32 / 51

第8話 そのニー

“嬉しい・・・私・・・シンイチくんを・・・愛してあげたい・・・” しかし、サヤはふとイツコの視線が気になった。一体イツコはいま自分をどのような想いで見つめているのか?そしてそれは、ちゃんと訊いてみなければわからない事だった。 「貴女の想いに素直になりなさい」 サヤがイツコに向き直って、それから問い掛けようとしたところで先にイツコは答えた。もしかしたら、イツコはこの際思い切って自分とサヤとの関係を解消しようと決意したのであろうか・・・? 一方、同じく頬を染めて俯いているシンイチが何を考えていたかと言うと。 “サヤ先生・・・ボクの事がスキって・・・ホントの事だったんだ・・・” イツコのペットという事でどちらかと言えば三人組の側についていると見られがちだったが、あの深夜の校内での特別授業で自分に付き合わされてサヤはいろんなコスプレをさせられてしまった。そしてそれから事ある毎に自分をそっと応援してくれて影から支えてくれて、さらには慰めて―――いつぞやのイツコ宅での夜のバスルームでの夢のような出来事を思い出すたびに激しく胸がときめいてくるのをシンイチは自覚していた―――くれた。サトミに裏切られた自分の悲しい心を優しさで包んでくれたサヤがいたから、シンイチは生から逃げ出す事を選ばなかったのかもしれなかった。 しかし、シンイチはふとアスリンの視線が気になった。一体アスリンはいま自分をどのような想いで見つめているのか?そしてそれは、ちゃんと訊いてみなければわからない事だった。 「ま、一応私も恋する乙女ではある訳で・・・あんたの恋路を邪魔するなんて気は全く無いから」 シンイチがアスリンに向き直って、それから問い掛けようとしたところで先にアスリンは答えた。もしかしたら、アスリンはこの際思い切って自分とシンイチとの関係を解消しようと決意したのであろうか? 「そろそろ教員会議の時間だから、私達は行くわ。だから二人っきりにしてあげる」 サトミはそう言って立ち上がった。ちなみに教員会議なんて今日は予定に無くて全くの嘘である。 「今週は運動系の部活はやってないから、誰かがケガの手当てをしてほしくて来る事も無いわ。だから集中できるわよ」 イツコもそう言って立ち上がった。ちなみにこのタイミングを図っていたのが事実である。 「意外にも、防音はかなりしっかりしてるんだって。だから安心して」 アスリンもそう言って立ち上がった。ちなみに、ここでは生徒の悩み事相談も行われるので他人に聞かれない為の配慮らしい。 「「「じゃあ、ごゆっくり~」」」 そう言って三人は保健室から出て行った。勿論、外から誰かが入らないように、戸締り責任者のイツコが外から施錠―――勿論内から開錠できる―――してくれた。 黙ってそのまま佇んでいた二人だったが、先に動いたのは奥手なシンイチではなくて流石に年上のサヤだった。 「取りあえず、座ろっか?」 サヤはシンイチの手を引いて、ベッドの端に二人して座った。 「今から私達は先生と生徒じゃなくて、ただの一人の女と一人の女のコ・・・じゃなくて女装美少年だから・・・」 シンイチがユイコになっているから思わずサヤは言い間違えてすぐに訂正した。それに、シンイチを女のコとしてみなして接すれば、それはイツコとの関係をなぞっているだけだし、それにシンイチにも失礼だ。シンイチの制服のスカートの前は、女のコである事を強く否定したいかのように、内側からテントを張ったように膨らんでいるのだ。 素直に、相手をそのまま女装美少年、つまり、男のコであると認識し、それから次の段階へ進む事・・・それで自分のトラウマを払拭できるかもしれないとサヤは考えたのかもしれない。 「・・・サヤ先生・・・あの・・・」 「待って・・・見てのとおり、今の私は先生じゃなくて生徒よ。さっきも言ったでしょ?・・・だから、名前で呼んでくれないかしら?」 「・・・サ、サヤ・・・さん・・・」 「何かしら、シンちゃん?」 ここでサヤがそんな言い方をしたのは、ユイコだと女のコすぎるしシンイチくんだと男のコすぎるし、女装美少年として何かいい呼び方は無いかと考えて、以前にサトミがシンイチを可愛がっている時に使っていたこの「シンちゃん」を使ったのだ。 「あの・・・本当に・・・ボクの事・・・」 「あの夜、ちゃんと言ったでしょ?」 サヤにそう言われてシンイチはあの時の、playの最中の言葉―――「好きでもないコのおちんちんを・・・触ったりする女のコなんていないのよ?」―――を思い出した。 「あっ・・・」 さらにその時の行為を思い出してしまったせいで、思わずペニスがぴくんと震えてしまって声を漏らしてしまったので、すぐにサヤも気付いた。 「ウフフ・・・スカートの前を抑えちゃったりして・・・シンちゃんったら、カワイイ・・・」 両手がお留守になったその隙を突いて、サヤはシンイチの唇を奪った。 「おっ、ようやく始まったみたいよ」 「やっぱりサヤがリードするみたいね」 「あの奥手なシンちゃんが積極的になる筈がないものね」 「つまり、シンイチはやはり受けしかできない、という事ね。ますますいいじゃん」 保健室から出た三人組は、視聴覚室に来ていた。保健室内にもサヤの知らないうちに見えないところに盗撮カメラを仕掛けまくっていて、カメラからの電波を専用の受信機で受信して録画するとともにその映像をこの教室のモニターの一つに映していたのだ。 勿論、後々に脅迫のネタに使うとかの有利な情報であるのは間違いないし、腐女子とはいえアスリンも剣崎キョウヤに対して懸想しているので、その時の為の勉強を兼ねてもいた。 そして、サヤとシンイチの愛の営みはキスからその次の段階、ペッティングへ進んだ。 「シンちゃん・・・おいで・・・」 サヤが制服の上衣のファスナーを外して開き、その乳房を露わにしたのを見た途端、シンイチは思わずサヤの胸に飛び込んでその勢いのままにサヤの身体をベッドに押し倒していた。 「はっ?・・・わ、わぁ・・・」 自分のほほに触れる柔らかな乳房の感触にはっと気づいたシンイチは、自分がサヤの乳房に頬擦りしていた事に気付いて思わず身体を起こそうとしたが。 