35 / 51
第9話 そのニー
「じゃあ・・・いくよ」
トオルはさらにユイコの腰をしっかり掴むと、己の腰を前後に揺らし始めた。一応性教育の延長でセックスがどんなものかは習っていたし―――勿論、性的なテクニックとかは論外だが―――セックスする穴が排泄器官である事への気持ち悪さよりも、ユイコから自分への、そして自分からユイコへの想いの方が勝ってしまったのだ。
「あんっ・・・」
トオルのペニスのピストン運動が始まってユイコは思わず切なそうな悶え声を出した。先ほどのローションの効果で本来濡れる筈のないアヌス内でも何も抵抗は無く―――つまり大きな摩擦も無い訳だから、特に不快感がある訳では無かった。と言って、くどいようだが、快感も得られる筈も無かったが―――トオルのペニスはごくスムーズにピストン運動ができた。ただ、やはり締め付けを感じさせてくれるのは入り口の部分だけなので、当然ながら結局は本当のセックス等ではなく、たんなる手の代わりにアヌスを使っているオナニーに過ぎないのは、ペニスを出し入れしている方しか快感を得られていない事から明白だった。
それでも、ユイコはトオルのために―――セックスは愛し合う者どうしが互いに相手に快楽を与えあい・与えられあう行為であり・・・・・・だからこそ生命誕生の儀式でもある訳だ・・・・・・だから、トオルが自分だけヨガっている事に引け目を感じないように―――悶える素振りをしたのだ。
まだセックスに慣れていない男女の場合だと、男のコの事を慮って女のコが気持ちいい素振りをする事もある。まあ、それは、男はスケベだからすぐに気持ち良くなれるが女はそうじゃないからそう簡単に気持ち良くはなれないとか、だから男は身体で満足し女は心で満足するとか、全ては未熟さについての誤魔化しの思想が大手を振っている時代が長かったが、最近では真の男女平等主義で女も実はスケベであったという事が明らかにされている。
例えば、サトミも大学生時代にセックスに慣れてコツを得てからは彼氏のアパートに転がり込んで三日間も昼夜を問わず気が向いたらセックス三昧と言う日々を送っていたのだ。まあ、関係が深くなっていったら、何だか彼氏に自分の父親と同じ雰囲気を感じ取ってしまって、それが怖くなって別れてしまったのだが、それはともかく。
不快感は有る訳では無いが快感も有る筈が無く、ただ違和感だけが残った。本来は排泄器官であり、そこからは何か―――と言っても糞便しか有り得ないが―――が出るしか無かった筈なのに、今はトオルのペニスが出たり入ったりしているのでそれも致し方無かっただろう。
だが、ユイコはその違和感を意識して無視してトオルのペニスのピストン運動で歓びを感じて悶える仕草を続けた。シンイチとしてはそれはアスリンからの強要で仕方なくやっている事であり、ユイコとしてはそれはトオルへの礼儀で仕方なくやっている事だった。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・き・・・気持いいよ・・・君のお尻の穴・・・」
「あん・・・嬉しい・・・私のケツマンコでぇ・・・トオルさんのぉ・・・チンポが気持ち良くなってるぅ・・・」
自分が本当に女のコだったら・・・きっと、親切なトオルに恋心を抱いていたかもしれない・・・本当に女のコの身体だったら、ヴァギナにトオルのペニスを受け入れて、快楽を得られていたかもしれない・・・ユイコの意識が大半を占めている心の奥底でシンイチはそんな事を思っていたかもしれない。だが、シンイチのペニスはアナル開口パンティの特殊モールドにガッチリとホールドされて締め付けられたまま、つまりフル勃起したままだった。女のコのように後ろから(アナル)セックスさせられて、どうせなら快楽を感じた方がいいと思うであろう、射精したいと思うだろう、その心の持ちようで本当にアナル性感が目覚めるに違いない・・・そんな事をイツコやアスリンは期待していたのだろうが・・・。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・も、もぅ・・・出・・・出そうだ・・・ガマン・・・できそうにない・・・」
これが大人の男女なら、精神力を振り絞ってピストンあるいは締め付けを一旦停止して、深呼吸をするなどして精神を落ち着かせてから・・・つまり、急激な昂りであっという間に交合を終えるのではなく、快楽の度合いを高い位置にキープしながら睦みあい、そして互いにタイミングを合わせて絶頂を迎えるのであろうが、そこにいる二人は経験の少ない―――てゆーか、今日が初めての交合なのだから仕方がない―――そして我慢のできない中学生に過ぎなかった。
