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第7話 そのイチ
第7話
平日の夜は「ユイコの部屋」で有料フェラチオサービスをさせられていたシンイチにとって、土曜日の夕方からのバレエのレッスンは最も心が安らげる時間だった。
バレエを許される条件としてサトミ達から(超)ハイレグレオタードを着る事を強要されていて、自分がそれに興奮してペニスをフル勃起させてしまう変態女装美少年である事は隠せなくて、でもそのレオタードの生地がペニスを包み込む感触は(性的にも)心地良くてますますペニスを固くさせてその大きさ・形状をレオタードに浮かび上がらせてしまうのだが、ユイコがそんな恥ずかしい・いやらしい姿を見せても、先生は咎める事無く他のレッスン生徒と分け隔てなく指導してくれるし、レッスンメイトも「そういう性癖の男のコもいる」という事を本当に理解してくれて、毛嫌いするどころか自分達と同じ女のコ扱いしてくれた。勿論、本物の女のコであるからにはユイコのペニスに興味津々だったのは言うまでもなかったがそれはともかく。
自分が奴隷に転落させられた罠である女装だったが、シンイチはこの時間は女装するのがとても好きだったのだ。
「じゃあ、行ってらっしゃいな。最後だからう~んと愉しんで来てねン」
「はぃ・・・」
サトミと分かれたユイコはいつもどおりにレッスンスタジオにやってきた。やっぱり、いつもどおり一番最後で既にチハヤ・マヤ・アロエ・ツブラ・ノナ・ミサキ・ミチル・フランソワ・ロビンの9人のレッスンメイト達は先に来て、もうレオタードに着替えていた。
「あら、ユイコさん、いつもより遅かったみたい・・・」
「・・・えーと・・・何か、スカート随分と短くし過ぎじゃない?」
制服のスカートを内側に折り込んで短くした方が可愛いと言う事で本物のJK・JCである彼女達は登下校時は各々のスタイルでスカートを短くしてファッションとしての着こなしを楽しんでいた。その方が可愛いという論にはユイコも諸手を上げて賛成ではあったが、それにしても今日のそのスカートの短さは大胆すぎるというか・・・
「あ、その・・・ちょっと冒険したくなっちゃって・・・」
それは確かに彼女達も理解できなくもないし、友達とふざけて賭けで負けた罰ゲームでそんな事をした事もあったのだが、今日のユイコはもう股下が殆ど無しという短さにしていたのだ。
ネットに転がっている盗撮写真では、画像データとしてスカートの丈を思いっきり短く修正・コラされたものもアップされて画像投稿掲示板に貼り付けられたりしているが、今のユイコは全くそれと同じレベルだった。
つまり、普通なら視線がかなり下方からじゃなければ覗けない白い物が、ほんの少し下方からで見えてしまっていたのだ。いつもは直通エレベーターでこの階に来るのだが、今日はサトミに連れられてエスカレーターでずっと上がってきていた。後方にいた人からは、きっとユイコのパンティが下から覗けていた筈だ。まあ、それもサトミの狙いで今日はエスカレーターにしたらしかった。
「み・・・見えちゃいますよぅ・・・」
「いいじゃん、見られたって減るもんじゃ無いし。サービスサービスゥ」
最初の頃のサトミだったら、シンイチを女装させて恥ずかしがる様を見て悦に浸るというものだったが、今はもうアスリンの悪影響を受けて嬉々としてシンイチをイジメているようだった。
「あ、そうそう、だからと言ってお尻を手で押さえるようなマヌケな真似は晒さないでね。短くした方が可愛いんだから、恥ずかしがってちゃポリシーが矛盾する事になっちゃうし」
「そ、そんなぁ・・・」
エスカレーターを昇ってくる最中に上から降りてきたJKやJC達に行き違った後で
「今のコ、スカート短くし過ぎじゃね?」
とか後ろから聞こえてきたのは一度や二度ではないし、如何にもそうなDQNはきっと後方から見上げてケータイで写真も取っていたかもしれなかった。
だが、今ここでレッスンメイトがそれに気付いたのは、前からもパンティがのぞけてしまっていたからだった。勿論それは、フル勃起したペニスがスカートを内側から少し持ち上げて丈を短くなるようにしてしまっていたせいもあった。それはつまり・・・
「ぴらっ」
「きゃんっ!?」
ミチルに冗談でスカートの後ろを捲られてしまって、慌ててユイコは可愛い悲鳴を上げてお尻を抑えた。
「もう、冗談はやめて、ミチルちゃん!」
「ごめんなさい」
スカートまくりなど女同士の親愛の情の現れに過ぎないし、ユイコも本気ではなく可愛く怒っただけですぐに更衣室に入った。
が、ミサキは何か不思議な感じがした。