「ダメ」 と、すぐにサヤに両肩を抱きしめられてしまった。 「サ、サヤさん・・・」 「ドギマギしないで・・・私達は恋人同士でしょ?・・・今は、遠慮はしないでいいの」 サヤはそう言ってシンイチに微笑んだ。今までイツコが相手では年上の彼女がリードするのが常だったが、今はサヤの方が年上なのだから、シンイチを導くつもりでいたのだ。 そして、シンイチは無言で頷くと、サヤの乳房を少しの間見つめた。以前に見た事のあるサトミの乳房よりは小ぶりであったが、サトミのそれがシンイチの掌に余るサイズであるのに対し、サヤの乳房はシンイチの掌にぴったりのサイズのように思えた。 それは、実際にシンイチが両手でサヤの両乳房を包んだ事で確認できた。 “サヤさんのオッパイ・・・柔らかい・・・” シンイチが優しくそっと―――あまり力を入れて乱暴にしたら愛撫どころか痛みを感じるだけ、という性知識ぐらいは奥手のシンイチでもちゃんと持っていた。この年頃の中高生は誰もがみんなエロ孔明なのだ―――サヤの乳房を揉むと 「はふぅ・・・」 サヤも感じて切な声を思わず漏らしてしまった。 シンイチもサヤの乳房のフニフニとした感触でクラクラしてきて、思わず片方の乳房にむしゃぶりついた。そして先の事を考えたりとかは何もせずに、ただ衝動に駆られるままにサヤの乳房を口唇愛撫しまくった。乳首を舌で舐め回したりそのまま吸ったり・・・。 “はぁん・・・流石、男のコ・・・おっぱいが大好きなのね・・・” 何処をどうしてほしいとか指示する前にシンイチはサヤの望みを叶えようとしているかの如く、的確な愛撫を続けていた。乳房は左右あるので片方を口唇愛撫すればもう片方は揉んだり指で乳首を刺激したりしてくれるし、そろそろもう一方に移って欲しいと思ったらシンイチもそれを以心伝心で察したかのように攻撃対象を入れ替えてくれた。 性器ほどではないが、乳房も女性らしさを現わす部分であるからには、条件次第ではある程度の性的快楽を得られる。勿論、その他にも首筋・鎖骨・おしり・内腿・脚の付け根とかのメジャーな部分の他に瞼・耳の後ろ・脇の下・背中・手首の内側・指の付け根・膝の裏・足首・足の甲・足の指などのマイナー部分にも性感帯があると俗に言われているが、それはそれとして。 シンイチによる両乳房への愛撫で十分性的興奮が上昇してきたサヤは、今度は自分の方がシンイチに対する性欲が強くなってきたので 「ね、ねえ、シンちゃん・・・今度は・・・私に・・・ネ?」 「ふぇ?」 「男のコはオッパイが大好きなように・・・女のコはオチンチンが大好きなのよ・・・」 とは言ったものの、流石にそのセリフは性欲に促されて出ただけだったので、言ってすぐにサヤは顔を赤らめてしまった。しかし、シンイチはそんなサヤの反応に心をときめかせる事も無く、どちらかと言うとサヤの望む事そのものに心をときめかせてしまったせいで、身体を起こしてサヤの両脚の間でM字座りすると、おずおずと制服のスカートをゆっくり捲り上げていった。 “まぁ・・・” さっきからスカートの前にテントを張っていたのだが、スカートが捲り上げられたその下には、ハイレグパンティをその内側から突き破らんばかりにペニスがそそり立っている―――ハイレグのおかげでその先端が露出する事も無く、と言ってもギリギリで覆い隠す事ができているというレベルで、上からのぞき込めばしっかりと視認できる状態だった―――のが丸わかりだった。 “嬉しい・・・私で・・・こんなにボッキして・・・嬉しい・・・” 勿論、相手は女装して興奮する変態美少年中学生なのだから、女装した時からこの状態だったのだが、それでもサヤはシンイチが自分に欲情してくれたのだと思う事にした。イツコとの愛の交換でバイブやディルドに慣れていた事もあって、中学生の頃にレイプされたというトラウマからの男性恐怖症も、今目の前で愛しい異性を相手にしているという強い恋愛感情によって完全に克服されてしまっているようだった。 「・・・ちゃんと・・・見せて・・・」 「は・・・はぃ・・・」 サヤがシンイチを誘った時はちゃんとブラも外して乳房を露わにしていたのだ。ならば、攻守交替となったならばシンイチも同じようにパンティを脱がなければならないだろう。まあ、幸いにも今日穿いてきたパンティはサイドで紐を結ぶタイプだったので、紐を解くと後はアナルからバイブを抜くだけで脱ぐ事はできた。 シンイチはそのまま両サイドの紐を解くとアナルからバイブを引き抜いてパンティをベッドの下に放り捨てた。 “シンちゃんの・・・オチンチンッ!” あの夜に69で経験済とは言え、大人の女性であるにも関わらずまるで中高生のように性欲全開にしたサヤは思わず身体を急激に起こしてシンイチの腰にタックルするかのような勢いで一気に飛び込んでシンイチのペニスを口いっぱいに頬張った。 「あぁっ・・・サ、サヤ・・・さんっ!・・・ス・・・スゴイ・・・」 一方、こちらは視聴覚室に陣取った愛の三人組。 「おりょりょ、サヤちょむったらなんとまあ積極的な・・・男に対してトラウマ持っていたなんて信じられないぐらいだわ」 サトミはもしかしたらまだシンイチに未練があるのか、サヤが美味しそうに・・・ではなくて愛おしそうにシンイチのペニスをおしゃぶりしているのが羨ましそうな目つきでそのシーンを眺めていた。 「まあ、結局は心の持ちようと言うか、悪いのは彼女をレイプした人間そのものに対しての恐怖心が一番影響していただけであって、ペニスそのものが悪いという訳ではないし」 イツコはサヤをレズのネコとして調教していく事で、当然バイブやディルドをペニバンや双頭タイプで使用していたので、サヤとの愛の交歓によってサヤをペニスへの恐怖と言う呪縛から解き放ったのだ。 と、サトミはショタコン女であるが故の美少年の性的興奮している姿を、イツコはMADであるが故の嘗てのレズビアンパートナーの異性へ性的欲望を露わにしている姿を、ともに興味深くあるいは萌え~な気分で注目していたのだが・・・ 「つまんない・・・何が悲しくてコイツが悦んでる姿を見なけりゃなんない訳?」 