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第8話 そのイチ
第8話
『放課後、教室で待っててネ(はぁと)』
朝、下足箱に入っていたラヴレターと思わしき便箋の中には、その一文のみ記されたレターと一枚の写真が入っていた。その写真には、贅嶺女学園中等部の制服を着た生徒が映っていた。それも、あろうことか後ろ向きで自らスカートを腰の上まで捲り上げて履いているパンティを露わにしながら振り向いて微笑んでいた。その写真にはご丁寧にもリップマークと「ココに注目!!」という言葉も書き込まれていた。その注目すべき部分を示す矢印の先は勿論純白のパンティの一番下の妙な膨らみだった。腐女子などのわかる者が見れば、それはアヌスにバイブを入れてるせいで膨らんでいるのだろうとすぐに気付くだろうが、トオルがそれに気づくだろう事などアスリンにわかる筈も無かった。
その教室はいつも全く使われていないので、使用するには学校側の許可を得る必要がある―――例のブルマー反逆同盟の残念な女子連中がいつぞやも勝手に使用してシンイチを貶める策が無いかを話していてなんだかんだでアスリンに懐柔されていたあの場所である―――例の教室が指定された場所だった。
写真に写っている破廉恥なポーズを取っている贅嶺女学園中等部の女子生徒には見覚えがあった。
“・・・確か・・・ユイコさんだっけ・・・”
自分への一方的な懸想が暴走し、アスリンや贅嶺女学園の中等部・高等部の生徒会役員達も巻き込んでしまい、その一方的な想い―――というよりはむしろ欲望に近い―――は成就し、彼女は愛しいトオルのペニスをフェラチオし、その精液を飲むだけでなく顔じゅうに浴びてエクスタシーを感じていたらしい。
“・・・いったい・・・どういうつもりで・・・”
トオルは自分としては性行為なんてまだずっと先の事であるべきと考えていた。互いに愛し合える者どうしがちゃんと自分達で責任が取れる年齢になってからこそ、性行為は許されるものだと思っていた。なのに、アスリンやユイコはまだ14歳なのに愛があれば性行為は許されるものだと考えているようだ。だが、そこまでお互いの価値観が違えば、男女が恋人同士になれる筈も無かったのだが・・・。
「・・・おっ、いましたね、凪羅センパイ・・・」
扉を静かに開けて入ってきたのはアスリンだった。
「やっぱり、ユイコのパンティ丸見え写真が気に入ったみたいですねぇ」
アスリンはムフフと笑みを零した。勿論、あの写真はアスリンが強要して撮影したものだ。そして、トオルが本当にあの写真を気に入ってくれた―――ユイコの破廉恥ポーズにムフフな気分になった―――かどうかは重要ではなく、その教室にトオルが居るので今日もユイコ―――つまり、シンイチ―――との変態行為を拝む事ができるのが嬉しいだけだった。
「君が用があるのなら、普通に声を掛ければいい事じゃないのかい?」
そして勿論トオルは心にも無い事をアスリンが言い出したので、それを否定しようとしたのだが。
「何言ってるんですかぁ?せっかくユイコが頑張ってあんなポーズしたのに・・・ほら、入りなさいな、ユイコ」
アスリンに呼び込まれて、ユイコが静々と入ってきた。その身に纏っているのは贅嶺女学園ではなくて練芙学園中等部女子の制服だった。やはり、怪しまれないように制服を着替えたらしい。それをどこから入手したかはもう聞くのは野暮・・・いや、詮無い事だった。
「トオルさん・・・来ちゃいました・・・」
シンイチ、いやユイコはアスリンからさんざん強要されて覚え込まされたセリフを吐露し始めた。
「本当は・・・トオルさんの教室が良かったけど・・・」
ユイコは恥ずかしそうに俯きながらも言葉を紡ぎながらトオルの目の前に来た。そして、やおらその場でしゃがみ込んだ。
「・・・また・・・トオルさんの・・・・・・チンポ・・・・・・おしゃぶりさせて下さい・・・」
「ちょっ!?なっ!?えっ!?き、君っ!?」
予想外のユイコの言葉に慌てるトオルの姿はアスリンの予想どおりだった。
“・・・ちょ・な・え、か・・・うん、何~んか、イイ反応・・・ネタになるかな?”
ちょっ・おまっ、というのは巷の漫画やゲームでどこからか聞こえてくるセリフなのだが、アスリンは今トオルが発した言葉をやをい漫画で使えるのでは?とそんな気がした。
“後輩(受け)から告白された先輩(攻め)のセリフにいいかも?今度チコさんに言ってみよう”
いや、勿論そんな事はどうでもよくて。
「せっかくですから愉しんだらどうですかぁ?」
とか言いながら、アスリンはトオルの背後に回り込んで机をずらして退路を遮ってしまった。左右も椅子が下がってるのですぐには移動できない。
「何を・・・君が何を言ってるのか、わからないよ惣竜さん・・・ここは、学校なんだよ・・・」
「それが何か?この前だって贅嶺女学園でフェラチオさせてあげたじゃん?今更何言ってるんだか・・・」
しかし、あれはフェラチオさせてあげたと言うよりは、彼女達の罠に掛かって無理やりフェラチオされたと言った方が近かった。
「・・・トオルさん・・・私のフェラチオ・・・気持良くなかったですか?・・・チンポ、気持良くならなかったですか?」
「そんな訳ないもんねぇ、ちゃんと最後には射精してユイコに精液飲ませたり顔中精液まみれにしちゃったし」
と言いながらアスリンが懐から取り出したのは、あの時のユイコのトオルへのフェラチオシーンを撮影していたビデオからキャプチャーした写真だった。