「・・・ユイコさん・・・ビキニタイプを穿いてた…」
「そう言えば、いつもはハイレグのパンティだったのに・・・」
ミチルもようやくその違いに気付いて不思議顔。
「・・・うーん・・・ちょっと待って・・・ハイレグじゃなかったら・・・つまりそれは、丈が短い事で・・・ぃゃん」
ノナがいきなり顔を赤らめた。
「ちょっとノナ、貴女今何を想像したのよ?」
と言いつつ、ツブラも何となくにやけたような顔をしてるので、彼女も同じ想像をしたのかもしれない。
「彼女は、いつもエレクチオンさせてますよネ?」
「じゃあ、ビキニタイプ穿いてたら、はみ出ちゃうヨ?」
フランソワとロビンの話からようやくマヤやアロエも気が付いた。
「じゃあ、スカートの下にパンティが前から見えてたのは・・・」
「ただでさえ短いスカートだったから・・・はみ出した部分で持ち上がってた訳?」
「本当に・・・スゴク大胆なのね・・・」
ユイコのスカートの内側の情景を思い描いたアロエやマヤやチハヤも顔を薄らと赤く染めた。
だが、それだけで終わると思ったら大間違いだった。
更衣室でレッスン用のレオタードに着替えて出てきたユイコのその姿に9人のレッスンメイト達はまた
「「「「「「「「「ええっ?うっそーっ!」」」」」」」」」
と何だか嬉し恥ずかしっぽい嬌声を上げた。
「ユ、ユ、ユ、ユイコさん・・・そ、それって・・・」
「あ、あの・・・ごめんなさい、先に謝っとく・・・その・・・ユイコさんさ・・・ア、アレが・・・」
「いや、アレじゃわかんないって」
「そ、そんな事言ったって・・・」
「言っていいのかしら?」
チハヤ・マヤ・アロエ・ツブラ・ノナの年長組はやはり恥じらってズバリ言葉にできなかったようだ。
「あのぅ・・・ユイコ・・・オチンチンが・・・」
「勃起してるの・・・見えちゃってるんですけど・・・」
「レオタードの生地が凄く薄いんですネ」
「ヘンタイまる見えだヨ」
同年齢のミサキ・ミチルや留学生のフランソワやロビンは恥ずかしがらずにストレートに言ってきた。
「あ・・・はぃ・・・その・・・ちょっと、思うところが有って・・・今日はみなさんにサービスしようと・・・ボディストッキングにしました・・・」
いつもはペニスがフル勃起状態なのがバレバレの変態女装姿でも明るく女のコらしく受け答えしていたのに、今日は途切れ途切れのか細い声のユイコに9人のレッスンメイト達は首を傾げた。
それに、思うところとか、サービスとかの意味もよくはわからなかった。まぁ、もしかしたらサービスと言うのは極薄の生地のレオタードを着ているので、ユイコのフル勃起しっぱなしのペニスが殆ど?見れる事ではないかと誰もが思ったが。
そして、思うところとはともかく、サービスについての推測は正解と言えるものだった。
さて、その日のレッスンも終わり、いよいよ一か月後に迫ってきたバレエ発表会で各自が何の演目をやるかの発表がコーチのキヌコからあった。だが、ユイコについては何も発表が無かった。
「先生、ユイコさんは何の演目をやるんですか?」
チハヤからその質問が出ると、キヌコは応えずにユイコを手招きして前に呼んだ。
「突然ですが、都合によりユイコさんは今日限りでこのスタジオでのレッスンを終える事になりました」
「「「「「「「「「ええーっ!!!!!!!!!」」」」」」」」」
キヌコの言葉に9人のレッスンメイト達は一斉に驚きの声を上げた。
「あの・・・みなさん・・・少しの間ですが・・・こんな私を・・・ちゃんと女のコとして接してくれて・・・レッスンメイトになってくれて・・・有難う御座いました・・・みなさんのような、心の優しく美しい人達がいた事を・・・私は忘れません・・・」
「本当なんだ・・・ユイコさん・・・」
「残念ですわ、せっかくお知り合いになれたのに・・・」
ユイコがここでバレエのレッスンを受ける事を終える事を本人からのその挨拶で理解した彼女達は、ユイコとの別れを残念がった。
女装してペニスをフル勃起させてしまう変態美少年ではあったが、それは性欲の権化とも言われるお年頃の彼女達には何よりも目の保養?になったし、それについて冗談で指摘したって可愛く怒るだけでどちらかと言うと笑って許してくれた感じだった。
それだけでなく、自分達を男性的ないやらしい目で見るなんて失礼な事もせず、さらに更衣室も一番最後にやってきて使う―――もし彼女達がレオタードに着替えている途中で入って来たら、着替えを覗かれる・・・はちょっと違うか・・・着替えを見られる、まかり間違えば裸を見られる恐れがあった。でも、彼女達はユイコをもう女のコ扱いしてくれていたからそんな事は杞憂ではあったし、彼女達の中には裸を見られてもいい、いや、見られたい、そのかわりにユイコのオチンチンも生で見て見たい、なんて思っていたコもいたのだ―――と言った心遣いもしてくれていた。それよりも何も、バレエのレッスンを受けるその姿勢は周囲の本物の女のコ達と何ら変わりは無かった。