後々の展開も含めて今回のこのサヤとシンイチの愛の交合を目論んだのは何を隠そうアスリン自身であった。だが、自分がイジメたい相手であるシンイチが性的な快楽を味わっているのを見るのは心底から嫌な気分のようだった。 「まあまあ、これも将来のお勉強の一つよン」 「男が女に何を望むのか、女がそれにどう答えれば男は歓ぶのか、身近な人間が実地で見せてくれてるんだから、これを参考にしない手は無いわ」 性愛体験開始年齢の全国平均がどんどん下がってとうとう14~13歳にまで来ている現状では、性的知識の習得もそれなりに低年齢化しており、今時初めての性体験でそれが一方通行なんてのは有りえない。「そんな事、恥ずかしくてできません!」とカマトトぶったり、あるいは「好きにして・・・」とマグロ女を演じるなんて、今時ありえないのだ。 しかし、それなら男女の性愛行為を見て学ぶのであれば普通のポルノ作品でも良さそうとも思えるが、所詮それはそのシーンを見たい人達に向けて作られた作品であり、そこで映し出される性愛シーンは所謂紛い物である訳で、それならば身近の人間の性愛シーンの方が説得力がある訳で・・・ 「はい、ここからは大変重要なところだからね」 「しっかり見ておいた方がいいわよ」 とサトミやイツコがアスリンにおすすめのシーンは・・・ 「サ・・・サヤさん・・・も、もう・・・ボク・・・」 そろそろ我慢の限界に近付いていたシンイチの声でサヤはフェラチオをやめて口を離した。 「あっ・・・そんな・・・サヤさん・・・」 ペニスへの愛撫が中止された事で切なそうな瞳でサヤを見つめるシンイチ。それはさらなる快楽を求めて最後まで昇り詰めたいという想いがあったからだが。 「・・・わかってるわ・・・これでオシマイなんてまるで蛇の生殺しだものね・・・でも、勘違いしないで。もっと気持ちよくしてあげるためにはちょっとした準備がいるのよ」 そう言ってサヤはベッドから降りると、イツコのデスクの引き出しを開けてその奥を探り始めた。 「・・・何やってるの?何か探してるようだけど?」 「妊娠を防ぐための必須アイテムと言えば?」「さて、何でしょう?」 「わかった!ピルね!」 女性が妊娠を防ぐ為の経口薬、ピルを探しているとアスリンは思い込んでしまったのだが。 まだ妊娠するには早いという状況では、セックスする際は避妊をするのがデフォルトである。そしてやはりその際にはコンドームを装着するのが一番効果的である。もちろん装着するのはペニスであって、プッシーではない。ペニスにコンドームを装着してもその見た目・形状的にはほぼ相違・違和感はないので女性からすれば何の問題も無いが、プッシーにコンドームを装着した場合だと、その外観から男性としてはかなり違和感が有り、ほぼ性欲は減退する―――早い話が萎える―――のでまず男性としては100%引く。男女平等の思想か何かから女性用のコンドームを開発したはいいが、機能・効果のみを重視しただけのそれは避妊具としては大失敗作となってしまった。何もかも男女平等という思想は考え物である。ケースバイケースで男女のどちらかが不平等になる事も当然の事なのだ。 この避妊についてコンドームをペニスに装着する事、装着して貰う事、それをサトミとイツコはアスリンに理解してもらいたかったのかもしれない。 「何よ、そんなの常識ジャン!」 「そうだけど、それでも雰囲気に流されてコンドームを付けずにセックスして妊娠してしまった、というケースは今まで無数にあるんだから」 「念には念を入れよ、という事よ」 「まあ、いいけど・・・でも、何で保健室にコンドームが有る訳?」 「あ、そうか、アスリンは転入してきたから知らなかったのね」 「贅嶺女学園の裏の実態を秘密裏に知った理事会から、女子生徒へのケアを十分するようにお達しがあったのよ」 表向きは清廉な贅嶺女学園の生徒達が実は裏で放蕩三昧らしいという情報はアスリンもあちらの生徒と知り合いになってからチラホラと耳にしてはいた。まあ、アスリンの知ってる情報はともかくとして、とある筋からその情報を知らされた理事会は、万が一の事態―――古い人間が多かったので、中高生の性愛行為を未だに不純異性交遊と決めつけていたようだが、穏健派な夕月はせめて妊娠事故だけは避けねばならないと主張した訳で―――に備えて女子生徒に自衛手段としてコンドームの活用を意識付けするように指示していたのだ。そんな訳で、初等部では赤ちゃんができるまでだった性教育も中等部に入ってからはテーマを避妊についてとして特別授業をするようになっていた。そんな訳で、生徒からのお悩み相談室という側面もある保健室にもちょっとした講義をする事になった場合にコンドームを置いていたのだ。勿論、むやみに持って行かれないようにイツコのデスクの引き出しの奥にしまっておいたのだが。 しかし、アスリンはその後で転入してきたので特別授業を受けていなかったのだ。と言っても、向こうにいたアスリンが授業を受けるまでもないのは明白だったが。 「お待たせ・・・」 ようやく見つけたコンドームを手にして戻ってきたサヤはベッドの上でM字座りして待っていたシンイチの前に自分もM字座りすると、箱から取り出したその一袋を切り口から切り裂いてコンドームを取り出してシンイチに見せた。 「シンちゃんも、人間の生殖行為についてはちゃんと学んで知ってる筈よね?コンドームを付けないセックスはいろいろ危険な要素があるという事を」 女性には望まない妊娠という最大のリスクがあるだけでなく、様々な性病や病原菌―――最悪は勿論HIVだが―――を男女とも相手から移されるという恐れがあるのだ。そんなリスクを回避し、思いっきりセックス―――ヴァギナ内でのペニスのピストン運動、そしてフィニッシュ―――の快楽を愉しむ・・・「そのためのコンドームです」という事だ。 「じゃあ、私が付けてあげるね」 今日この時が初めてのセックスとなるシンイチがコンドームの正しい付け方を知っている筈も無い。