「よし、イケッ!」
「ついに、夢にまで見た生やをいの・・・」
「アナルセックス!アナルシャセー!」
アスリンもサエコもチコも興奮のあまり、自分がハァハァハァと荒い息遣いをしている事に気付いていなかった。そして、無意識のうちににスカートをまくり上げてパンティの中に手を差し込んで秘所を弄って愛液をしとどに分泌していた事にも気付いていなかった。何故気付いていなかったのか?そんな事はどうでもいい。
「も、もう・・・だ、だめだ・・・」
「ト、トオルさん・・・イッテ・・・私のケツマンコの中に・・・いっぱいセーエキ出してェ~」
「く・・・もっもう・・・出っ・・・出るうぅっ!!」
ユイコの腰を掴んで己の下腹部をユイコのお尻に何度も叩きつけて―――その間、ぺちんぺちんと肉がぶつかり合い肌が触れ合う音が鳴り続けていたのだが、行為の最中の二人は勿論鑑賞していた腐女子の誰もが耳に届いていないようだった―――いたトオルはついにユイコのお尻に自分の下腹部を密着させたまま腰の動きを停めて・・・ユイコのアヌスの中で絶頂に達し、射精した。と言っても、ユイコのアヌス内に直接ではなく、装着していたコンドームの中にだが。
それが生やをいのアナルシャセーとなるのかと言ったら、なる筈が無かった。やはりどこか抜けているアスリンと7名の腐女子であった。
そして、アヌスの中でトオルのペニスがびくびくと震えるのは感じられたが、勿論コンドームでカバーされているのでアヌス内の粘膜に精液がビチュッ、ビシュッと振りまき散らされる感触をユイコが感じる筈も無く、ペニスの律動が収まった事でトオルの射精が終わった事にようやく気付いたユイコは、緊張が解けて身体を支えていた両腕から力が抜けてベッドの上にお尻を高く掲げる形で突っ伏してしまった。お尻は両脚膝立ちで支えていてその両脚ももう力が抜けそうだったのだが、アヌスにまだトオルのペニスが刺さっているのでお尻は否応にもなく高く掲げる形になってしまっただけだった。
そこで、二人は激しい全身運動の果てのクライマックスを迎えたその余韻に浸るつもりはなかったが、実際に少々疲れたのでハァハァハァと荒い息でそのままじっとしていたので、余韻に浸っているのであろうと勘違いされるのも仕方がなかった。
と、突然。
「おめでと~」「おめでとう」「めでたいわね」etcetc・・・
入り口の扉を開けて、外の窓から、養護教諭の机の下から、隣のベッドのカーテンを開いて、ベッドの下から、天井の上から、奥のロッカーの中から、無造作に置かれていた段ボール箱の中から、アスリン・リエ・ミエ・ミチコ・ユミ・アケミ・サエコ・チコがわらわらと保健室の中に湧いて出てきて一斉に祝福の声でカーテンコール・・・
「な・・・い、いったいどこに・・・」
トオルが驚くのも無理はなかった。だが、そんな事態に驚愕してはいたが、ユイコのアヌスの中のペニスはそれこそ快楽の余韻に浸って―――ユイコのアヌスがまだトオルのペニスの根元を締め付けていたせいもあるが―――いるかのように、まだユイコのアナルの中でフル勃起したままだった。
「よかったわね、ユイコ」
「え?な、何故・・・」
アスリンのその祝福の言葉に対するユイコの応えも驚きの気持ちが隠せないものだったのに、あえてアスリンはそれを無視した。
「だって、念願だったトオルとのアナルセックスを堪能できたんだしぃ~」
そのアスリンと7名の腐女子の表情はニコニコというよりはニヤニヤかニタニタで、どう見ても恋人達―――まあ、はっきり言ってその二人は決して恋人同士ではなかったが―――を祝福する表情ではなかった。
「やったわね、ユイコ。これであなたもアナルマゾ奴隷になる第一歩を踏み出したのよ」
「そんな事・・・言わないで下さい・・・」
さっきまでトオルとのアナルセックスで幸せそうな表情を浮かべていたユイコは、今は思いっきり不安そうな面持ちに変わっていた。まさか、この先・・・アスリンがまた暴走してシナリオに無い行動―――と言ってもユイコ=シンイチを入れて打ち合わせた後でまた一人除け者にして・・・てゆーか、聞かせたくないためにわざと秘密にしていたのだ・・・みんなで集まって本当のシナリオを練っていた訳で―――を取るような気がしてならなかったのだ。
そしてその心配は当たっていた。
「・・・まさか・・・いや、やっぱり・・・君たちはこのコに意に添わぬ事を強要していたんだね?」
トオルは怒りをできるだけかみ殺して言ったのだが、それでも不機嫌と見て取れる態度、口調になるのは避けられなかった。
「フン・・・未だにユイコのケツマンコにチンポをぶっ刺している状態で何言ってんだか・・・」