本当に「オチンチンがついているけどそれだけの、普通のバレエ好きな女のコ」そのものと彼女達は心から思っていてくれたのだ。
先週の日曜日、シンイチ・・・いや、ユイコはサトミと共にここにキヌコに呼び出されていた。
「いきなりですけど、ユイコさんにはこのバレエスタジオでレッスンを受けるのをやめて頂きます」
突然のキヌコのその一方的な宣言にユイコは納得できなかった。
「な、何故ですか?」
「ご自分の心に訊いてみたらどうですか?」
と言われても、ユイコには心当たりは無かった。最初はともかくとして、もう今は9人のレッスンメイト達―――もう、めんどくさいんで以降はバレリーナ・ナインとでも呼称する―――とはすっかり仲良くなって、誰もユイコを変態女装美少年として毛嫌いする事無く、普通に女のコとして接してきてくれていたのだ。
「そんな事言われても・・・私何も・・・」
「どうあってもとぼけるつもりですか。では、これは一体何ですか!?」
「そ、それはっ!?」
ユイコは顔面蒼白になった。キヌコがユイコに突き付けてきたのは、アスリンに強要されてやっていたDD・DK・DC・(DS)への有料フェラチオサービス「ユイコの部屋」の証拠写真だった。宣伝サイトでのコスプレ写真や料金案内、そしてあろう事かサービス中の写真までプリントアウトされていたのだ。
だが、宣伝サイトにはコスプレ写真や料金案内はともかくとして、そんなプレイ中の写真など本当はアップされていなかった。それに、ユイコが誰かのペニスを咥えている写真の他に、何故かユイコが露出用ランジェリーを着てペニスをフル勃起させたまま顔中をザーメンパックされているようなドギツイ写真まであったのだが、ユイコは露出用ランジェリーを着てサービスした事は無かった。お客の事を考えてペニスのもっこりが分からないようにアスリンの指示でちゃんとミニスカートを穿いてサービスしていたのだ。そんな写真がある筈が無い。あるとすれば手の込んだCG加工によるものしか考えられなかった。
しかし、キヌコにそれらを見せられたユイコは気が動転していて言葉を失っていた。
「変態女装中学生であっても、バレエについては真摯な姿勢だったのでレッスンの受講を許可しましたが、こんなフシダラで如何わしい真似をする人間には、私のバレエを教えたくはありません!」
決して知られたくはない秘密を知られてしまったのだ。ユイコは言葉も発せず、その場に立ち尽くすしかなかった。が。
「ユイコちゃん、残念だけど、受け入れるしかないわ。バレエのレッスンはこれでお終い。こんな事、レッスンメイトの女のコ達に知られたらどうするの?」
「そっ、それだけはっ!」
こんな変態女装中学生でも、気にせず女のコ扱いしてくれた心の優しく美しい彼女達を裏切ってしまう事だけは、ユイコも怖くてできなかった。
「わかったわ。じゃあ、後は私が話しておくから、ユイコちゃんはこのまま帰りなさい。いいわね?」
「は・・・はぃ・・・」
サトミが何とか事を悪い方向に行かないように納めてくれるだろうと信じて、ユイコは一人帰路に着いた。
しかし、キヌコはユイコだけに辛辣な言葉を使って、その保護者たるサトミには何も言っていない事にユイコは気付いていなかった。
「本当にいいのですか?あのコ、天才とまではいきませんが、他のレッスン生に比べても、筋はなかなかよろしいんですのよ?」
ユイコにレッスン生クビを宣告した当のキヌコがサトミに再確認を取ってきた。さっきユイコ本人に言ったように、変態女装中学生ではあるが、バレエに対する姿勢は真摯そのもので筋も良い、となれば何の差別も分け隔ても無く自分のバレエを教えるのに吝かでないのがキヌコの本音だったが、それと180°全く異なる態度を取ったのは・・・
「いいんです、これ以上はお金の無駄ですから」
例のM資金(笑)を管理しているのはサトミだが、その使い道について主に決定権を持つのはアスリンだった。そのアスリンが、もうバレエを習わせる必要は無いと判断したのだ。その理由は勿論、ユイコ・・・いや、シンイチがこのバレエのレッスンの時間だけは幸せそうな表情・心持で過ごしているのが気に食わなかっただけに過ぎなかった。
「それに、女装して性的に興奮している変態の男のコなんて、例えこの先もっとバレエが上手くなったって、どこのバレエ団も入れてくれないでしょう?」