だが、サヤの方はと言えば、やはり性教育で真面目に避妊についての教育を受けていたので、ごく普通の性知識として知っていたのだ。勿論、実体験は今日この時が最初だったが。 フェラチオが中途半端な形で止まったが、我慢の限界に近づきそうだったシンイチはサヤがコンドームを探している間に一息入れる事ができた。勿論、純情なシンイチはただ、ベッドの上で悶々としながらサヤが戻ってくるのを待っていたのだ。 「あんっ・・・サ、サヤさん・・・」 再びサヤの手でペニスを握られたシンイチは思わず女のコみたいな声を漏らしてしまった。 「うふふ、シンちゃんったら、まるで女のコみたいな声出しちゃって、カーワイイ」 女装して性的興奮するというシンイチの変態性癖を既に知っているサヤが、そんなシンイチの反応で引くなんて事は無く、勿論自分もイツコとレズビアン関係だったしショタコンでもあるのだから、要するに相手が女装美少年でも何の迷いも無い訳で、サヤ自身も心の中のドキドキ・ワクワクを大きくしながらコンドームをシンイチのペニスの亀頭部に載せ、根元の方へ引き下ろしながらコンドームを被せていった。 「はい、できた」 シンイチが自分で見下ろすと、そのペニスには七色にキラキラと光るコンドームが被さっていた。しかし、シンイチとしては特に何か重くなったとかそんな感覚は全く無く、その薄さはややもすると装着しているのかどうかを忘れさせる感じではあるが、見た目にも綺麗で、シルエットもほぼ変化無い、それでいて避妊できるというのでやはり女性としては男性にコンドームを付けて貰ってセックスするのが一番性を謳歌できる事になる訳で・・・まあ、御託はこの辺にして。 「後は・・・」 シンイチは下半身はもうOKだが、サヤはまだ上半身しか準備できてない。すると、サヤはM字座りから後ろに倒れるようにしてベッドに手をついて身体を支える姿勢になった。という事は、シンイチの目の前にはサヤの秘所が否応無しに視界に入って来る事になった。 「あ、あの・・・サヤさんの・・・もっと良く、見たいです・・・」 「いいわ・・・シンちゃんの好きなようにして・・・見るだけでなく、触ってもいいから・・・」 すると、シンイチは頷くや否やすぐに犬の様にサヤの両脚の間に入ってその秘所に顔を近づけた。そして、サヤの秘裂から溢れ出る香しい薫りを嗅いでみた。 “いいニオイ・・・” 潔癖症とも言えるほどのサヤはいつもお手入れを欠かした事はないので、シンイチには不快感は全く無く、逆にさらに性欲を増進させ、とうとう指でそこをまさぐり始めた。 あの夜に69で愛撫し合い同時にイク事ができた記憶がよみがえり、思わずシンイチは指だけでなく口も使ってサヤの秘所への愛撫をますます激しくしていった。 「あっ・・・はぁんっ・・・イ、イィ・・・シンちゃん・・・上手よぉ・・・」 「「「・・・・・・・・・」」」 シンイチに秘所をクンニリングスされて悦びの声を漏らすサヤの姿をモニター越しに見て、アスリンもサトミもイツコも何だか無口になっていた。 “サヤったら・・・最近は私にそんな顔をしてくれた事も声を聴かせてくれた事も無いのに・・・シンイチくんが相手だったら・・・” 自分が最近サヤを構ってあげていない事を棚に上げて、イツコは何となく嫉妬に近い感情を覚えた。 元々今現在のこの状況は、シンイチにセックスでのペニスへの快楽を認識して貰って、トオルのペニスへの快楽のために自らのアヌスを差し出す、という展開に持ち込む計画だったのだから、その端緒としてサヤのシンイチへの恋愛感情を利用したに過ぎなかった。この計画を自分が立案してアスリンやサトミに話した際に用意してあると言ったイケニエとはサヤの事だったのだ。 “むぅ・・・サヤちょむったら、愉しそう・・・本当は、私がシンちゃんの童貞を奪っちゃうつもりだったのに・・・” サトミは一番最初に―――シンイチの保護者となって同居を始めてから―――ショタコン女らしく頭の中で繰り広げていた妄想シーンが今目の前で自分ではない別の女性とシンイチとの間で繰り広げられている事に何となく羨望に近い感情を覚えた。アスリンも預かる事になってさらに彼女の人生を懸けたミッションも聞かされて、熟考してやはり自分は身を引いてシンイチはアスリンのなすがままにした方がいいと心を切り替えて、その後はアスリンの思いが歪んだ方向に進んでいるのをそれとなく少し諫めていた筈が今はシンイチがイジメられるのを見るのに吝かでない自分には気が付いていなかった。 “き・・・気持いいのかな?・・・オマンコを口で愛撫されるのって・・・男のコはチンポをフェラチオされると泣いて喜ぶけど・・・” サトミは大学生時代に男性と付き合っていた事が有るので勿論性交の経験はあり、当然クンニリングスの体験もある。イツコはサヤと女性同性愛カップルだったので、サヤにクンニリングスしてもらった経験がある。未成年のアスリンだけが男性と性交どころか交際した覚えがない。アメリカにいた時は言い寄ってくる男子生徒はいたが、プライド(というより男性に対する理想像)が高いアスリンは片っ端から断っていた。勿論、今のシンイチとの関係は、シンイチがアスリンに恋愛感情を持っていないから男女交際なんて成立しない。そして、日本に来てあっというまに知らない世界―――やをい・・・と言っても正しい意味のそれではなくて、18禁男性ほもーんである―――を知って腐女子となってしまったアスリンは、その腐女子御用達の薄い本を見て知った知識しかなく、エロ孔明ならぬエロ仲達にも劣ると言っても過言では無い。ユイコ(シンイチ)にフェラチオされたDS・DC・DK・DDが泣いていたかと言えば、決してそうではない事はそれを傍で見ていたアスリンも知っている筈だったのだが。結局アスリンのオナニーは、一方的な懸想の相手のペニスをしゃぶる事を妄想しながら指でマンズリするのが殆どだった。その妄想の中で懸想の相手がアスリンのフェラチオで歓喜の声を漏らしてくれる事が、アスリンの性的興奮をずっとずっと昂らせていってくれるのだ。 「シ・・・シンちゃん・・・私ぃ・・・もぅ・・・」 サヤのせつなそうな声を耳にして、シンイチはサヤの秘所から顔を離した。 