 「・・・本当?」 「ええ」 シンイチが顔から両手を離して訊き返すと、サトミは渾身の笑顔で肯いた。 恥ずかしさのあまり少々怯え気味だったシンイチの顔はようやく和らぎ、微かな笑みを見せた。 「それに・・・クリトリスを完全ボッキさせちゃってもハミ出す事も無かったし、パンティのサイズもオッケーよ」 「やだっ・・・もう、サトミさんのエッチ」 落ち着いたシンイチは腕を胸元で畳んでおふざけ気味にわざとらしさ全開で女のコっぽく恥らってみせた。 「あ、そうだ、うっかりしてた・・・」 シンイチのわざとらしいおふざけに笑みをこぼしたサトミはふとシンイチの足元を見て、もう一つのアイテムを渡しそびれていた事に気づいた。 「ちょっとリビングで待っていて。すぐに行くから」 「?」 サトミが何を失敗したのか訳が分からなかったが、シンイチはとにかく言われたとおりにリビングに移動してソファに座った。 いつもは朝食の支度をしているのだが、今は何もする事が無い。すっかりおさんどんが板についていたシンイチは逆に手持無沙汰なのが落ち着かなくて、ソファから立ってリビングのカーテンを開けた。そんな事をすれば外から見られるかもしれなかったが、葛木邸はマンションの11階にある3LDK。周囲にこのマンションよりも高い建築物は一切無いので外からの視線を気にする必要は無かった。 まあ、当のシンイチ本人はそんな事を心配する事さえ思い浮かばず、柔らかい朝の陽光に目を細めただけだったが。 「シンイチくん、お待たせ。これを忘れてたわ」 自室から遅れてきたサトミが手にしていたのはピンクの花柄模様のスリッパ。今、シンイチが足に履いているのはいつもの緑のスリッパで、そこだけが女のコしていなかったのだ。 「ランジェリーと一緒の袋に入れるのはマズイかな?と思って別々にしてたのを忘れちゃってたの。さ、これに履き替えて」 「あ、はい」 「それと、これも」 スリッパを履き替えたシンイチが顔を上げるとサトミは何かを手にして差し出した。 「これは?」 「カチューシャと言ってね、髪飾りの一種みたいなものよ。じゃあ、付けてあげる」 ピンクのラメで飾られたカチューシャをサトミがシンイチの頭に着けてあげたところで、ようやくアスリンが起きだしてきた。 「おはよ、サトミ・・・って、誰、そのコ?」 朝起きてリビングに行ったら見知らぬ人間がいたら驚くのが普通だ。アスリンがその反応をしたのは当然だろう。 「さーて、誰でしょう?」 「あ・・・まさか?」 サトミがだらしない邪笑を浮かべているのを見てアスリンはすぐに思い当った。 「ほら、立って挨拶しなきゃ」 「は、はい・・・あの・・・お早う、アスリン・・・」 「うわっ!やっぱりシンイチなのっ?何で朝っぱらから女装してるのよ?」 「そんな事はどうでもいいのよ。どう、とっても可愛いでしょ?」 「いや、まあ、それは確かにそうだけど・・・そのスリップドレスは・・・まあ、どうせサトミの嗜好だろうけど・・・はぁ・・・」 アスリンは小さく溜息を吐いた。 「朝から女装させるなんて聞いてないし、あんまり驚かさないでよね」 「ご、ごめん・・・」 「サトミに言ったのよ。それに、女装して残念な結果になるよりは本当に女のコみたいになっちゃう方がまだマシだわ」 ただ女物の衣類を上から身に着けただけの男と丸わかりの女装など、失笑するしかない。 その点、シンイチの場合はその中性的な顔立ちのおかげで見事に女のコに化けてしまうのでアスリンも安心して見ていられるらしかった。 「で、シンイチは今日はずっと女装しているって事?」 「う、うん」 「そう。するとほとんど一日中、劇の稽古みたいなものね。じゃあ、早速だけどシンデレラ、早く朝食の支度をしなさい」 「か、かしこまりました、お姉様」 アスリンが姉役らしく仕事を命じると、シンイチはシンデレラとして受け答えしてキッチンへ向かった。 