「まあ、それはそうですけど・・・」
まあ、冗談女装のバレエ団というのも世の中には確かにあるようだが、ユイコの場合は冗談女装というよりは、下腹部を無視すれば女のコそのものと言ってもいい容姿になってしまうのだ。やはりそのバレエ団でも何か違う事になるだろう。かと言ってそのまま普通のバレリーナになるなんてそれこそ漫画の世界にしかない。残るは、女装変態美少年バレリーナとして、ニューハーフ関連のショービジネス界で生きるしかないだろう。
ユイコがどのような人生を選択するのかキヌコには不明―――勿論、同級生の女のコの奴隷だと言う事は彼女は知らされていない―――だが、どんな将来が待っていようとも、その為にも今ある才能・技術にはできるだけ磨きをかけていた方が良いとキヌコは思っていたのだが。
「いろいろと無理を言って申し訳ありませんが、そういう事なので・・・いろいろと有難う御座いました。謝礼はうんと弾みますので・・・それでは失礼します」
何だかんだ言ってもこの世はやはり金だ。このレッスン用のスタジオも只で貸して貰っている訳では無い。行く行くは自分のスタジオを持つためにも資金は必要だ。これもビジネスライクに事を進めるしか無い、とキヌコは妥協した。
そう、キヌコがユイコに突き付けた如何わしいハレンチな性的サービスの暴露写真は、ユイコにバレエを諦めさせる為の絶好の攻撃材料としてアスリン経由でサトミが彼女に流したものだったのだ。その写真の一部は現実では起こらず、機械にのみ記録された部分もあったが・・・。
今日のレッスンが終了しても、バレリーナ・ナインはまだシャワーを浴びたりせずにスタジオのレッスン室内に居残っていた。それは、キヌコが「最後にユイコさんから皆さんに贈り物があるそうなので、見て行ってください」と言い残して控室に引っ込んでしまったからだ。
はたして、ユイコからの贈り物とは何なのか?もしかして一人一人への何かプレゼントなのか?と普通は思いがちだが、そこでもユイコはバレリーナ・ナインの予想を大きく裏切った姿で現れた。
「「「「「「「「「ええーっ?ぃやぁ~ん・・・」」」」」」」」」
ユイコはサトミに特別に仕立てて貰ったチュチュを身に着けていた。だが、それは・・・
「・・・お・・・おっぱい・・・見えてる!?」
ユイコは普段とは違ってこのバレエレッスンではより女のコ気分を愉しむ為に、アスリンは介さず直接サトミに個人的にお願いして購入して貰った、Aカップサイズのダミーバストを使用していた。それはシリコン製のバストが形・軟らかさも本物そっくりに精巧に形作られていて、それを透明なビニールのストラップでブラジャーの様に装着するものだった。
今ユイコが着て出てきたチュチュは、まるで露出専用とでもいうかのようにボディスの胸の部分は枠だけしかなくてフルオープンになっていたのだ。
「・・・お・・・お尻も・・・見えてるし・・・」
露出専用チュチュだけあって、ツンのヒップの部分もTバックになっていたのでお尻丸出しだった。そして・・・
「・・・お・・・おちんちん・・・見え・・・てる・・・?」
ツンのクロッチ部はちゃんとあったのでタマタマは隠れていたが、チュールフリルで装飾はされているものの布地はそれだけで、つまりペニスは殆ど見えていた。ただ腰の周りの短いフレアスカートのせいでペニスの尖端は見えなくなっていた・・・てゆーか、ペニスによってそのスカートが持ち上げられていたのかもしれない。
その他、一応頭にはティアラ、そしてトゥシューズとそれをふくらはぎで固定するリボンも装飾されてはいるが、おっぱいもお尻もおちんちんも丸出しと言う事は当然中にバレエ・ファウンデーションも着ていないしプチッティもタイツも穿いていなかった。
金糸・銀糸やラインストーン・スパンコールなどで飾り立てられてはいるが、そんなハレンチなまるでストリッパー御用達かあるいは露出狂のようなチュチュをユイコは着て出てきたのだが、バレリーナ・ナインは「ぃやぁ~ん」と言葉そのものでは恥ずかしくて見てられなくて拒否してしまいそうな反応をしたが、ざーとらしく両手で顔を覆った仕草をしたのは数人で、それも両指はV字に開いているので視界は防がれてはおらず、顔は嬉しそうだった。
「みなさん・・・女装してエッチな興奮をしておちんちんをフル勃起させてしまうような変態中学生の私にとってもよく・・・優しく接して頂いて・・・女のコとして扱ってくれて・・・大変有難う御座いました・・・・・・・・・私は、今日でみなさんとお別れする事になりました。最後に、みなさんへの感謝として、私の踊りを披露します・・・どうか、変態女装中学生・ユイコの淫らな舞を御堪能下さい・・・」