「え?シ、シンちゃん・・・」 秘所への愛撫が中止されて思わずサヤは枕に置いていた頭をもたげた。すると目に飛び込んできたのは、シンイチの穿いてる制服のスカートの前を中から突き上げてテントを張ってるその頂点が少しぴくん、ぴくんと震えている様だった。 “あ・・・シンちゃんの・・・おちんちん、震えてる・・・” それが何を意味してるかはもうサヤもわかっていた。 “シンちゃんのおちんちん・・・私の膣(なか)に・・・入りたがってるのね・・・” 「サ、サヤさん・・・もう・・・」 「うん・・・いいよ・・・来て・・・」 サヤは両脚をM字に開脚して寝ころんだまま、シンイチを誘った。そしてサヤの誘いにすぐにシンイチも反応して、そのままサヤの身体の上に乗ってすぐに股間を押し付けようとして・・・ 「あん、慌てないで・・・」 サヤは年下のシンイチをリードするように、まずスカートをまくってシンイチのペニスをそっと握ると、自分の秘所へ導いた。そして、もう片手で自分の秘所を開いて・・・ 「・・・いいわ・・・おいでなさい・・・」 「サッ、サヤさんっ!」 シンイチはすぐさま腰を突き出した。 「はあぁんっ!」 サヤに歓喜の声を上げさせながら、シンイチのペニスはサヤの膣内に侵入していった。 “あぁっ・・・入って・・・くる・・・・・・入って・・・きたぁ・・・・・・シンちゃんの・・・おちんちんっ!” 中学生だった自分とは違い、今の自分はもうイツコのディルドに貫かれてセックスには慣れている。それでも、膣内を貫かれるのは久しぶりだった。だから、久しぶりに膣内を満たされていく、そして膣内粘膜を刺激されていくその歓びに打ち震えた。 “あぁ・・・すごい・・・いぃ・・・気持いい・・・嬉しい・・・久しぶりの・・・おちんちん・・・” サヤは嬉しさのあまり、シンイチの背中に手を回して抱きしめた。 “あぁ・・・こ・・・これが・・・女の人の・・・膣の中・・・せ、せまくて・・・きつくて・・・でも・・・それがイィッ!” 中学生だからこそ、性の知識の吸収には貪欲で、ただシンイチはそれを他の男子生徒程あからさまに表に出す事は無い、言わば奥ゆかしい性格と言えた。 “あぁ・・・すごい・・・いぃ・・・気持ちいい・・・嬉しい・・・サヤさんの・・・お腹の中・・・” シンイチも嬉しさのあまり、サヤの背中に背を回す・・・と言うのはできなくて―――サヤの背中はベッドのシーツの上で手を入れる隙間は無いし、有ったとしてもシンイチの両手は自分の身体を支えているので、その支えをやめたら自分の身体をサヤに預ける事になって辛い思いをさせてしまうとわかっていた―――かわりに腰をさらに動かした。 前後に腰を振り振りピストンピストン・・・。 「もういいわ、消して」 いよいよクライマックスというところでアスリンは画面から顔を背けてぼそっと呟いた。将来、自分が異性とセックスする際の予行演習てゆーか参考になるかもしれないので、というのがサトミやイツコがアスリンをここに連れてきた理由だが、やはりアスリンはシンイチをイジメる事に無上の喜びを感じる訳で、シンイチが快楽を味わって幸せそうな姿を見せているのが心底嫌らしい。 「ふーん・・・剣崎氏とのラヴ・アフェアの時に恥をかいても知らないわよン?」 「なっ?えっ?ちょっ・・・サトミが何で知ってんのよ!?」 アスリンがいつぞやのユイコが贅嶺女学園の制服でやってきてフェラチオさせて欲しいとお願いしてきた時のトオルと同じ慌て様を披露してしまったのは、よほどその際の印象が強く残っていたせいかもしれない。 「知らないでか!」 いろいろな要望で例のM資金(笑)を無心する際にサトミはアスリンと必ず同席している―――アスリンは一人で会いたいのだが、一応資金は保護者のサトミに管理してもらうという約束なので―――ので、アスリンの様子から剣崎に懸想している事はバレバレだったのだ。 「まぁ、見たくないのであれば見なくてもいいわよ、ちゃんと録画してるから後で見る事もできるし。でもね、私達は状況をちゃんと確認しておかないとまずいから、映像を消す事はできないわね」 イツコもサヤのシンイチへの反応に、心に少々昏い感情ができている事に気が付いてはいるが、だからと言って今回の計画の目的を考えれば、今正に愛し合っている二人の前に乗り込んでいって引き裂く事はできない。 「後あと、シンイチくんとトオルくんをほもーんセックスさせたいんでしょ?だったら、大事の前の小事と割り切る事ね」 流石MADの異名を持つ才媛であるだけあって、イツコはクールだった。 「あっ、あぁっ・・・サ、サヤさんっ・・・」 シンイチのピストン運動は停まる素振りを見せない。いつまでもいつまでも悦びを享受したいかのようだ。サヤの膣内粘膜に締め付けられるだけでも心地良いが、ペニスをその中でピストン運動して刺激して貰った方がさらなる悦びを得られるのだ。 「いっ、いぃっ・・・シ、シンちゃんっ・・・」 サヤもヴァギナの収縮運動を停める素振りを見せない。いつまでもいつまでも歓びを享受したいかのようだ。シンイチのペニスをハメ込まれるだけでも堪らないが、ペニスのピストン運動により膣内粘膜を刺激して貰った方がさらなる歓びを得られるのだ。 これが大人のカップルであれば、女性の乳房を愛撫する事も取り入れて性的興奮の度合いを変化させたり、或いは小休憩なども取り入れて性交の時間を長く保とうとしたり、愛の言葉を囁き合ったりしてさらなる興奮の度合いを高くしたりするのだろうが、シンイチはピストン運動に変化―――例えば、三浅一深といった強弱・・・まあ、それはサヤの膣の締め付けも同様だが―――など全く頭に無くて一定のリズムだし、サヤもシンイチにされるがままを楽しみ、或いはシンイチのするがままにさせてあげたくて、自分の腰の突き上げ―――イツコに教わった事だった―――も忘れていた。 「サ、サヤさん・・・も、もう・・・ダメ・・・」 「ダメ?・・・ガマン・・・できないの?」 