ユイコがトオルのペニスへキスしたりしゃぶっていたり、今アスリンが言ったように顔中精液まみれにされたり、最後のトオルのペニスを頭にのせてちょんまげにして笑ってる―――もっとも、ユイコが自らミニスカートを捲り上げてパンティの上から己のペニスの先端を覗かせている部分はちゃんとトリミングしてカットしていたが―――アホ丸出しの記念撮影・・・。
「まあ、この三枚はともかくとして、最後のこの記念撮影の写真にはちゃんと凪羅センパイの姿も写ってるし、これがNETとかに出回ったりしたら大変な事になっちゃいますよねぇ?」
「く・・・君は・・・そんな卑怯な事を・・・」
容姿は端麗で誰もが振り返るほどの美少女だというのに、その性根は何とも見下げ果てたものだとトオルは思った。だが、悔しい事に彼女達が撮影した映像には自分とこの目の前のユイコという少女の破廉恥なシーンが入っているのだ。二人とも、どんなに悔しさに歯噛みしようと歯軋りしようとも、アスリンに逆らえる事は不可能だった。
ここまでアスリンが悪道・非道・冥腐魔道に堕ちてしまったのも、やはり腐女子による影響が非常に大きかった。アスリンが初めて目にした薄い本も、美少年を罠に掛けて奴隷にしてしまう中年男―――と言っても何故かイケメンなのが無意味なお約束ではあったが―――の話だったのだ。
「言っときますけど、これはユイコの望んでいる事なのよ。そうよねぇ、ユイコ?」
「は、はい・・・」
「じゃあ、またあんたの愛しい相手のチンポをおしゃぶりしたいのなら、お願いを聞いてくれるようにおねだりしてみたら?」
それが符丁であったようで、ユイコは一気にとろんとした目つきになってトオルを見上げながらそのおねだりのセリフを吐き始めた。
「ねぇ、トオルさぁん・・・お願いですから・・・トオルさんの・・・チンポぉ・・・おしゃぶりさせてぇ~」
そのあまりに悩ましい言葉遣いでの破廉恥なお願いに思わずトオルは言葉を失ってしまった。男は女を、女は男を、それぞれに性欲の対象として求めるのは自然な事として知ってはいたが、まさか自分とほぼ年齢の変わらない女のコがそんな振る舞いを見せるのが信じられなかった。勿論、自分が女のコと信じている目の前の人間が実は男のコであったと知ったなら、どんな反応を見せてくれるだろうか?とアスリンはその瞬間を想像し思わずwktkしてしまっていた。
「ねぇ・・・ダメですか?・・・また、トオルさんのチンポ、いっぱいしゃぶりたい・・・それで、トオルさんのチンポミルク、いっぱい飲みたい・・・トオルさんのチンポミルク、いっぱい顔中に掛けられたいの・・・」
「凪羅センパイ、そこまでエッチなお願いされてるんだからさぁ、さっさとやらせてあげたらどうですかぁ?」
と、アスリンはさもユイコの一方的ではあるが恋愛感情がら生じている性的欲望を叶えてあげて欲しい、というスタンスでのセリフを口にしながら、一方では前回の成果である破廉恥な写真をパタパタとこれ見よがしに振って脅迫する。
「・・・わ・・・わかった・・・そんなに言うのなら・・・好きにすればいいさ・・・」
「良かったわね~ユイコ。オッケーだってさ。じゃあ、凪羅センパイ、今度は自分でチンポを出して貰えますか?」
アスリンの依頼に擬態した強要を拒絶する事はできず、トオルは渋々言う事に従った。
しかし、トオルがズボンのファスナーを開けて自らパンツの中から引っ張り出したペニスは普段通りの非勃起状態だった。カワイイ女のコ?からフェラチオして気持ちよくさせてあげたいなんていやらしい性欲まみれのおねだりをされたら、たとえそれが付き合っている彼女でなくても性的興奮してしまうのが普通の一般男性なのかもしれないが、それが脅迫に名を借りた行為であれば、積極的な気分になる筈も無かった。
「あれぇ?こんなカワイイ女のコにエッチなお願いされてるのに興奮してないなんて、凪羅センパイってもしかしてホモ?」
男のコの心理を全く理解できていないアスリンは世迷言をほざく。
「ふふっ、じゃあ、いよいよユイコのフェラテクの見せどころね。こないだみたいに妄想の中で磨いたそのフェラテクを見せつけちゃいなさいよ」
そんな事を言いながら、アスリンはと言えば勿論傍観を決め込む・・・てゆーか、実のところの生ヤヲイのフェラシーンを鑑賞したいだけだった。その手に持ったデジカメで録画を始めている事からそれもバレバレだった。
そして、ユイコ―――シンイチはもう女装した瞬間から女のコの意識にチェンジしている―――はトオルのペニスを目にしてさらに嬉しそうな表情になった。
「それじゃぁ・・・失礼して・・・」
そっとトオルのペニスをつまんだユイコはその根元をホールドすると、唇を寄せた。
前回と同様にユイコは非勃起状態のトオルのペニスを手で撫でたり擦ったり扱いて愛撫し、さらにはキスしたり舌で舐め上げる・舐め回したりして、とうとうトオルのペニスをフル勃起させた。
「では・・・頂きまぁす・・・」
とユイコはすぐにトオルのペニスを咥え込んだ。アスリンにまた意地悪されて恥ずかしいおねだりをさせられるのが嫌でその暇も与えたくなかったからだった。
「ちょっ!ユイコ、何勝手に咥えてるのよ!」
「・・・君は黙っていてくれないか・・・」
「なっ!?」
予想外のトオルのツイートにアスリンは目を剥いた。
「このコが・・・したい事なんだから・・・君の許可はいらない筈だ・・・」
「・・・っ!」
「それとも・・・やはり、お得意の脅迫で・・・このコにやらせてるのかい?」
図星だったのでアスリンは歯噛みしてその場で一歩も動けないまま両拳を握り込むしかできなかった。
トオルの言葉を否定して自分の許可がいるとか言ってしまったらそれは自分が強要している事だと悟られてしまう、と思ったのだ。だが、その反応でトオルは自分の推測が正しい事に気付いてしまっていた。