と、どこかからくるみ割り人形のバレエ曲が流れてきた。勿論、レッスンスタジオであるからにはBGMに合わせて舞う練習も必要なので音響装置は揃えられていた訳で、誰が曲をスタートさせたかと言えば、おそらくキヌコであろう。それはともかく。
女のコらしくありたかったその証明としての(ダミー)バスト露出、そして変態女装美少年として目の前の女のコ達を愉しませるためのペニスの露出・・・それがこのお別れの舞でやるようにサトミに言い含められていた事だった。当然、サトミは控室からその様子を鑑賞しているだけでなく、録画もしているだろう。それはさておき。
「「「・・・ユイコさん・・・」」」
「「・・・上手・・・」」
「「・・・ステキ・・・」」
「「・・・綺麗・・・」」
バレリーナ・ナインの誰もが、ユイコのその舞に目を奪われていた。全くの素人同然・素人知識/技術しか無くてレッスン生として入ってきたのに、今のユイコのそのバレエ技術は十分彼女達に引けを取らないものだった。それだけでなく、やはり露出が少々恥ずかしいのか、それとも露出行為で少々興奮しているのか、両頬を少々赤らめながらもその双眸を綺羅綺羅させながら踊り、自分達よりも控えめ―――ミチル、ミサキ姉妹は同じレベルだが―――の乳房(と言ってもニセモノだが)を揺らし、自分達には無いペニス(こっちは勿論ホンモノ)を震わせながら踊るというそのエロスが、彼女達のリビドーを刺激した。見ている者に性的な興奮を覚えさせながら「見られる事」―――別に露出が必須な訳ではないが―――でバレリーナが美しく輝いて見える事を彼女達は理解したのだ。
それはともかく、バレリーナ・ナインはすっかりリビドーが刺激されまくったせいで、只ペニスが見れるだけでは飽き足らなくなっていた。つまり、見るのは視覚を使っているだけであって、その次には・・・触覚や嗅覚や味覚や聴覚を使ってみたい・・・手で触って、鼻で匂いを嗅いで、舌で味わってみて・・・だが、それは、相手とかなり深い間柄になってからが普通であって、彼女達はユイコとそんな深い間柄ではない。そしてそんな深い間柄になる相手が男のコとはいえ変態女装美少年でもいいのか?という葛藤も出てくるだろう。サトミやサヤだったら何の葛藤も無いだろうけども。
しかし、身体は正直と言うか、バレリーナ・ナインのだれもがレオタードのクロッチ部に舟形の少々濃い色に変色した部分ができていた。性的興奮で愛液が沁み出してきてしまった証拠に他ならない。
そして、ユイコの舞はいよいよ最後の瞬間を迎えた。ピルエットの後、その場でグラン・プリエからソテして見事に姿勢を崩す事無く着地・・・バレリーナ・ナインはそこがかぶりつきができるストリップ劇場であるかのように食い入るかのごとくユイコのペニスを注視し続けていた。
ピルエットではその場でくるりと回る度に腰の周りのフレアスカートが遠心力によって真横に持ち上げられ、そうなるとユイコのペニスは先端部までより良く見える筈・・・なのだが、くるくると回っているのではっきりくっきりとは見えなかった。その次のグラン・プリエではまるで股間を開いてしゃがみ込むような姿勢になってしまうのだが、女性のストリップであれば意味があるだろうけども、ユイコの場合は既にペニスは露出しているので意味をなさない・・・のだが、その姿勢を取ったと言う事がまるでストリッパー嬢のようなビジュアルで、真性ショタコンのサトミは勿論、目の前で見ているバレリーナ・ナインも、キヌコでさえもエロスを感じてしまった。そして最後のソテをしての着地では、一回上に跳んだが故に慣性の法則で腰の周りのフレアスカートも一瞬上にまくれ上がり、着地したユイコはアン・ナヴァンのポーズを決めた・・・しかも、自ら腰のフレアスカートを下から持ち支える形で・・・それはつまり、着地の衝撃でユイコのペニスが下方にぷるんと震えた後でばねのように元の位置に戻ろうと反対側に震えてその反動のあまりに下腹部の素肌をぺちんと叩いてまた静止する・・・そのいやらしい様とペニスそのものを目の前のバレリーナ・ナインにしっかりはっきり良く見える様にしてみせたのだ。
変態女装美少年として、自分のいやらしい姿をバレリーナ・ナインに見せたい、見て貰いたい、見せなければならない・・・サトミに言い付けられた命令だけでなく自分の願望やバレリーナ・ナインへ謝意を含めた今日の衣装、そして踊りだったのだ。
そして、それからはサトミやキヌコの予想外の出来事が待っていた。
「ねぇ・・・もっと・・・ユイコさんの・・・いやらしい姿を・・・見たいわ・・・」