「・・・午後からって言ってなかった?」 昨夜の妖しい打ち合わせではシンイチに女装させるのは午後からの予定にしていたのだ。 「でも、やっぱり午前中ずっと待ってるのはもどかしいと思ってさぁ」 「まあ、いいけど・・・」 アスリンは一応納得しながらソファに座ってTVを点けたが。 “・・・でも・・・何か・・・?” シンイチのスリップドレス姿を見て何か心に気にかかる点があったらしく、首をかしげるアスリン。すると。 「・・・シンイチくん、朝からフル勃起してるわ・・・」 「はひっ!?」 アスリンの耳元でサトミが小声でそっと呟いたのでアスリンも流石に焦った。 「そ、それって・・・所謂男のコの朝の生理現象?」 「朝勃起(あさだち)かもしれないけど、やはり女装が一番の原因と思うわ」 「・・・って事は、やっぱり女装マゾなんだ、あいつ・・・」 心に何か引っかかっていた事が解決して、さらにシンイチの性癖を完全に把握して、アスリンはほくそ笑んだ。 TVでは午前の情報バラエティ番組が放映されていたが、アスリンはこの先(文化祭の劇が終わった後も)シンイチに何をさせてやろうか?どんな事をさせてやろうとそればかり考えていたので、TVを見ていても何一つ情報は頭に入ってこなかった。 せっかくシンイチが朝から女装しているのでこれ幸いとばかりに丸一日劇の稽古としておさんどんをやらせてみたが、それは女装していなくてもいつもシンイチの役割だった。つまりシンデレラを姉がいじめようとしても家事万能のシンイチ演じるシンデレラをいじめようが無かった・・・。 そして夕刻。 来客を告げるチャイムが鳴った。いつもはシンイチが最初に応対するのだが、今のシンイチは女のコの姿。それを他人に見られるのは気が進まなかった。だが。 「ほら、何をしているの、シンデレラ。早く応対しなさい」 躊躇しているシンイチにアスリンが応対を言いつけた。それでもシンイチが躊躇って動けないでいると。 「大丈夫よ。今のあなたは誰がどこから見ても女のコ。バレやしないって。ほら、行ってきて」 サトミはシンイチの頭を優しく撫でてやった後で、背中をちょんと押した。はずみで二、三歩前に歩いたシンイチは吹っ切れたのか、そのまま玄関へ向かった。 “大丈夫、今の自分は女のコ。誰にもバレやしない筈” そう心の中で呟いたシンイチは勇気を出して応対のインターホンを押した。 「はい、どちら様ですか?」 「こんばんは、赤城です」 「井吹です」 宅配業者などの赤の他人かと思いきや、イツコとサヤだった。この二人には昨日女装姿を見られているしシンイチが女装する理由も知っているのでシンイチはほっとした。 「はい、どうぞ」 「お邪魔します」×2 シンイチが鍵のロックを解除すると、ドアを開けてイツコとサヤが入ってきた。 「いらっしゃいませ」 「あら、シンイチくん、わざわざ女装してお出迎えしてくれたの?」 本当は理由を知っているくせにとぼけるイツコ。 「あ、えっと、そうじゃなくて・・・」 「わかってるわ。劇の稽古してたんでしょ?」 一応、助け船を出したサヤ。 「そ、そうです。あの、どうぞ、お上がり下さい」 シンイチは来客用のスリッパを二人に出すと、リビングに戻った。 「いらっしゃい、イツコ、サヤ」 「シンイチくんも大胆になったものね。赤の他人が訪ねてきたかもしれないのに女装姿で応対に出てくるなんて」 「あ、あの、だから・・・」 「ええ、劇の稽古をしていただろうという事はわかるわ」 「まあ、シンデレラの姿じゃないけれど、そのスリップドレスはよく似合ってるわ」 「でしょ?ホント女のコに見えるんだもの、赤の他人が見たって絶対バレたりしないわ。今度、外でお散歩してみる?」 