“もしかしたら、このコは僕が好きなのかもしれないけど・・・きっと、彼女にこんな破廉恥な事を強要されて、イジメられているんだろう・・・”
それなら、さっさとこんな行為は終わりにして嫌な思いをする時間を少しでも短くした方がいいに決まっている。それ故に、トオルは周囲の雑音―――つまり、アスリンのセリフ―――をシャットダウンして快楽に身を委ねてしまうべきと判断したのだ。
そして、その相手を思い遣る気持ちはユイコの方にも以心伝心で届いていた。
“トオルくん・・・ありがとう・・・嬉しいよ・・・”
それは、ユイコとしてではなくシンイチとしてのトオルへの想いでもあった。トオルの人を思い遣る優しさが、皮肉にもシンイチの意識をユイコという女のコのそれから実際のシンイチ自身のものに引き戻してしまったのかもしれない。
しかし、それはとにかくとして、前回と同じく、いや前回よりもまったりという感じで舌を絡ませ唇で締め付けバキュームしながら扱き上げなおかつ玉袋も指で軽くつついて刺激するという、プロのフェラレディ顔負けのテクをユイコ、いや、シンイチは駆使してトオルのペニスを心から愛撫した。その愛撫という言葉通り、そのシンイチの今の想いを構成するその大半は愛情が占めていた。
「う・・・そろそろ・・・出そうだ・・・」
その声にシンイチがペニスをしごく唇の締め付けをさらにきつくすると、何故かトオルはシンイチの頭を押さえて必要以上に後ろに下がらないようにした。
“ぷ・・・ぐふふ・・・なんだかんだカッコつけた事言ってたくせに、シンイチにチンポしゃぶりされて気持ちいいんで、頭を押さえちゃってんじゃん・・・これだからオトコって気持ち悪いのよねぇ”
その男どうしのほもーんセックスにハァハァ欲情してオナニーする、あるいは自分の懸想相手―――つまり、剣崎キョウヤの事である―――に対してそのペニスをフェラチオする事を夢見て妄想の中でテクを磨いているアスリンの自分勝手なその推測も完全に的外れであった。
「さ、さぁ・・・出すよ・・・零さず・・・飲んでおくれ・・・くぅっ!」
とうとうトオルはシンイチのフェラチオによって絶頂に達し、その口腔内に精液を迸らせた。
“・・・ス・・・スゴイ・・・この前より・・・多くて・・・粘っこくて・・・”
前回は半分ほど飲んだところで口から出して顔面パックできるほどの精液を顔射されたが、勿論それはアスリンから命じられていた事でいわばやらせだった。だが、今回は自分の希望という設定をトオルがうまく生かしてアスリンの意向―――勿論、今回も前回と同じく後半は顔面シャワー受けさせる計画だった―――を蔑ろにする事ができた。
しかし、前回は半分までだったのが今回はトオルの意向で全部飲まなければならないし、一息つくために口を離す事もできない。
“顔に掛けられるよりはいい・・・かも・・・・・・!?”
次々と口腔内に吹き上がって溜まってくる若草のような香りに塗れたトオルの精液のその多さに思わず顔をしかめながらも何とか飲み込み続けていたシンイチは、そう思ったその瞬間、何か別の事に思い当っていた。
“まさか・・・トオルくんは・・・”
そうこうしている内に、ようやくトオルのペニスからの精液の迸りは収まっていった。そして、それを全て口腔内で受け止めた事で、シンイチは精液を顔中にまき散らされる事は回避できた。
「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・ありがとう・・・とても、気持良かったよ・・・」
最初は嫌がるそぶりを見せていたトオルが最後には精液を全て飲ませて絶頂を得た事に感謝の言葉まで口にしたのも、やはりトオルなりの心遣いがあったのだ。
精液を全て飲んで貰ったのは、前回みたいに顔じゅうにまき散らせて汚すような事をしたくなかったからだ。暴走あるいは常軌を逸したレベルとはいえ、せっかく自分を慕ってくれている相手に、できるだけ嫌な思いはさせたくないと思ったのだ。だから、頭を押さえてペニスを口から抜けなくさせたのだ。それは、シンイチが思い当った事と完全に一致していた。
そして、絶頂を迎えられた事に対してトオルが感謝の言葉を口にしたのは、勿論本当に気持ち良かったのでそれに対する心からの気持であるし、自分への想いが突き抜けすぎてフェラチオしたいとまでなってしまった、少々頭に(キ)マークが付きそうな女のコ―――勿論、トオルはだまされてそう思い込んでいるだけである―――のその心中を慮っての事である。
想うあまりにその相手のペニスをしゃぶって精液を飲みたいとまで願ってしまった女のコとすれば、自分のフェラで好きな相手が絶頂に達してくれた事は心から嬉しい事だし、それでその相手の精液をたっぷりと飲む事ができたのはさらに嬉しい事だろう。
そしてその好きな相手が気持良かったと言って自分のフェラテクを褒めてくれただけでなく、感謝の言葉まで言ってくれたなら・・・あまりの嬉しさに、女の子は感激してしまうだろう・・・。
まあ、感謝の言葉まで言ったら相手の女の子も嬉しいだろうとはトオルも予想したのだが。
「・・・う・・・ぐすっ・・・くぅ・・・」
目の前の女の子がいきなり泣き出すなどとは予想外だった。
「ああ・・・ご、ごめんよ・・・あんまり気持ち良かったから、つい・・・どうか、泣かないで・・・」
と、トオルは慌てて慰めようとしたのだが、
「くっ・・・ギャハハハハ!」
それがあまりにもツボに入ってしまったようで、思わずアスリンは大笑いしてしまった。
「何が・・・おかしいんだい?」
「アンタバカア?そいつは感激して涙流してんのよ。大好きな相手のチンポしゃぶりしてチンポミルクをたっぷり飲ませて貰った事が嬉しくてさ。そんな事もわかんないの?」