「は、はい・・・出ちゃい・・・そうです・・・」 「いいわ・・・思いっきり・・・気持良くしてあげるから・・・イッちゃいなさい・・・」 激しい運動と快楽に喘ぐ荒い息の中で二人は互いの想いを交わし合い、そしてサヤは思い切って全力でヴァギナを収縮させた。 「あぁっ・・・イッ・・・イッちゃうぅっ!!」 そのイキ声はその外見・装いそのままの女のコそのものだった。出る、という言葉は出なかった。まあ、確かにシンイチのペニスから精液は出たが、それはサヤの膣内では無くて装着したコンドームの精液溜まりの部分だったが。 「私も・・・イックゥ~ッ!」 クンニリングスで事前に性的興奮が十分に昂っていたおかげで、全力でヴァギナを締め付けた後のシンイチの最後の力任せのピストンでペニスを膣奥に押し込まれた際の膣内粘膜への刺激で、実は必死に我慢していたサヤも心を開放した。 初めての性交で、サヤとシンイチは同時に絶頂に達する事ができたのだ。それは正に奇跡に近かった。それは勿論、サヤに一日の長が有ったからだと思われる。 「「・・・・・・・・・」」 お互い、絶頂に達した直後はそれまでの全身運動のせいで何も言葉を発せず、無言のまま「ハァ、ハァ、ハァ・・・」という荒い吐息しか聞く事ができない、所謂「賢者タイム」に突入した。 そして、その後の様子を固唾を飲んで見つめるサトミと冷静に観察していたイツコ―――ちなみにアスリンは「もう知らない」と言って視聴覚室を既に出て行ってしまっている―――の予想していたとおり、最初に口を開いたのは下になって受け身に回っていたサヤの方だった。 「あぁ・・・シンちゃん・・・」 「は、はい、サヤさん・・・」 「あの・・・そろそろ・・・」 「あ、は、はい、すみません・・・」 慌ててシンイチは身を起こすと、ペニスを抜く為に腰を後ろに引こうとして・・・。 「ああ、待って、そうじゃないの・・・ちょっと・・・重いから・・・このまま横に・・・」 つまり、シンイチは絶頂してそれで脱力して、身体をサヤに預けてしまっていたのだった。サヤもイッた直後はシンイチの身体に圧迫される事もより密着度が高まる事になるから無意識のうちに喜んでしまって気にならなかったのだが、少し心が落ち着くとシンイチの身体の重さが気になったのだ。と言っても、シンイチは同学園の男子の平均よりも少々華奢な身体だったので、サヤが圧迫感で苦しさを感じるところまではいかなかったが。 ということで、サヤとシンイチはつながったままで体の向きを90°変えて横になって見つめ合った。 「シンちゃん・・・」 「サヤさん・・・」 ここからは、セックスの余韻を楽しむピロートークの時間だ。ただ、保健室のベッドというのがイメージやムードもへったくれも無いという感じなのだが、今の二人にはそんな事はどうでもよかった。 「・・・どうだったかしら?初めてのセックスは・・・」 「と、とても・・・き、気持良かったです・・・」 「うん・・・良かった・・・シンちゃんが気持ちよくなってくれて・・・」 「あの・・・サヤさんは・・・?」 「勿論・・・スゴク良かったわ・・・ありがとう・・・」 初めてのセックス・・・それは言うなればサヤによるシンイチの筆卸である。シンイチにセックスの気持ち良さを教えてあげるのが目的であって、サヤが絶頂に達するかどうかは問題では無かった。今の二人のセックスは正常位という体位で、これは男性上位であるのでえてして女性は置き去りにして男性だけ先に絶頂に達してしまう事が多い。これに対して女性が男性の上になる女性上位―――馬乗りだったりM字開脚してたり後ろ向きだったり―――であれば、女性の方である程度コントロールできる。 そんな体位でなくてもサヤが絶頂に達したのは、挿入前の入念なクンニリングス―――挿入体験が無かったシンイチとしては、女性器はやはりまだまだ性的好奇心で惹かれる神秘に満ち満ちた部分だった―――で十分に性的興奮が高まって愛液が分泌されたせいだけでなく、やはりシンイチを絶頂に導きたいというサヤの愛情のおかげとも言える。男性との性体験は、あの中学生の頃の忌まわしい記憶―――それを性体験という柔らかな言い方にするのもおかしいか・・・やはりレイプされたと表現するべきかも―――しかない。つまり、愛情に二人が包まれた、男性との幸せなセックスは未経験と言っていい。にも拘らず、サヤがイクことができたのは、これはもう、「愛情が経験を凌駕した」という事に違いなかった。 「サヤさん・・・」「シンちゃん・・・」 見つめ合った二人は、どちらからともなく一緒に目を閉じて唇を重ねていた。 “あん・・・今、私の中で・・・シンちゃんのおちんちん・・・ぴくんってした・・・” 流石に経験値で勝る年上のサヤの方は己の膣内でシンイチのペニスが身じろぎした事に気付けた。まだまだ萎えそうな雰囲気など微塵も感じられない状況で、このままヌカ六にチャレンジしても良いかもしれなかったが。 「・・・んぅん・・・」 サヤはシンイチから唇を離すと、続いて腰を引いて己の膣内からシンイチのペニスも開放した。まだまだフル勃起状態のシンイチのペニスは拘束を開放されてまたぷるんと跳ねて震えた。コンドームをしていなかったら、先端から白い粘液の滴が跳ねて飛んだかもしれなかった。 「ふふ・・・シンちゃんのおちんちん・・・まだまだ元気ね」 「は、はい・・・まだ・・・エッチな気分が抜けないのかも・・・だから・・・もっと・・・」 シンイチは自分のペニスをサヤのお腹に擦り付けるようにして第二ラウンドを求めてみたが。 「嬉しいわ、シンちゃん・・・でも、それはもっと後で・・・」 その時は、今みたいにシンイチのペニスにコンドームを装着させず、自分でピルを飲んでコントロールして、シンイチに思う存分膣内射精を愉しんであげさせたいとサヤは思った。もう、二人は相思相愛の仲・・・サヤはシンイチと数年後の事もそのピンク色の脳で瞬時に思い描いていた。 「はい、そこまでよ」 と、そこで合鍵を使ってイツコとサトミが入ってきた。アスリンはもうとっくに帰ってしまっているのでいなかった。 「二人とも、たっぷりセックスを堪能したみたいねぇ・・・」 「あ、はぃ・・・」 情事が終わったところに闖入されたせいか、サヤは恥ずかしさのあまり体中を赤く染めていた。