「ちょ、そ、それは勘弁して下さい」 「それはともかくとして、ここはいいから夕食の支度に戻りなさい」 「は、はい、お姉様」 イツコやサヤやサトミにからかわれて焦っていたシンイチはアスリンに命じられてこれ幸いとばかりにキッチンに戻った。アスリンの言葉の中にシンデレラというキーワードが入っていなかったのに。 だが、それもアスリンは意識して言わなかった事だった。今は劇の稽古としてシンデレラの姉(本当は王子役だが)の仮役でシンデレラに命じている訳だが、文化祭が終わった後はシンイチをペットとして自分が飼い主となるつもりだからだった。 「じゃあ、今日は私も手伝うわ」 サヤが腕まくりしてキッチンにやってきた。 「あ、でも、お客様にお手伝いをさせるなんて、お姉様に叱られてしまいます」 「あの、私も姉役の一人として来たんだけど・・・その私が手伝うって言い出したんだから、心配しなくても大丈夫よ」 「わかりました。有難う御座います」 と、サヤはシンイチと手分けして夕餉の準備に取り掛かった。だが、それも実は自分の意志で手伝いを申し出たのではなく、イツコに命じられての事だった。その表向きの理由は聞いていたが、裏の理由は聞かされていなかった。 “そうやって二人仲良く並んでいると、本当の姉妹にも見えてきそうね・・・” シンイチとサヤが仲良く談笑しながら料理をしている後姿を見ながらイツコが目を細めていると。 「イツコ、ちょっと・・・」 サトミは小声でイツコを手招くと、密談を始めた。 「シンイチくん、女のコになりきってるでしょ?」 「・・・でも、股間はしっかり男のコを主張しているみたいね」 イツコは既にシンイチがいまだにペニスをフル勃起させている事に気づいていた。 「流石に観察眼も鋭いわね」 「あんなに薄いスリップドレスじゃ隠し通せないわよ」 「女装マゾだからしかたないんじゃない?」 密談にアスリンも加わる。 「でも劇の最中もあの状態だったら流石にマズイんじゃなくて?」 「それもそうね。あの可愛い姿はあくまでも私達専用という事にしときたいわね」 「じゃあ、どうするの?せっかく、シンイチの弱みを握ったのに」 「大丈夫。私にいい考えがあるわ」 イツコのそのいい考えというものを聞いたアスリンとサトミは驚きの表情になったが、シンイチに気づかれないように声は出さなかった。 その頃キッチンでは。 「シンイチくん、料理も上手なんて凄いわ」 「そうですか?」 「料理ができる男子って、今時の女子に割と人気なのよ」 「でも、やっぱり料理は女性の方が上手じゃないとマズイのでは?」 「それは確かにね」 夕餉のカレーの準備はあらかた終わって後は煮込むだけなので、二人がおしゃべりに興じていると。 「本当にあなたは家事を何でもこなしてしまうのね。きっといいお嫁さんになれるわよ」 いきなりシンイチのすぐ後ろ―――それも密着するかどうかという至近距離―――からイツコはシンイチの身体を掻き抱いた。 「女のコだったらそうかもしれませんけど」 男のシンイチにお嫁さんという言い方をするのはどうかはともかくとして、一応褒め言葉であったのでシンイチは笑顔で背後のイツコに答えた。 「あら、今のシンイチくんは劇のシンデレラになりきっていなくちゃいけないのではなくて?」 「あ・・・そうでした。ごめんなさい、お継母様」 「しかも、貴方は女のコの筈なのに、これは一体どういう事かしら!?」 イツコはシンイチを抱きしめる手を下に下げると、スリップドレスの下腹部が微かに膨らんでいる部分をいきなり掴んだ。 「あっ!ダ、ダメッ!やめて下さいっ!」 シンイチは突然の事に身体を捩ってイツコから逃れようとしたが、イツコからのアイコンタクトでサヤがシンイチの両手を掴んで上に持ち上げてしまった為、身動きも取れなくなってしまった。 