勿論、アスリンのその言葉の方が完全に勘違いの大外れなのだが、しかし、シンイチ、いや、ユイコとしてはそれに異を唱える事はできなかった。
「そ・・・そうです・・・・・・・・・トオルさん・・・チンポをおしゃぶりさせて貰っただけでなく、チンポミルクをたくさん飲ませて頂いて、有難う御座いました・・・」
その感謝の言葉も、勿論アスリンが気に入りそうな言葉を思いつきで言っただけで、前もってアスリンに言われていた言葉では無かった。
「・・・さて、最後にする事があったわよね、ユイコ?」
そのアスリンの言葉にユイコは無言で小さく頷いて、もう一度トオルのペニスをそっとつかんだ。
「ま・・・まだ、する気かい?」
「いえ、あの・・・お掃除フェラを・・・」
つまり、口腔内で射精した事でペニスも己の精液まみれになった訳で、勿論ユイコが口を離す時もちゃんと唇を締め付けながらだったので外に零しはしなかったのだが、トオルのペニス自体からはまだ精液の付着が完全に除去された訳ではない。それに、尿道内にも精液の残渣が残っている可能性もある。
という事で、ユイコはまたバキュームして尿道内の精液の残渣を吸い出し、さらに舌をしっかり絡ませて付着していた精液を残らず舐め取った。そしてそれもしっかり唾と混ぜ合わせて飲み込んだ。
「・・・はふぅ・・・これで・・・綺麗に・・・なりました・・・」
ユイコはそう言って微笑みを見せた。
“・・・!?・・・”
その微笑みはトオルの知っている誰かになんとなく似ているようだった。
「良かったわね~ユイコ、大好きな凪羅センパイのチンポをこの学校でおしゃぶりできて」
「はい・・・」
「じゃあ、これからはどうする?毎日チンポしゃぶりに来る?それともこないだみたいにチンポしゃぶりのために来て貰う?」
また、アスリンはユイコには黙っていた事をいきなり言い出した。それも、予想外・想定外の事を言い出す事でシンイチを慌てさせて困らせるのが目的だった。
現実的に考えれば、トオルが贅嶺女学園に来るのは生徒会交流関連の打ち合わせという理由しかないのでそれが頻繁になるのは少々おかしいと不審がられる可能性が大きいが、練芙学園中等部の女子制服に着替えればユイコが毎日来るのはなんの問題も無い。
それに、曲がりなりにもトオルに懸想している女子という設定であればトオルにご足労を願うのは心苦しいだろうし、シンイチとしても同じ理由で同じく考えるだろう。
「そ、そんな・・・トオルさんに来て貰うなんて・・・」
ユイコがそう答えるのはアスリンも予想内・想定内だった。
「そうね、それも大変よね。じゃあ、これからは毎日ユイコはこっちに通って凪羅センパイのチンポをしゃぶらせて貰う、という事で決まりね。という事で、これからも毎日こいつにお付き合いお願いしますね、凪羅センパイ」
アスリンはデジカメでいつの間にか撮っていた今のトオルがユイコにフェラチオされているシーンをトオルに見せながら了承を強要してきた。そして、それにトオルは首を縦に振るしかなかった・・・。
「と言う事で、これから毎日シンイチに凪羅センパイにフェラチオさせる事にしたから」
その日の晩飯時にアスリンはサトミとイツコ―――こちらはサトミの電話経由で―――に伝えた。
「と、そんな訳で、場所をどうするかの相談なんだけど・・・」
「何だ、そんなの簡単じゃない」
「「なっ!?」
イツコの言葉にアスリンとサトミは驚いた。
イツコの返事はシンプルだった。
「ユイコの部屋で有料フェラチオサービスやっていたじゃないの」
「あっ・・・そう言えば・・・」
ケータイで指定場所に呼び出せばいいのだ。勿論、時間を遅くには設定できない―――放課後しかないからだ―――ので、誰かに見られる可能性が低い所―――ちなみにイツコのいる保健室は、いつ運動系の部活でケガをした生徒がやってくるかわからないので無理そうである―――を探さねばならないが、まあそれは三人で連絡を取り合えばなんとかなるだろうと思われた。
「わかったかしら、ユイコちゃん?」
「良かったわね~ユイコ。きっとこれから毎日、凪羅センパイのチンポしゃぶってチンポミルクをたっぷり飲ませて貰えるわ」
しかし、例によってメイド服姿のシンイチいやユイコは、アナルではバイブレーターがアヌス内をぐぃんぐぃんと掻き回している上に、口ではフェラチオ判定装置付きディルド型猿轡を噛ませられていたので声に出して答える事はできず、首を縦に振るしかなかった・・・。
“ “ “ 本物の生やをいシーンを見られる日は近い! ” ” ”
アスリンとサトミとイツコは確信した。
“・・・いや、まさか・・・そんな筈は無い・・・でも、もしかしてそうだったとすれば・・・”
これから毎日ユイコにフェラチオをされてしまう―――して貰う、とは違うのである―――事でトオルは何事かを悩んでいた。
性欲の権化とも言われるこの年頃の少年少女でもあるトオルだが、普通の男子生徒とは違ってキス以上の関係についてはまだ早いと考えていた。間違いが起きてしまった場合、自分達で責任の取れる年齢にはまだなっていないから、というのがその理由だ。同じ年頃の女子中学生ユイコはトオルの思想から見たら正に性欲の権化とも言うべきレベルだった。
これがコウジやケンタだったら「何を悩む事があるのか?」と言うだろう。
しかし、トオルの思い悩むのはまたそれとは違う事だった。それは、自分に微笑んだユイコのその面影に、トオルは何故かシンイチの事を思い出してしまったからだ。
“もしかしたら、あのコはシンイチくんの親戚なのかも?・・・それとなく、シンイチくんに訊いてみようか・・・”
それならなんとなくわかるが、訊いてもしビンゴだったらどうするのか?彼女の事をシンイチに言ってしまっていいのか?