一番年長者のチハヤがいやらしそう・・・いや、物欲しそうな目でユイコを見上げてきた。
「「私も・・・」」「「・・・見たい・・・」」
マヤやアロエ、ツブラにノナも上ずった声でユイコを見上げる。
「「こ、今度は・・・直接・・・出るシーン・・・見たい・・・」」
ミサキ・ミチル姉妹も全くユニゾンして恥じらいながらもユイコに見上げながら求める。
「それ以上ッテ?」「何のコト?」
フランソワやロビンは後からレッスン生に加わったので、ユイコの初日のあのシーンを見ていないが故に、疑問と期待が入り混じった視線をユイコに送る。
「は・・・はぃ・・・みなさんが・・・そう言われるのなら・・・」
ユイコは左手はそのままにして、右手を少しだけ下げて・・・そしてペニスを握った。
「こ、これから・・・変態女装中学生ユイコは・・・オナニーします・・・どうか、ユイコの・・・いやらしいオチンチンから・・・エッチなミルクが出る様を・・・ご覧下さい・・・」
そこまで聞いて、いくらなんでもそれは・・・と思ったキヌコが慌てて戻ろうとしたが、その腕をサトミはしっかりつかんで離さなかった。
「今、いいところなんだから・・・黙って見ていてもらえます?」
それは、低い声で有無を言わせぬ迫力があって、キヌコも動きを止めた。変態女装美少年がバレリーナ・ナインの前でストリッパ-嬢紛いの踊り―――それはサトミ自身がやれと命じて、その計画をキヌコも了承済だった―――を見せてくれただけでなく、彼女達の性的欲求に応じてオナニーショーまでやってしまう・・・そこまでユイコ、いや、シンイチが変態に堕ちた事が嬉しくて堪らなくて、それを邪魔する者(キヌコ)は絶対に許さないという、ショタコン女の猥褻な欲望・傲慢ここに極まれり、であった。もしかしたら、それでもキヌコが抵抗して邪魔しようとしてきたら、暴力に訴えてでも排除する―――その結果がどうであろうとも、その処理についてはアスリンのM資金でカタを付ければよい―――などと暴走寸前な考えを持っていたかもしれなかった。
“ “ “ “ “ “ “ “ “ ・・・っ!!!” ” ” ” ” ” ” ” ”
ユイコがペニスを握った瞬間―――オナニーは自分で性器を刺激して快楽を得る事ぐらい、彼女達も自分で経験済のなので知っていた―――バレリーナ・ナインは自分達の欲望をそのままユイコが受け入れてくれた事にすぐに気付いた。そして誰もが自分の秘所に思わず手を伸ばした。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
ユイコは小さく息を途切れさせながらもリズミカルに自分のペニスをシゴキたてる。変態女装中学生である自分を毛嫌いせずに受け止めて女のコとして扱い、心から優しく接してくれたバレリーナ・ナインが望むなら、自分の恥ずかしいオナニー・シーンを、絶頂に達してイク…射精するいやらしい様を見られてもいい、見せてもいい、見られたい、見せたい…そう、自分の欲望も心の中に一部あった訳だ。
だが、サトミに命じられた事を免罪符にしていたが故に、ユイコ・・・シンイチの頭からはアスリンの事は綺麗さっぱり忘れ去っていた。ちなみにイツコはサトミやアスリンを手伝う事が自分の目的・趣味・実益と一致しているので何かしらの要求をしてくる事は殆どなかったので頭の中には無く、サヤに到っては頭じゃなくて心の中だった。
元々、超ハイレグレオタードでペニスを包まれ刺激されて快感を得ながらレッスンを受けていた訳で、今日はサービスのためにそのレオタードをパンティストッキングの生地でできたボディストッキングに変えた事で今まではレオタードに形や大きさが浮き彫りになっていただけのペニスをほぼ直視されていた訳で、それも歓びと感じていた訳で・・・
「あっ・・・ああぁぁ~~・・・」
そして、最後のいやらしいバレエの披露でさらに快感が昂ぶっていたので、オナニーを開始してからそんな長い時間もかからずにユイコに絶頂が迫ってきた。
最初は立っていたのだが、快感で腰が震えて脚もガクガクしてきたユイコは段々中腰そしてさらに腰を降ろしてもう立っていられなくなり、とうとう膝立ちになってしまった。
「も・・・もう・・・私・・・イク・・・」
ユイコの漏らした悩ましい声にバレリーナ・ナインも自分も欲望の赴くままに答えた。
「「「イ・・・イッて、ユイコさんっ!!!」」」
「「セーエキ・・・出してっ!!」」
「「オチンチンの・・・ミルク、見たいっ!!」
「「・・・っ!!」」