「ブザマね・・・劇の為に女装しているのに、こんなにペニスをボッキさせてしまってるなんて。こんな状態で劇なんてできるわけないでしょ」 「そ・・・それは・・・」 シンイチがペニスを勃起させてしまうのは、ただ女装しているからではなくて、身に着けているパンティが大好きなサトミのものだからだった。事実、以前に無理やりアスカに女装させられた時や劇の稽古という名目で女装した時は勃起していなかったのだ。だが、本当の理由、自分の素直な想いは恥ずかしくて言えなかった。 「確かにそうよね。これじゃシンイチくんが女装マゾだって学校中にバレちゃうわ」 「その前に劇が上演できないでしょうに!」 キッチンにやってきたサトミとアスリンはわざとらしく嘆いた。 「どうします?」 サトミもアスリンもサヤも演技しているのだが、今のパニクっているシンイチにはそんな事はわかる筈も無かった。 「ここは、シンイチくんに本当の意味で女のコになって貰う必要があるわ」 「ほ、本当の意味って・・・」 それがどういう意味なのか、シンイチには皆目見当つかない。本当の女のコならペニスは無い、ならばペニスを切り落とそうとでも言うつもりなのか? 「男は女に突き入れる存在、女は男を受け入れる存在。だから、本当の女のコにはなれないけど、本当の女のコと同じ経験をして貰えばいいのよ」 「そ・・・それって・・・まさか・・・」 イツコの説明で聡明なシンイチにも朧気に理解した。 「まあ、シンイチくんには当然ヴァギナは無いし、ここはやっぱりアヌスでやるしかないわね」 「いっ、嫌だっ!やめて下さいっ!た、助けてサトミさん!アスリン!」 「うーん、滅多に無い事だし、経験しておいたら?」 シンイチが嫌がっているのにサトミは呑気な応え。 「これも劇の為よ。仕方ないって」 アスリンも心にも無い言葉を吐いた。 「じゃあ、三人とも手伝って」 「やっ、やめてっ!離してよっ!」 シンジは暴れて逃れようとしたが、相手が女性とは言え四人がかりでは、男性としてはやや腕力が弱いシンイチにはどうしようもなかった。 タオルで猿轡された上に両手を後ろに縛られてしまったシンイチはそのままリビングのカーペットの上に仰向けで寝かされた。 「で、誰がシンイチくんのアナルヴァージンを奪うの?普通なら王子さまの役目だけど」 サトミがアスリンに振ると。 「わ、私!?無理無理無理!そんな事した経験無いもの!」 アスリンは両手を前で振って拒否した。 「ああ、それなら私がするわ。いつもマヤに相手して貰ってるしね」 イツコは持ってきたバッグの中からペニスバンドを取り出した。それは所謂双頭タイプで、片方は伝統的・・・ではなくて電動バイブ、もう片方はディルドとなっていた。 「ぅむううぅぅ~~っっ!!」 シンイチはそれを見て、それが自分のアヌスを犯すものだと知って悲鳴を上げようとしたが、猿轡されているのでくぐもった声にしかならなかった。 「じゃあ、二人ともシンイチくんの脚を持ち上げて」 既にシンイチの左右の脚の上に腰を据えて身動きできなくしていたサトミとアスリンは、イツコに言われたとおりにシンイチの両脚を足首を持って持ち上げた。すると、スリップドレスの裾が下に落ち、パンティが露わになった。しかも、未だにそれはテントを張っていた。 「今からアヌスを貫かれるというのに、あなたのペニスはまだガチガチなのね。きっと、いやらしい事されるのが嬉しいと思ってるんでしょう?エッチなコなんだから」 イツコはサヤとレズセックスする時と同様に言葉で嬲るという手口でシンイチの羞恥心を煽る。そのサヤはと言うと、シンイチの頭を膝枕していた。 「さてと・・・」 イツコは自分のタイトミニのスカートの中に両手を入れると、自らパンティを引き降ろして脱ぎ捨てた。 「私の脱ぎたてのパンティだけど、私のプッシーの匂いがするかもしれないわ。