それが、トオルの悩み所だった。
「ふぐぅ・・・むぐ、うぐ・・・」
猿轡(勿論口腔内にはバイブが唸っていて舌を嫐り続けている)をされただけでなく、後ろ手に拘束された上に、ごん太バイブ付きパンティを履かされてアヌス内をレイプされながら、シンイチは延々と腐女子垂涎のビデオを鑑賞させられていた。それは、サトミがDPSで見た妄想シーンから始まり、続いて同じくアスリン、さらにはリエ・ミエ・ミチコの贅嶺女学園腐女子JK三人衆がDPSで見た妄想シーンが披露されていた。
サトミの妄想はシンイチを女装小学生ユイコとしてペットに調教し、アスリンはそれを三度の飯より女装が大好きな変態中学生の奴隷ユイコとして調教し、リエ・ミエ・ミチコはアスリンから紹介されたユイコを代わる代わるに辱めていった。
女装で性的興奮してしまう変態性癖に堕とされてしまったシンイチは、アヌスをごん太バイブでレイプされながらも、ペニスをしっかりフル勃起させてしまっていた。勿論、ごん太バイブでアヌスを嫐られる不快感というより苦痛を、女装して性的興奮をしている自分の恥ずかしい姿を目の前で見る事で性的興奮を呼び起こし、性的興奮で苦痛を意識の外に追いやっているだけだった。
しかし、やがてそのシーンが最後のイツコの妄想に切り替わった時、シンイチは思わず大きく悲鳴を上げた・・・と言ってもうめき声しか上げられなかったが。
イツコの妄想では、シンイチだけでなくクラスメートのコウジやケンタそれにトオルまでもが偽女に改造させられて破廉恥な乱交シーンを繰り広げていたからだ。
そのあまりにもおぞましい光景にシンイチは思わず目を瞑って顔を背けてしまった。耳は塞がっていないので、声が聞こえてくるのはどうにもならなかった。だが、すぐにアスリンが目を吊り上げて怒声を上げた。
「何顔を背けてるのよ!これはあんたの調教なのよ!この私の命令がきけないなんて言わないでしょうね?」
「アスリン、シンちゃんは今口では答えられないってば」
サトミの言うとおりだった。シンイチは今猿轡をされているのだから。
それはさておき、アスリンに逆らう事のできない立場のシンイチは、もう一度スクリーンに顔を向けて、両目に涙をいっぱい貯めながらも妄想シーンの鑑賞という調教をまた受け入れるしかなかった。
「いいわぁ、おっぱいのついてるシンちゃん・・・これぞ、女装していない女装というヤツね」
「サトミ、ヨダレヨダレ・・・」
「ぅおっと」
サトミはイツコに指摘されて涎が口の端から零れ落ちそうになるのを慌てて舌で舐め取った。
「にしても、シンイチったらさっきからもうずっとごん太バイブがアヌスに嵌ってるのに、チンポがフル勃起よ。どうやらようやくA感覚に目覚めたみたいね」
とアスリンはwktkしていたが、それは完全に間違いで真相は違う事にイツコは気付いていた。ごん太バイブが付いているとはいえ本来それはメス奴隷をイジメるためのビニールパンティであり、従ってそれだけでも女装と言えたのだ。
しかし、終わる前におまけのシーンとしてサヤの妄想が追加されている事をサトミもアスリンも知らなかった。
「ちょっ・・・」「ぬぁ~によ、これぇ!?」
サヤの妄想は、イツコは勿論の事、サトミやアスリンでさえも、なんとなく彼女がシンイチと爽やかメイク・ラヴをエンジョイしたいというものに見えたのだ。
しかし、それはシンイチにとっても驚愕の事だった。確かに前にイツコの館でサヤともども弄ばれた時に、一時ではあるが恋人同士の肉体関係を持ってくれた事もあった。あれは女装させられている自分を慰めようとしてしてくれた事だとシンイチは思い込んでいたのだが。
“まさか・・・サヤ先生は・・・”
「これは・・・これはいったい、どういう事なんですかっ!?」
アスリンはイツコに詰め寄った。
「どうもこうも、これがサヤの心の奥底に眠っていた願望なのよ」
「でも、サヤ先生はレイプされて男ギライになったって・・・アレはウソだったんですか?」
「落ち着きなさいな、アスリン。どうせイツコの事だから、得体の知れない薬とか使って治しちゃったりしたのかもよ?」
「随分と失礼な事言ってくれるわね・・・」
勿論、イツコとサヤがレズビアンとして肉体関係を持ち、それが発展していった訳で、双方向バイブで互いに相手のヴァギナを刺激し合って絶頂に達すれば、トラウマも薄れるかもしれなかった。まあ、その過程でちゃんとレズビアン用の媚薬は大活躍してはいたが、決して得体の知れないと言う物でもなく、ちゃんと世間一般に効用が発表されている代物だったので、問題無い。
しかし、もう一つ重要な要因がある事を流石にイツコも把握していた。
「簡単に言えば、サヤはシンイチくんの女装姿に心ときめいてしまったのよ。つまり、サトミと同じ性癖が目覚めたという感じかしら」
「むむぅ・・・思わぬところにライバル出現か・・・」
「サトミ・・・シンイチは私のモノなのよ?」
あの夜、保健室で奴隷宣言をさせられてから、アスリンとサトミとイツコとおまけでサヤの四人の奴隷という立場に堕とされたシンイチだったが、基本的には正式なご主人様はアスリンであり、他の三人はアスリンによるシンイチのアナルマゾほもーん奴隷調教の協力者というスタンスが正しい。第一、その三人にとってシンイチは教え子なのだから―――しかし、それにしてはサヤを除いて見事に教え子扱いではなく虐待に近い接し方であるが―――立場上、手を出すのはマズイ訳だ。一方、アスリンはそんな大人のしがらみはないから、同年齢の男女として自由な関係を築く事ができる。
「・・・まあ、そんな事は大した事ではないわ。ちゃんと目的・理由があってシンイチくんに見せたのよ」
「目的?」「理由?」
アスリンとサトミは思わずイツコに振り向いた。
「シンイチくんに凪羅くんのペニスをフェラチオさせるところまで進んだけど、いよいよ次は?」
「それは勿論、リアルほもーんでしょ」「それは勿論、ガチアナルセックスでしょ」
その瞬間、三人が三人とも思わずそのシーンを脳裏に描いて下卑た薄ら笑いを浮かべた。
「気持ちいいよ、シンイチくん・・・」「気持ちいいよ、トオルくん・・・」
シンイチの腰をしっかりつかんで激しく腰を打ち付けるトオル・・・。って、どこかで見た18禁やをいアニメのシーンにクリソツなような気がするが。
が、やはり言い出しっぺのイツコが一番すぐに現実世界に戻るのが早かった。
「・・・って、そう簡単に物事は進んでくれないのが実情なのよ。シンイチくんをその気にさせるには、もう一段階準備のステップが必要だわ」