アスリンに鼻で笑われたトオルだが、確かにその通り―――と言ってもユイコの方がしっかり締め付けて咥え込んだままにしていたせいだが―――なので何も言い返せなかった。
「アスリン・・・ほら、写真・・・記念写真・・・」
「そうだわ、忘れていた・・・」
チコに促されてアスリンははっと気づいて戸棚からベッドの二人のアナルセックスを撮影していたハンディカムを取り出すと。
「ほら、ユイコ、いつまでヘタってんのよ?あんたとトオルのアナル結合記念写真を撮るんだから、サッサと身体を起こす!」
「で・・・でも・・・」
「デモもストも無いわ。ん~、じゃあ、すいませんがみなさん、打ち合わせどおりセッティングをお願いします」
「「「りょうかーい」」」「「「はいはいまかせて~」」」
これもユイコ=シンイチの知らないシナリオで、二人は六人の手で姿勢を変更させられた。ベッドの上でユイコのバックからそのアヌスにトオルがペニスを挿入している体勢から、ベッドに腰掛けたトオルのペニスの上にユイコが座り込んでアヌスで受け入れる体勢に・・・しかも、トオルが片手ずつ両腕でユイコの両脚を片足ずつ持って、ユイコをM字開脚させる姿勢を取らされ、そして両手がフリーなユイコは・・・
「はい、手は頭の横でダブルシャインよ」
何度となくさせられている、アヘ顔のその両横で両手をピースサインするという脳みそパープリンそのものの痴態だった。この際、トオルの表情はユイコの身体に隠れて全く見えないが、盗撮していた映像の流れから、その記念写真でユイコのアヌスにぶっ刺さっているペニスはトオルのものである事は明白なのでそこは割とどうでもよかったようだ。
だが、そうなるとスカートが下がっているので結合部分が見えなくなってしまうが、そこもアスリンは考えていた。
「で、スカートの裾は口で咥えて」
アスリン自らユイコのミニ丈に巻き込んでいたスカートを持ち上げてユイコの口元に持って行った。そして否応無しにユイコがそれを咥えてセッティングは完了だ。
「いいわね~、変態アナルマゾ奴隷らしいわよ」
そう言ってアスリンは写真撮影・・・てゆーか、ずっとハンディカムはビデオ撮影中だった。
「ユイコ、せっかくだからそのまま腰を上下させてみなさいよ。きっと気持ち良くなるわよ」
勿論、アナルに性感など無いのだからアスリンのその言葉は全くのデタラメであったが、ユイコにとってはそれはアスリンからのアドヴァイスなどではなく助言と言う名の命令に過ぎなかった。
「え?い、いや・・・ちょっと・・・待った・・・」
とトオルが静止を―――さっき一回絶頂に達してしまったので、もうこの行為はお終いになるものと思い込んでいた訳だ―――求めたのを無視して、ユイコはさらに快楽を得たい女のコを演じようと自らゆっくりと腰を上下させて己のアヌスに咥え込んだトオルのペニスに刺激を与え始めた。
「うっ・・・くぅ・・・」
アナル内とは言え女のコ?の身体の中でイッタばかりでまだ敏感なままだったトオルのペニスは、ユイコのアヌスの入り口でずっと根元が締め付けられていたせいで大きさも硬度もそのままに少しも萎える事無くフル勃起したままだったため、そのユイコの自らのシリンダー運動でそのまま二回戦突入可能になってしまった。
「ねえ、トオルくん・・・またオチンチン気持ち良くなってるんじゃなーい?」
贅嶺女学園の高等部の六人が訊くか訊くまいか迷っていた事を、チコはさりげなく訊いてしまったのはさすがに歳の功であろうか、しかし、トオルはその問い掛けには沈黙をもって答えた。
「ねえ、ユイコから訊いてみたら?自分でトオルのチンポをケツマンコに咥え込んでんだからわかってると思うけど」
アスリンがまた要らない事を思いついて助言と言う範疇の強要をしてきたのは、その顔付からユイコにもすぐわかった。
「あ、あの・・・トオルさん・・・また、チンポ・・・気持ち・・・いいですか?」
「あ・・・ああ・・・でも・・・」
そこでトオルが言い淀んだのは勿論これ以上の衆目の前での交合を拒否したいからだったが、そこでもはや汚超腐人と化していたアスリンの腐敗したドドメ色の脳細胞がフル活動してすぐにまたとんでもない電波が受信されてしまった。
「ああ、わかった、このままじゃマズイ訳ね」
「アスリン?いったい何の事?」
「いや、だって、さっき一回出したでしょ?コンドームって一回限りじゃなかったっけ?」
だがそれはその時その時によって状況が異なる―――その一回の時間・射精量などは毎度同じなんて、そんな事はありえないというものだった―――のだが・・・。
「あ、なるほど・・・」
だからコンドームの交換が必要になったのだと他の誰もが考えていたが。