どう、匂い嗅いでみる?」 シンイチは僅かに首を横に振った。 「あら、そう、残念ね。じゃあ、これはサヤにあげるわ」 「有難う御座います、お姉さま」 自分に放られたイツコのパンティを受け取ったサヤは、それを愛おしそうに頬擦りした。 “ふぇぇ・・・二人の関係はそこまでいってるっての?” “相変わらず、大胆なヤツ・・・” アスリンは聞いていたイツコとサヤの同性愛関係のディープさに驚き、サトミはそうやってイツコが自ら自分の興奮度をアップさせていくのに感嘆する。 「じゃあ、今度はあなたがパンティを脱ぐ番よ」 イツコはシンイチの両脚の間に膝行すると、シンイチのパンティに手を掛けた。 「ぅむううぅぅ~~っっ!!」 パンティを脱がされたら自分のペニスが露わにされてしまう。サトミ以外には誰にも見せたくない、自分のペニスを・・・。 だからシンイチは拒否しようと声を出そうとしたがが、うめき声にしかならなかった。 そんなシンイチの気持ちを知りながらも逆に嗜虐心を萌えさせられたイツコだが、脱がそうとしたパンティがシンイチのお尻とカーペットの間で挟まって抜けなくなると。 「じゃあ、二人ともシンイチくんの脚をもう少し持ち上げて。腰が少し浮くくらいまで」 既にシンイチの左右の脚首を持って身動きできなくしていたサトミとアスリンは、イツコに言われたとおりにシンイチの膝裏に手を添えて押し上げた。そして、シンイチの腰が僅かに浮いたその瞬間を見計らってイツコはパンティを腰から外すことに成功した。それだけでなく、そのまま脱がせて上に引き上げた。 「ぅむうううううううううううううっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!」 先程よりも大きい声量でシンイチの呻き声が漏れた。 “あらまぁ・・・こんなに小振りなのに、しっかり硬くなっちゃって・・・” “こ、これが・・・シンイチのペニス・・・” “ドゥフ・・・シンちゃんたら、カワイイ・・・” イツコ、アスリン、サトミがシンイチのフル勃起ペニスを目の当たりにして三者三様の感嘆を漏らした。 フル勃起してもサトミのパンティから顔を覗かせないぐらいだから、シンイチのペニスは同世代よりも小さめと言えるだろう。その証拠と言えるかどうか不明だが、その先端は僅かに包皮が綻んで亀頭の先っちょが見えるだけだった。所謂仮性包茎状態とも言えるが、まだ成長途中とも言える。 一方、シンイチの方は恥ずかしくて堪らなくて閉じた両の目尻に涙を溜めていた。 “見られちゃった・・・僕のおちんちんを・・・サトミさんだけのものだったのに・・・アスリンやイツコさんやサヤさんまで・・・” だが、実はサヤはシンイチのペニスを直視できなくて代わりにシンイチの顔をずっと見ていた。自分のペニスを見せたくも無い女性に見られているという羞恥にシンイチが必死に耐えているのが目に見えるようにわかるサヤ。 “私・・・このままこんな事していていいのかしら?・・・こんな、女のコみたいにカワイイ男のコなのに・・・” 「さてと・・・」 しばしシンイチのペニスを見て愉しんだイツコは自分のスカートに手を掛けた。 「シンイチくん、ちょっとこっちを見て」 イツコに声かけられて無意識に目を開けたシンイチは、その瞬間にイツコが自分のスカートを捲り上げるのを見た。 “あ・・・” 「シンイチくんのペニスを見せて貰ったのだから、私もプッシーを見せてあげないとね」 金色に染めた髪の毛と違って、イツコのアンダーヘアの色は元の黒のままだった。だが、それは恥丘の部分に小さめに茂っているだけで、女性器の周囲には無かった。 「フフッ、プッシーが見えやすいように周りのヘアは脱毛処理しているの。どうかしら、私のプッシーは?」 