「・・・そうねぇ・・・今はシンイチくんもユイコちゃんの姿で凪羅くんと絡んでいるから、まずは、その流れからいくという事ね?」
「つまり、ユイコからアナルセックスをお願いさせる訳ね?で、慣れてから正体をばらす、と」
「その頃には同性愛だと気付いたとしても、二人とも離れられなくなっているでしょうね」
「流石はイツコ先生ね。こういうのって、陰謀援護って言うんだっけ?」
「・・・辛抱遠慮、よ」
お約束の?諺間違えにイツコは思わず眉間にしわ寄せながら正解を言った。まあ、ある意味アスリンの間違いでも正解とも言えそうなのだが。
「でも、残念、不正解。それは次の次の話よ」
「へ?」「イツコ、もっとかみ砕いて言ってくれないかしら」
「つまり、まずはシンイチくんにセックスの気持ち良さを覚えて貰うのよ。そうすれば、その快楽を凪羅くんに感じて欲しいとスムーズに転んでくれると思うのよ」
しかし、イツコが確認したところでは、まだシンイチはアナル感覚に微塵も目覚めてはいない。そんな状態で、女性とのセックス―――ペニスとヴァギナの結合―――で快楽を得られたとしても、すぐにアナル感覚に目覚めるかと言ったら、まずその可能性は100%無いだろうとイツコは考えていた。つまり、トオルの為ならシンイチは女の子として愛される事を願うだろうといった、シンイチとトオルの親愛感情を考慮した、なかなか心理学に造詣の深いイツコならではの発案だった。
「あ、なる程・・・シンイチはトオルにホの字だから、ユイコに変身していればホイホイとアヌスを差し出すでしょうね。流石イツコ先生、頭いいですね~」
男として入れる快楽を味わった後で今度は進んで入れられる快楽を味合わせる、という算段にアスリンも感心した。そしてすぐにユイコとトオルの疑似?やをいシーンを脳裏に描いてニヘラとする。
ただ、アスリンは知らないようだが、イツコにとっては「頭がいい」というのは褒め言葉にはなっていなかった。
イツコはやはり、本来排泄器官である部分で性的快楽を得られるのは生物学的に有りえない事であるが、そこに人間ならではの愛情という感情が加われば、前立腺刺激による高揚感が全く無くても快楽は得られるものである事をサヤとの実践で経験・確認済だった。
「・・・で、ちょっち質問なんだけど・・・誰がシンちゃんとセックスするの?」
サトミは確かにショタコンで心の奥底にシンイチと結ばれたい願望はあるものの、今の自分の立場(表向きはシンイチの保護者)と双方の関係(自分とシンイチは教師と教え子の関係である)、さらにシンイチの相手にはやはり自分よりもアスリンがふさわしいと考えて(一応は)身を引いた(アスリンに譲り渡した)という事実を考えれば、イの一番に手を上げたくても上げられない。
イツコも成り行き上でシンイチの初めてのアナルヴァージンを奪ってはいるのだが、だからと言ってそのお返しとしてシンイチの筆卸をするのもやはりサトミと同様に教師と言う立場上、憚られるものと認識していた。
「私は教師だから世間体的に無理だわ」
「それを言うなら私も同じよ」
「「となると・・・」」
サトミとイツコは同時に左右からアスリンを見やった。
「ジョ、ジョーダンじゃないわよっ!?何でこの私がっ!?」
萩生一族から課せられた本来のミッションを考えれば、当然ここはアスリンが身体を張るのが本来あるべき姿であったが。
「あいつとは絶対イヤッ!そんな事するぐらいなら、死んだ方がマシよっ!!」
アスリンは顔を真っ赤にして憤怒の表情で拒絶した。
「困ったわね~・・・本当にシンちゃんと仲良くなった方がいいと思うんだけどね・・・」
苦虫を噛み潰したような顔になってサトミは困惑したが。
「フフフ、問題無いわ。こんな事もあろうかと、ちゃんとイケニエの候補は押さえてあるのよ」
「「イ、イケニエ~!?」」
シンイチの為なら喜んで股を開きそうな女性など、そう簡単にいるだろうか?ただの美少年の中学生ならまだしも、相手は何しろ女装変態中学生なのだ。ただのショタコン女性だったら前者を相手にするのは拒否しないだろうが、後者となったらもうサトミのような性的嗜好の女性以外には考えられない。当然、普通の女性ならまず拒否するだろう。
「・・・うーん・・・あれ?」「・・・何か、条件に適合しそうなコがいたような・・・」
ふと何となく何かに考えが思い至って、アスリンとサトミは思わず顔を見合わせた。
「じゃあ、頑張って歩いて来てね~」
そう声を掛けて体育館の更衣室からアスリンはボストンバッグを手にして出ると、一足先に最終目的地である保健室へそそくさと向かった。一応、普段学校には持ってこないボストンバッグを持っているのを見られたら、何かしらの疑問を持たれる可能性はあるからのんびり移動している時間は無かったのだ。
そして、今日朝から着てきた衣服を全てアスリンのボストンバッグに詰め込まれてしまったサヤとシンイチは・・・。
「・・・サ・・・サヤ先生・・・」
「・・・大丈夫よ・・・シンイチくんは、今はユイコちゃんなんだから・・・大丈夫だから・・・」
少々不安そうにしているシンイチ、いやユイコをサヤはそっと掻き抱いた。
今はまだ放課後、授業は全部終わったとは言え、まだ校内の生徒が全員下校した訳ではなく、文科系の部活・同好会あるいは委員会活動の他に図書館等で時間潰しか自主勉強あるいは教室で残ってダベリングしている生徒もいない訳ではない。そんな中を、サヤとユイコ―――どちらも中等部女子の制服に着替えさせられている―――は二人してイツコ・サトミ・アスリンの待つ保健室に行かねばならないのだ。
サヤの場合はその童顔ゆえにいつぞやの特別授業の様に中等部の女子制服に身を包んでもそれらしく見えるのだが、知っている者が凝視したらもしかしたら気付いてしまうかもしれない。黒髪のショートヘアの上に着けた茶髪のセミロングのウィッグで誤魔化しきれる事を祈るしかない。
そういった意味ではシンイチの変身したユイコの方が誤魔化せる可能性は遥かに高い。元々女顔なのだし、顔を覚えている相手の数などはっきり言って今までクラスメートになった事が有る者だけだろう。三年生はもう少ないし、それに比べたら二年生ましてや一年生などは顔を知らない生徒の方が圧倒的に多いから、たとえ生徒に出会っても大丈夫そうと思えた。
だが、イツコやアスリンが二人に言い渡したそのクエストが、ただ歩いて保健室まで来いというだけである筈が無かった。
「・・・あんなちっちゃな布キレでも・・・無ければ無いで不安になっちゃうものね・・・」
何と、サヤはイツコからノーブラ・ノーパンで来るように命じられていた。