視聴覚室でサトミやアスリンと一緒にイツコが二人を監視してたであろう事もわかってはいたのだが。 「ドゥフ・・・シンちゃ~ん?気持ち良かったかしら?」 「そ、そんな事・・・訊かないでよ・・・」 シンイチも恥ずかしくて両腕で自分のペニスを隠していた。もう、性欲はどんどん覚めていってペニスも萎え始めていた。 「なんちゃってね、視聴覚室のモニターでちゃんとイツコとアスリンの三人で見てたから、気持よがっていた事ぐらいわかってるわよン」 「な・・・」 サトミの言葉にシンイチは驚愕し、続いて羞恥で全身を真っ赤に染めた。 「そ、そんな、ひどいです・・・覗いていたなんて・・・」 「あらぁ?シンちゃんったら何言ってるのかしら?アスリンが今の言葉聞いたら大激怒しちゃうでしょうねぇ?」 そのサトミの言葉を聞いてシンイチは恐怖した。保健室の外から扉を開けて「話は聞かせてもらった」とか言ってアスリンが現れるかもしれないと思ったのだ。 「いえ、それは・・・私が思いっきり気持ちよくしてあげたからで・・・」 サヤは思わずシンイチをかばうように前に身体を入れた。 「あぁ、安心しなさい。シンイチくんが気持ちよがってる姿なんて見たくないって、アスリンはもうとっくに帰っちゃったから」 「そうよン。もう放課後なんだからさっさと服を着なさいな」 サトミに言われてサヤもシンイチも自分たちの着衣の乱れを直した。 実際、生徒達はもう誰もみなとっくに下校していた。なのに、中等部の生徒がまだ残っているのがわかったらいろいろと面倒な事になるので、サヤとユイコ(シンイチ)は裏門から出て、それぞれサトミとイツコの車に拾って貰って帰った。 「ドゥフフ、ロスト・チェリーおめでとう、シンちゃん」 「・・・ロスト・・・チェリー?」 「あー、知らないのねぇ・・・グフフ、初心(ウブ)なヤツよのう・・・セックスの経験がない男のコの事をチェリー・ボーイって言うの。だから女のコの場合がロスト・ヴァージンに対して男のコの場合はそう言うのよ。つまり、処女と童貞、と同じ関係ね」 留学でアメリカナイズされてウン年だが、サトミは童貞少年よりもチェリー・ボーイという言い方の方が気に入っていた。童貞と言うと道ができる事を思い出してしまってイメージがおかしくなるような気がしたのも一部ある。 「本当は私がシンちゃんの童貞を奪いたかったのに、サヤちょむったら美味しい所を持って行きおって・・・」 「他に誰がいるってーのよ?サトミやイツコ先生は論外だし、私も冗談じゃないし、アンチ・ブルマーの三バカや贅嶺のお姉さま方もマズイし・・・という事でイツコ先生が選んだのがサヤ先生だったんでしょーが」 「まあ、それは確かにアスリンの言うとおりなんだけれども・・・うーん・・・」 「何よ?何かまだ問題あるの?」 「ねえ、アスリン・・・貴女、シンちゃんをどうしたい訳?」 「どうしたい、って・・・それは勿論、私のペットとして一生イジメ抜くだけよ。そしてアナルマゾのほもーん奴隷に仕立て上げて・・・勿論最初の相手はシンイチの大好きな凪羅センパイにしてあげるわ。そしてふたりのリアルなほもーんセックスを鑑賞して愉しもうと・・・」 「や、やめてよっ!そんなの嫌だ!」 アスリンの妄想の暴言、妄言の暴走に思わずシンイチは耳を塞いでしまったが。 「ふん、私のペットのくせに今更何言ってんのかしらね?忘れたのかしら?あんたが私に反抗するなら、今すぐあんたの今までの恥ずかしい変態女装中学生の姿をNETで世界中にばらまいてやるわ。さぞかし驚くでしょうね、クラスのみんなも、いいえ、学校の生徒も先生も全ての人間が・・・勿論その中にはあんたの大好きな誰かさんも含まれてるでしょうね」 アスリンの昏くてそれでいて愉しそうな笑顔を見て、シンイチは絶句して立ちすくんでしまった。 「そしたらもう、あんたの人生オワリね。世界中の人から「女装してチンポをフル勃起させるチョー変態」って言われて蔑まれて、もう人間扱いされないでしょうねぇ、ククククク・・・」 「やめて・・・そんな事しないでよ・・・」 「あ、そうだ、あんたと私との関係が切れたら、凪羅センパイもどーでもよくなっちゃうわね。だったら、あんたとのキモい関係もばらして、アッチも人生オワタにしちゃおっかな~」 「やめてっ!それだけはダメッ!」 シンイチだけでなく、トオルまで地獄に堕とそうと言うアスリンの言葉にとうとうシンイチは・・・ 「お、お願いします、アスリン様・・・自分はどうなってもいいです・・・だから、トオル先輩だけは、許して下さい・・・」 床に土下座したシンイチは、アスリンにそう言って首を垂れた。 「やっと自分の立場を思い知ったようねぇ。まぁいいわ。そのうち、あんたと凪羅センパイに素敵な初体験をさせてあげる。勿論、凪羅センパイはロストチェリーでシンイチはアナルのロストヴァージンという事で」 しかし、実際のところすでにシンイチは最初はイツコ、二回目はサトミにアナルレイプされているので今更ロストヴァージンとは言わない筈だが、アスリンは都合の悪い事・辻褄の合わない事・自分が間違っている事は完全に棚の上に上げているようだ。 「サヤ先生とのセックスで味わった気持ち良さを、今度はあんたのアヌスで凪羅センパイに味わって貰うのよ。いいわね?」 「は・・・はい・・・アスリン様・・・」 そして、その夜もシンイチはピストンマシーンで1時間以上もアヌスにバイブを打ち込まれ続けて―――しかし、やはりイク事は無かった―――その後はバイブ付きフェラチオ強制猿轡と同じくアナルバイブ付きパンティを履かされてほぼ一晩中悶えながら―――と言ってもくどいようだが、快楽は全く無くて違和感・異物感・不快感しか無かった―――いつしか眠りにつく事になる訳だった。勿論、それはもう身体が本能で休養を欲して睡眠に入るだけの事だったが。 「・・・アスリンったら、無理しちゃって・・・」 「はぁ?何の事?」 「シンちゃんの前で言わなかった事は褒めてあげるけどね・・・貴女が萩生一族から求められているミッションの事、忘れてないわよね?」 