チハヤ、マヤ、アロエ、ツブラ、ノナ、ミサキ、ミチルは女の本能を言葉で剥き出しにしていたが、留学生のフランソワとロビンはまだ日本語のボキャブラリがその7人よりは少なかったせいで言葉では出せなかったが、その7人と同じようにもうレオタードの上から自分の秘所を弄りまくっているのは同じだった。もし、レオタードを着ておらずに直接弄る事ができていれば、バレリーナ・ナインもユイコと同時に登り詰める事ができていただろうが…。
そして、バレリーナ・ナインがwktkして待ち続けていたその瞬間がついに訪れた。
「ああっ・・・わ、私・・・も、もう・・・イク、イクッ・・・イッ・・・クウゥ~~~ッッッ!!!」
姿勢がややくの字気味になっていたユイコはその最後の絶頂の瞬間、自ら射精の瞬間がバレリーナ・ナインによく見えるように腰から振ってペニスを天に向かって突き上げて・・・その先端から精液を吹き上げた。
“ “ “ ス・・・スゴイ・・・これが・・・射精・・・ ” ” ”
“ “ あんなに・・・吹き上がってる・・・ ” ”
“ “ オ・・・オチンチン・・・ビクビクしてるぅ・・・ ” ”
“ “ 見事な・・・トコロテン・・・ ” ”
いや、最後のトコロテンというのはフランソワとロビンが何か勘違いしているだけであって、ゲームやアニメでの誇張した大量で長く伸びる精液が出た訳では無く、ユイコのペニスから出た精液の量は最初は多かったが、その後で断続して出た時は徐々に少なくなって・・・それでもその射精快楽によって、とうとうM字座りしてしまったユイコ―――それでもフレアスカートを捲っている左手はそのままで、バレリーナ・ナインに射精シーンを最後の最後まで見せるというサービス意識をキープしていた―――は肩をビクッ、ビクッと震わせて悶えてしまっていた・・・・・・・・・。
そのいやらしい光景にそこにいた誰もがしばしの間無言になってユイコを見つめていたが、仄かに漂う若草の香りではっと気づいた。
「この香りは・・・」
イカ臭いとも言うが、彼女達には春の息吹の香りにしか思えなかった。
「これが・・・精液の・・・香りなのね・・・」
まだ性的興奮が残っているのか―――別に彼女達は絶頂に達していなかったのでそれも致し方ない―――その香りは女の本能によって不快なものとは認識されなかった。だが、ユイコにとってはその香りを感じた事は、自分が射精してしまった事で、今日のバレリーナナインへの贈り物を全て演し終えたと認識させるものだった。
「みなさん・・・変態女装中学生ユイコの恥ずかしいバレエとオナニーショーを見て頂いて…本当に有難う御座いました・・・それでは・・・」
まだ、ペニスの中から血流が抜けきっていないのだろう―――絶頂に達したら、血流は減少してペニスは萎れてしまうのが普通だが、絶頂の快楽があまりにも激しかった場合はタイムラグが発生する―――ユイコのペニスはまだフル勃起しっぱなしだった。それはやはり変態女装美少年の性というものだろう・・・ユイコは露出用チュチュ姿なのだから。
そして、今、ようやくフレアスカートから左手を離したユイコは、M字座りのまま自分のバレエとおまけのオナニーを鑑賞してくれた事への感謝を述べてお辞儀をした。
「あの、後始末をしますので、皆さんは先にお着替えをどうぞ・・・」
そして、バレリーナ・ナインが更衣室に戻って汗を拭き拭き着替えているだろう間にユイコは己のペニスやそれから撒き散らした精液をちゃんとウェットティッシュ―――そのまま更衣室の自分のバッグに取りに戻るとその間にペニス内の残渣が滴り落ちる可能性も有ったので、サトミが持ってきてくれた―――で拭き取って匂いも残らないように消臭スプレーも撒き散らした後で、バレリーナ・ナインが全員出て来るまで更衣室の前で待っているつもり・・・だったのだが。
「ユイコさん、もういいですよ、待って無くても」
「えっ?で、でも・・・」
「いいんです、みんなオッケーって言ってるし」
出てきたミサキ・ミチル姉妹―――何故かまだレオタード姿のままだった―――に両手を掴まれたユイコは更衣室内に引っ張り込まれた。
「「はい、どうぞ」」
「あ、あの、その・・・お邪魔・・・します・・・」
確かに「ただいま」では全く場違いだったが、それでもバレリーナ・ナインとしてみれば、ユイコのその言葉も少々場違いであった。
「ユイコさん、全然お邪魔なんかじゃないですよ」
「同じ女のコ同士でしょ?一緒に着替えたっておかしくないし、誰も文句は無いですよ」
そう言った彼女達はやはりみなまだレオタード姿だった。ここでユイコと一緒に着替えると言う事は、もしかしたら自分の裸をユイコに見られる可能性もあるのに、それを決して厭わないという意志の表れだった。それが、恥ずかしくいやらしいバレエとオナニーショーを披露してくれた変態女装美少年への彼女達の返礼とでもいう事らしかった。