「・・・ごめんなさい・・・私に付き合わせてしまって・・・」
ユイコの方はと言えば、サヤと違ってブラとパンティの着用は許可されていた。だが、ブラと言ってもそれはSM用で高周波の電気ショックを与えるパッド内臓の電ブラであり、パンティも同じくアナルバイブ付きパンティだった。
さっきからサヤが有るべきところに布が無い事に不安を感じているのと同時に、ユイコは乳首を中心とした両胸に電気ショックを、そしてアヌス内をバイブで掻き回されていた。
「いいえ・・・私は、そんな事思ってないから、気にしなくてもいいのよ」
サヤはユイコの肩を自分の方にそっと抱き寄せた。
「じゃあね、私は今からユイコのお姉さんのレイコという事にするから・・・いいわね?」
「はい・・・」
つまり、誰かに出会って何か言われた時は、姉妹と言う設定で誤魔化す事にしたのだ。
「苗字は・・・どうするんですか?」
「そうね・・・」
などと小声で歩きながら歩いていくと、上の階段から三人の女子生徒が降りてきて自分達の方へ曲がって来たので、思わずユイコは足が竦んで立ち止まってしまった。それというのも、その三人は例のブルマー叛逆同盟の残念な女子達だったのだ。
「どうかして?」
それに気づいたサヤは思わず彼女達に背を向けるようにしてユイコの方を向いて、ユイコを守るように三人の視界からその姿を見えなくなるようにした。
「でさぁ、アスリンの応援ってどうする訳?」
「うーん・・・アスリンから何か頼んでくるんじゃね?」
「んじゃ、アスリンから声が掛かるまで待てばいいじゃん」
などと言いながら三人は二人に注意を向ける事無くそのまま通り過ぎて行った。また、例によって使われていない教室を無断使用してくだらない無駄話に花を咲かせ続けるのだろう。
ほっとした二人はそのまま保健室に向かって進んだ。途中、三年のコダマや一年のノゾミにサクラといった女子生徒ともすれ違う事もあったが、彼女達も二人の事には気付かずに通り過ぎて行った。
そして、何とか二人は誰にも素性を知られる事無く、言われたとおりに保健室までやってきた。
「やっと来たわね、待ちくたびれたわよ」
「二人ともどうだったかしら?」
「はぁ・・・何とか・・・気付かれずに・・・済みました」
「そういう事を訊いてるんじゃないんだけどさぁ・・・」
三人が二人にこんな試練を与えたのは、羞恥心と不安とが混ぜこぜになるような思いにさせて、それを一緒にいる事で乗り切った事でさらにお互いの心に信頼感を植え付けたかったからだ。勿論、それもわざとであって、二人には過酷な運命が待ち構えていたのだが・・・。
「誰か知ってる人とすれ違ったりしなかった?」
「えっと・・・何とか・・・」
ユイコは一応、ブルマー叛逆同盟の三人と、コダマやノゾミやサクラ―――その三人とはシンイチは面識は無かった。勿論、相手の方は例のブルマー廃止問題の生徒総会の際にシンイチ自身については知っていたが―――とすれ違った事は告白した。
「で、でも・・・レイコお姉さん・・・じゃなくて、サヤ先生が一緒にいてくれたから・・・守ってくれたから・・・」
「ふふ・・・サヤったら、シンイチくんに自分をそんな呼ばせ方するようにしてるのね」
「ち、違います・・・何か言われた時に誤魔化すために、姉妹って設定を作っただけです」
「まあ、いいわ・・・それで、ノーブラ・ノーパンで女子中学生の制服を着て歩いた感想はどうだったのかしら?」
今までサヤはイツコのペットになって以来、いろいろとアブノーマルな事も経験させられてきてはいたが、こういった露出ちっくな事は殆どさせられた事は無かった。いつぞやの特別授業の時に今と同じ中等部の女子の制服や体操服に水着を着させられてやはり今と同じく女装したシンイチと深夜の校内を歩かせられたのが、初めての経験だった。
「そ、それは・・・すごく・・・不安でしたけど・・・ユイコちゃんがいるからしっかりしなくちゃ、と思って・・・」
「そうなの・・・どれ、見せて見なさい」
「ひゃんっ」
いきなりイツコに制服のスカートの前側をまくり上げられて思わずサヤは可愛い悲鳴を上げた。勿論、いきなりだったからであるだけで、イツコが相手だからサヤに拒否する素振りは全く無かった。
「・・・ふーむ、特に愛液は零れてはいないみたいねぇ」
サヤのスカートをまくって彼女のノーパンの下腹部を丸見えにしたまま、イツコはユイコの方に目をやった。ユイコの方は、いきなり目の前でサヤの下腹部が露わになったのを見て、思わず驚いて声を出しそうになるのを口を両手で押さえて堪えていた。
「ふふっ、じゃあ、シンちゃんの方はどうかしら?」
「きゃんっ」
サトミがイツコと同様にいきなりユイコのスカートの前側をまくり上げたのでユイコも思わず可愛い悲鳴を上げた。勿論、いきなりだからであるだけで、三人の奴隷であるからには拒否をする事等できる筈は無かった。
「ほほう、こちらは相変わらずビンビンねぇ。アナルバイブがそんなに気に入ったのかしら?」
「ち・・・違います・・・」
勿論、アナルバイブが付いているとはいえ、それはれっきとしたハイレグパンティでもあるし、電気ショックがあるとはいえブラも付けていて、ちゃんと中等部の女子制服まで着ている訳で、要するにやはり女装で興奮してペニスをフル勃起させているだけだった。
「ふーん、だとしたら、サヤのいやらしい所を見て興奮したのかしら?」
「ち、違います・・・」
イツコに言われてふと目をやって、視界に下腹部を丸出しにされてはにかんだ表情を見せているサヤを見て、ユイコが胸に何か感動を覚えたのは事実だった。しかし、そのままサヤのそこを見続けるのも失礼だと考えてユイコは顔を背けた。
「何恥ずかしがってるのかしら?同じ女の子どうしなんだし、おかしいわよ」
サトミも自分の目の前の変態女装美少年中学生が下腹部にペニスをそそり立ててハイレグパンティにテントを張っているというのにそんな世迷言を言って茶化したりする。
しかし、いつまでも大人の女性二人がくだらない事をやっているので、イラついてきていたアスリンはとうとう声を荒げた。
「いつまでどーでもいい事やってんのよ!次が有るんでしょ、次が!」
「あら、そうだったわね」「いっけなーい」
アスリンに言われてイツコもサトミも手にしたスカートを離して立ち上がった。
「さて、ここに全員集合して貰ったのは、他でもない、シンちゃんとアスリンの仲をさらにもっと進展させるにはどうすればいいか、についてみんなの忌憚のない意見を伺いたいと思ったからよ」