「も、勿論よ。それがどうかして?」 一瞬、どもった事でその言葉が嘘である事はサトミにもばればれだったが。 「まあ、いいわ・・・シンちゃんがもうヤケになってアスリンと絶交する、なんて事になったら、その時はアスリンものほほんとできる立場じゃなくなるんだからね」 例のM資金も次々と追加されているが、そこはサトミが当たり障りのない理由を作ってあげているだけで、本当の事を知ったらキョウヤもどんな反応をするか・・・。 「わ、わかってるわよ、そんな事・・・」 「だったらいいんだけど・・・さっきのシンイチくんをアナルマゾのほもーん奴隷にしたいってのも、最初はアスリンがシンちゃんのアヌスをレイプしてヨガらせたいって話じゃなかったかしら?」 「・・・そう・・・だった・・・かしらね・・・」 「だったらさ、シンちゃんが気持ちよさそうなところを見るのが嫌、というのもおかしくないかしら?」 「わかったわよ!次からはちゃんと考えてから行動するから!」 目標に向けて努力する際のその姿勢がどこかおかしいのでは?とサトミに指摘されて、やはり聡明なアスリンはすぐに自分で自分の心に反省すべき点を見つけたのだろうが、やはり素直にならずに半分投げやりな言葉を残して自室に戻っていった。 勿論、歪な形でもいいからシンイチとアスリンの絆が切れて欲しくないと思うサトミの老婆心からのお小言だった。 「やっぱり、弁当は手作りに限るのう」 「そうだな、店売りの物に比べて温かみを感じられるよ、たとえ冷めていてもな」 「それにしても、二人ともいつもは購買部のパンだったのに、今日はどうしたの?」 「フッ、それは訊くのが野暮ってものだな」 「シンイチも惣竜に弁当作って貰ろたらどうや?」 「それは絶対無理だよ(第一、アスリンは生活無能者だし)・・・」 等とシンイチがコウジやケンタとダベっている昼休みの中頃・・・ 「シンイチくん、ちょっと内々で話がしたいんだけど、いいかな?」 「あ、はい、わかりました」 と、シンイチがトオルに誘い出されて教室を出て行くと・・・ 「アレは・・・凪羅:攻め、猪狩:受け、でケテーイね」 「やっぱり」 「そうだと思ったんだ」 等と例のブルマー叛逆(笑)同盟の腐女子、コトコ・キヨミ・ヒデコの三人がコソコソと小声で話し合っていたのだが、コウジとケンタは弁当を食べるのに集中して気付かなかった。 シンイチがトオルに連れて来られたのは、視聴覚室・・・ではなくて、何故かその裏に作られた準備室のようで実は何もない小部屋。でも、実は何か秘密の仕掛けが有るとか無いとか。 「シンイチくん・・・突然の質問なんだけど、君に従姉妹っている?」 「え?いったい何の事?」 トオル本人が言ったように突然の脈絡も何も無いいきなりのその質問で、シンイチは答える前にまずは戸惑った。 だが、事情を説明したせいで場合によっては真実が隠されてしまう可能性も無きにしも非ずだし、思い遣りの心・親切心に溢れているシンイチならば、言わない方がいいと考えてしまうかもしれないとトオルは思ったので続けた。 「えーと・・・事情を説明する前に、取りあえず答えてくれないかな?」 「僕は・・・両親が死んで身寄りはいなくなったから、親戚なんて一人もいないよ。だから従姉妹なんて当然・・・」 シンイチが自分の身の上を話す少々寂しそうな表情になんとなく申し訳ないと思いながらも、自分の心配していた事が取りあえず杞憂に終わった事が少し嬉しくて、何だかトオルは複雑な表情になった。 シンイチに妹がいない事は前に聞いていた―――なぜアスリンを甘やかすのかを訊いてみたら、いろんな意味でドジっ娘でもあるので何だか妹みたいに思えて世話を焼くというかお願いを聞いてあげたい―――勿論それは表向きの設定説明であって本心ではないのだが、それもシンイチはトオルに打ち明ける事はできない―――そんな感覚だとか言っていたらしい―――という事で、他に従姉妹がいないのであれば、あのほとんど(キ)レベルで自分に熱を上げている贅嶺女学園の女子生徒がシンイチと顔立ちが似ているというのはただの他人の空似でしかなくなる。 「それで、それがどうかしたんですか?」 「ああ、ゴメンよ。もしかしたら、気を悪くするかと思ってね・・・実は、君によく似た顔立ちの女の子が援助交際みたいな事をしているのを目にしてね・・・」 勿論、ユイコの自分への欲望に援助交際という言い方はおかしい。トオルとユイコとの間に金銭は何も絡んでいない。しかし、トオル自身としても、あの性体験は決して誰にも打ち明ける事のできないものだったので、そんな言い回しをするしかなかった。 「できればやめさせたいけど、赤の他人の僕が口を挟んでいいのかどうか・・・それで、もし・・・あくまでも、もしも、だよ?そのコとシンイチくんにつながりが有るのならば・・・と思ってね」 シンイチは一瞬ギクリ、とした。トオルの言う自分に顔立ちの似た女の子とは、自分が女装したユイコの事を言っている・・・と言っても援助交際という言葉からは、自分に気付いているのではなく、勘違いしているのだろう。 しかし、シンイチはなんとか動揺を見せずにトオルを誤魔化す事に成功した。 「ああ、そうだったんですか・・・まあ、世の中には自分と全く同じ顔の他人が三人いる、なんて話もあるし・・・」 「なるほど、それは僕も聞いた事がある。確かにそうだね。ようするにただの他人の空似に過ぎなかった、という事か・・・僕としたことが迂闊だった。忘れてくれ給え」 シンイチの女装したシンデレラ姿は文化祭で見た事は有るが、まさか女装した男のコがあんな破廉恥な・・・いや、ほもーんだから変態的な事を要望してくる、なんて事態はさすがに聡明なトオルでさえも想像だにできなかった。だからこそ、シンイチは誤魔化せたのだ。もし慌てふためいてどもったり口籠ったり絶句したりしたら、それこそ疑問・疑念を抱かれていただろう。 「わざわざ昼休みに時間を取らせて済まなかったね。それじゃ」 トオルは先に自分の教室に戻っていった。

ともだちにシェアしよう!