「みなさん・・・本当に・・・有難う・・・」
ユイコは自分へのその気遣いに嬉し涙を浮かべてしまった。
そして、更衣室での着替えは、さっきまでのユイコのバレエとショーのおかげでエッチな雰囲気が残っていたせいで、バレリーナ・ナインがわざと自分達のヌードを見せつけたり、ふざけ合って背後から胸をタッチして大きさをチェックしたりと、もしかしたら「お前らレズかっ!?」と誤解を招くような事もあった。
そんなこんなで全員の着替えが終わると、バレリーナ・ナインはキヌコから話があるから全員残る様にとのお達しがあったので、先に帰る―――もう、このレッスンスタジオに来る事は無いので本当のお別れになる―――ユイコを見送る事にした。
「みなさんの事・・・忘れません・・・キヌコ先生も・・・有難う御座いました・・・」
「私達も・・・ユイコさんの事、忘れません・・・」
「もし、どこかでまた逢ったら・・・その時は・・・」
果たして、ユイコが彼女達バレリーナ・ナインと外で逢う事があるのか・・・それは神のみぞ知るというところか。
ともかく、バレリーナ・ナインとキヌコの見送りを受けてユイコはサトミに付き添われて帰路についた。
「とってもスゴくヨカッタわ、シンちゃん。貴方の変態女装美少年っぷりが余す所なく発揮された、とってもいやらしいステージだったわよ。きっとアスリンも大満足ね」
車のハンドルを握るサトミは上機嫌。今日のユイコ・・・いや、シンイチの変態女装バレエレッスン・踊り・そして最後のスペシャルオナニーショーの全てを録画したディスクは、オークションに掛けたらこの世の中の全てのショタコン女性によって次々と値段が吊り上っていってとんでもない金額で落札されるだろう。勿論、サトミはオークションになど出す気は毛頭これっぽっちも無いが、アスリンがそれを言い出す可能性も有るので、その時はマスターオリジナルはちゃんと保管してコピーを出そうと考えていた。いや、場合によってはそれをやをい系レーベルの映像制作会社に売りつけて印税でウハウハと言う事も・・・。
しかし、当のシンイチの方は浮かない顔・・・と言うよりは、何だか目尻に涙を浮かべて泣きそうな顔になっていた。
「あら、どうしたの、シンちゃん?何か、女顔を気にしていた頃の昏ーい顔してるけど・・・」
「だって・・・みんな・・・何も知らないのに・・・何も言ってないのに・・・とっても優しくしてくれて・・・いつまでも友達だって言ってくれて・・・」
きっと、本当の姿に戻ったシンイチとすれ違っても、あのコ達は誰も、一人として気付かないだろう。しかし、それは仕方がない。シンイチの、自分の素性を明かす訳にはいかなかったし、ただの変態女装中学生であること―――その境遇としては女装好きで、学校では一応男のコとしていたが、家ではいつも女装して女のコとして扱って貰っていて、ある日TVで見たバレエ番組を見てバレリーナになりたいと思うようになって、そして現在に至る・・・という事、さらにペニスのフル勃起については・・・自分はオチンチンが付いてる女のコ(厳密に言うとそれは所謂フタナリなので本人の認識は実は間違っている)だから、年頃(つまり第二次性徴期)になったら勃起してしまうのは自然な反応の筈なのだが、普通の女のコとは明らかに違うので恥ずかしいとは思ってる事―――という、嘘設定に基づいた説明しかしていなかったから尚更だった。
「・・・バレエ・・・やめたくなかった・・・」
シンイチ・・・いや、ユイコはとうとうぽろりと涙を零してしまった。それは、シンイチではなく、変態女装美少年ユイコとしての偽らざる真の気持ちだった。
“ま・・・仕方ないよね・・・”
真性のショタコンであるサトミとしては、変態女装美少年の証であるペニスがフル勃起している状況が目に取るようにわかるぴっちり超ハイレグレオタード姿を一応公の場で鑑賞できるとあって、シンイチがこのバレエスタジオでレッスンを受けている・踊っている姿をずっと鑑賞していたかったが、やはり自分のその欲望はさておきシンイチとアスリンのより深い結びつき―――それは勿論こんな歪んだ形ではなくて普通の恋愛の形を意味していて、何時かそうなってくれることを願ってはいた―――を優先すべきと考えていた。
だが、アスリンの方は、サトミの希望する恋愛の形は100%有り得ない―――何せ、当のアスリン本人はキョウヤに懸想しているのだから―――と言っていたので、サトミの願いはもはや幻想に過ぎなかった。
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