サトミの言葉で茶番が始まった。シナリオを知っているのはシンイチを除いた四人のみ。
「サトミ、そういう事を軽々しく言うのって、それは違うと思うんだけど?」
アスリンが少々ムッとした表情になって応える。
「それなら、まだ中学生だし、デートがいいんじゃないでしょうか?」
サヤは一応尤もらしい発言。
「そう言えば、まだ二人ともキスはおろか、手をつないだ事も無いんじゃなかったっけ?」
今更ながらの事実にサトミははたと気付いた。
「それは、そうだけど・・・傍目からすれば、どう見たってレズになっちゃうじゃん・・・」
アスリンとしてはシンイチの女装趣味がネックになっているらしい。
「だったら、もう中学生だし、一緒に友達感覚のデートがいいんじゃないでしょうか?」
サヤはどうやらどこぞのユリアン女学園の姉妹デートの事を想定したようだ。
「いいえ、中学生ならばこそ、今時手もつないだ事が無いなんて時代錯誤も甚だしいわ!」
ざーとらしく熱弁をふるうサトミ。
「それは・・・まあ、友達より早くエッチをしたいなんて思うけどさ・・・」
アスリンもざーとらしく両手の人差し指でもじもじ。
「私は、やっぱり中学生らしくデートがいいと思います」
さっきからサヤはデートにこだわった発言ばかりしてるのも傍目にはざーとらしくてお約束感が大きい。
そして、シンイチはと言えば、さっきから自分とアスリンがデートするかどうかを三人が勝手に言い合ってるだけだったので、何も言わない方が無難だと思って黙っていた。何か言ったらまたアスリンが理不尽に怒声をぶつけてくるかもしれないし、それにまだ放課後であって深夜ではないのだ。もしかしたら誰かに気付かれる可能性がまだ残っているのでそれも不安だった。
と、そこでシンイチと同じくそれまで何も発言しなかったイツコがようやく口を開いた。
「そうね・・・この状況を打破して一気に二人の親密度を上げるには・・・方法は一つしか無いわ。シンイチくん、アスリン。あなた達、セックスしなさい」
突然のイツコのその吃驚仰天発言に思わずシンイチは絶句した。そんな事言われても、アスリンが同意なんてする筈が無い。何せ彼女は自分をイジメる事を無上の喜びとしているのだから、とシンイチは思い込んでいた。
「流石イツコ、その発言は私の妄想の遥か上空だったわ」
サトミも相変わらずのざーとらしさ満点の受け答え。
「それはちょっと・・・」
アスリンもざーとらしく・・・いや、本心から拒否したい面持ち。
「スゴイ、流石センパイ、その発想は思いつきませんでした」
サヤもさっきはデートにこだわっていたのに、いきなりイツコの大胆な提案にころっと転向した。正にシナリオどおりの展開。
だが、その後の変更されたシナリオはサヤにも知らされていなかった。
「幸いここにはちゃんとベッドもあるわ。ヤるなら早くヤりなさい」
勿論その後に「でなければ帰れ!」とイツコが怒鳴る筈も無く。
「ヤりなさい」
サトミは何故か威圧的にアスリンに同意を迫る。
「時間が無いわ、アスリン」
サヤも同じくアスリンに行為を促す。
勿論、その後アスリンが「どうしてセックスなの?」と訊いてイツコが「貴女にしかできない事だからよ」と返すなんて事も無かった。
そして事態は急展開を迎えた。
「仕方ないわね・・・それじゃ私がシンイチくんとセックスするわ!」
いきなりサトミが挙手して立候補。
「いいえ、私がセックスします」
それを受けてイツコも挙手して参戦。
「じゃあ、私が・・・」
さらにサヤも挙手して悪ノリ。
その後アスリンが「それなら、私が」と挙手して、そこで三人でアスリンに「「「どうぞどうぞ」」」とやる、というのがサヤが教えられていたシナリオだった。だが、そうはならなかった。
「「「どうぞどうぞ」」」
なんとアスリンの発言を待たずにサトミとイツコが先走りそれにアスリンもわかっていたように二人と一緒にサヤに言ってきたのだ。
「えっ?ええっ!?」
アスリンとシンイチの絆を深める為に、そう言われて聞いていたからこの茶番に参加したのに、いざ蓋を開ければまるでドッキリかダマされ大賞という展開に、サヤは目を白黒。傍にいるシンイチも同じく目を白黒。
「サヤ・・・貴女、シンイチくんの事が好きなんでしょう?」
「そっ・・・」「えっ・・・」
二人同時に答えてサヤとシンイチは思わずお互いの方を向いて、すぐに顔を赤らめて二人してそっぽを向いた。実にわかりやすい反応だった。
「サヤ・・・貴女の想いを私が知らないなんて思ってたのかしら?貴女のシンイチくんへの想いなんて、とっくに私にはお見通しよ」
最初は三人組の理不尽で屈辱的な要求を不本意なんてレベルではなくもっと悲痛と言ってもいいほどの思いで受け入れざるを得なかったシンイチへの同情―――サヤ自身も思い出したくない程の悲惨な体験があったからだが―――だった。だが、シンイチの女装した姿の妖しさ―――男のコなのに、一か所を無視すれば女のコになってしまう―――に誘惑されてしまったのか、イツコに躾けられたレズという性癖がまずは刺激されてその後にサトミ同様なショタ魂も加味され、その結果がDPSでの妄想そしてあの二人してお互いの口を双方向バイブで愛し合った夜のバスルームでの69という性愛行為にサヤを暴走させたのだ。
一方のシンイチもあの夜の事は覚えていた。そして、サヤから一応告白された事も。それはあの夜限りの恋人ごっこであろうとシンイチは思っていた。何しろ相手は自分の学校で教鞭を取っている立場なのだから。
そして、二人は今、互いの顔を見つめ合って頬を赤らめて思わず顔をそらしてしまった事で、互いに互いを少なからず想っている事に気付いてしまったのだ。
頬を染めて俯いているサヤが何を考えていたかと言うと。
“シ・・・シンイチくん・・・ホ・・・ホントに・・・私の事を・・・”
最初は同情―――それは別にこの三人組の前で公にしても何ら問題は無さそうな事だった―――から始まって、サヤのシンイチに対する想いはいつの間にか愛情―――それはこの三人組で公にしたら何かしらの問題が有りそうな事だった―――に変化していた。
相手は年下で女装している美少年とは言え、れっきとした生身の男のコ。自分の年齢が相手と同じ年頃の頃に自分に降りかかった思い出したくも無い悲惨で不幸な体験があっても、愛さえ有ればそれで問題無いとばかりに、サヤの心は激しくときめいた。それは、イツコに出会って惹かれていった時のあの想いにそっくりだった。
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