それは、シンイチが初めて見る女性器の外観だった。ただし、その形状・寸法の描写は省略する。 “こ・・・これが・・・女性器・・・” 初めて女性器を生で見た驚きでシンイチが何も言えずにいると、イツコは膝立ちのままペニスバンドを手にしてそのバイブ側を自分の女性器の方に押し当てた。 「見てて、私のプッシーの中にペニスが入っていくところを・・・」 上気した頬で自分の下腹部を見下ろし、片手で女性器の内襞を開いてもう片手で持ったペニスバンドを押し入れていくイツコ。 「素敵・・・お姉様・・・」 股間にペニスを生やした形になったイツコの妖しい姿を見てサヤはイツコとの行為を思い出し、顔を上気させて目がトロンとしてきた。 そして、イツコはバンド部分を留めると、続いて胸のブラウスのポケットから小さな小瓶を取り出した。 「それは何?」 「勿論、ローションよ。いくらなんでも何も準備無しに入れるのは難しいわ。それに、シンイチくんも必死のようだし」 自分のペニス?にローションを垂らして塗り込めたイツコは、そのネトネトになった指をシンイチのアヌスにそっとあてがった。 「フフッ、必死でアヌスを窄めているようだけど、そんな時の為にこのローションというのは開発されたのよ。抵抗したって無駄よ」 イツコはシンイチのアヌスにローションを塗り広げる。 「ぅむううぅぅ~~っっ!!」 得体の知れない感覚にシンイチはくぐもった声で呻く。 “ややめてよっ・・・変なところ、触らないで・・・” 一方、アスリンとサトミはイツコの指がシンイチのアヌスの上で動くのを興味深気に観察している。 “そうやってマッサージしてアヌスをほぐすという事ね。勉強になるわ” “サヤを相手にして覚えたテクニックかしら?” 「さて、これぐらいでいいわね」 「えっ、もうほぐれたの?指が入るぐらいにはしなきゃいけないんじゃないの?」 「私の指でアナルヴァージンを破る訳にはいかないでしょ。やっぱり、ちゃんと男性器を象ったディルドを使うのが女のコへの礼儀よ」 「ぅむううぅぅ~~っっ!!」 “ち、違うのに・・・劇の為に女のコになってるだけで、僕は男のコなのに・・・” 「大丈夫よ。アヌスにもこっちにも十分ローションが塗り込まれているから、スムーズに入っていくわ。安心して」 シンイチの呻き声の意図を知ってか知らずか、イツコはシンイチに優しく微笑んで答えると、己のペニス?をシンイチのアヌスに触れさせた。その瞬間、シンイチの身体がビクッと震えた。 「さあ、いよいよシンちゃんのアナルヴァージン開通式が始まります」 「サトミったら何茶化してんのよ。これは劇の成功の為に必要な儀式なんだから」 悪ノリ気味のサトミに対し、アスリンは真剣な面持ちで窘める。と言っても内心では劇云々は理由としては対して意味は無く、今後のシンイチへの躾けに対しての重要なステップと捉えていたが。 「じゃあ、いくわよ。覚悟なさい」 「ぅむううぅぅ~~っっ!!」 “やめてっ!そんなことやめてぇっ!” シンイチはうめき声をあげながら首を激しく振って拒否の意を表したが。 「入ります」 イツコはそんな事お構いなしに腰を前に動かしてゆっくりとシンイチのアヌスに己のペニス?の先端を押し込んでいく。ディルド表面とシンイチのアヌスに塗られたローションのおかげで、シンイチのアヌスはゆっくりと押し広げられていく。 「ぅむううぅぅ~~っっ!!」 “うぁぁ・・・は、入って・・・くる・・・入って・・・きちゃう・・・” ディルドの先端が自分のアヌスの中に入ってくるのを感じ、シンイチは目を白黒させながら呻いた。 一方のイツコもシンイチのアヌスの抵抗が弱くなったのをディルドの感触から感じ取っていた。

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