「ユイコ、ストップ。一回抜いて」
「は・・・はぃ・・・」
M字開脚して両手を後ろにして身体を支えてゆっくりと腰を上下させていたユイコは、身体を前に傾けて重心を移動させ、そこからまるでヤンキーがウンコ座りから立ち上がる時のように両膝に手を置いて腰を上げていった。
「ん・・・っはぁっ・・・・・・・・・あっ」
「「おっとアブナイ・・・」」
吐息を漏らしながらトオルのペニスを己のアヌスから解放したユイコだったが、バランスを崩して思わず前方つまりベッドの下の床の方に崩れ落ちそうになったが、それをタイミング良くユミとアケミが手を差し伸べて支えてくれたので運良く難を逃れた。
「なーにやってんのよユイコ・・・まあいいわ。じゃあ、トオルのコンドームを外してやって・・・零さないように注意して・・・てゆーか、零したら舐め取りなさいよ」
「ちょ、ちょっと、アスリン・・・」
シナリオを外れてアスリンが勝手に暴走している事に誰もが気付いたが。
「ああ、大丈夫だって。ユイコはトオルのセーエキ飲むのが大好きで、毎日練芙学園に忍び込んでフェラチオしてセーエキ飲んでたもんね」
「は、はぃ・・・」
「ほ、ほぉ・・・」
腐女子達は今のアスリンの発言に思わずそのシーンを脳裏に思い描いてまただらしない笑みを零した。この贅嶺女学園ではなくてシンイチとトオルの通う学校でそんな疑似やをい行為が何度も行われていたという事は、やはり腐女子達の心に微かな嫉妬―――思い通りにシンイチとトオルをやをらせる事ができるアスリンに対するもの―――と今後のさらなる生やをい関係のハッテンに期待せざるをえなかった。
そしてそんな腐女子達の思いを知ってか知らずか、いや知る訳がない筈だが、それでもユイコは既に自分のアヌス内のローションでヌルヌルになってしまっていたトオルのコンドームをティッシュでくるんでヌメリを何とか止めて、てこずりながら―――通常は一度射精したらペニスがいったん萎えたりするので取り外しにもてこずらないのだが、さっきまでユイコがアヌスで少々締め付けてシリンダー運動していたのでトオルのペニスはしっかり硬度を保ってフル勃起中だったのだ―――何とか取り外す事ができた。
「うほっ・・・」
「勃ってる勃ってる~」
「まだまだバッテリーはビンビンみたいねぇ」
最後のチコの例えは本人以外誰もイミフだった。
「どう、ユイコ。トオルがさっきあんたとのアナルセックスで吹き上げたセーエキの臭いは?」
「えと・・・その・・・・・・いいニオイ・・・です・・・」
アスリンのその言葉は、トオルの精液の臭いを嗅いでみろという意味だったのはわかりきっていたので、ユイコは言われたままそれに従ってコンドームの中の臭いを嗅いで・・・そしてもちろんアスリンの気に入る返事をした。
「そう、そんなイカ臭いのがいいニオイなんだ・・・だったら美味しく頂いちゃいなさいよ」
それはその今出したばかりのトオルの精液を飲み込めという命令にほかならなかった。
「は・・・はぃ・・・・・・・・・い・・・いただき・・・ます・・・」
“うわぁ・・・”
wktkが抑えきれないといったランランとする目付きで腐女子達が注視する中、ユイコはコンドームを口の上で逆さまにして、中のトオルの生精液を喉の奥に流し込んでいった。
フェラチオサービスの本職の女性ならば、慣れれば個人個人で精液の味にも違いがある事がわかるようになるらしいのだが、勿論ユイコ(シンイチ)にとってはただとんでもなくクソまずい吐き気を及ぼしそうなカルピス原液でしかなかった。だが、その心情を素直にアスリンに言えば、また酷い悪口雑言で罵倒されてさらに辛く苦しく恥ずかしいイジメを受ける事になってしまうのはわかり切っていた。
「どう?美味しい?」
「お・・・美味しい・・・です・・・」
「くっくっく・・・セーエキ飲んでおいしいなんて、本当にユイコって最低の変態だわねぇ」
「ちょ、ちょっと・・・アスリン?」
暴走しっぱなしのアスリンにちょっと不安になったチコがマジ顔を向けると・・・
「チコさん、何か?」
「いえ、何かじゃなくて・・・予定が・・・」
「・・・あ・・・そうでしたね・・・」
ようやくアスリンは少々ラリっぽいハイな雰囲気から元に戻った。
「さて・・・トオルのチンポもまだ全然萎れていないみたいだし・・・もう一回やってあげないと満足しないみたいよ、ユイコ」
「な・・・」
他の六人の腐女子達に囲まれてペニスをしげしげと観察されていたトオルはアスリンが暴走してユイコにさせていた非道に気付いていなかったようで、今更アスリンに名前を言われた事ですぐに反応した。何に対してかはアスリンの勝手な判断次第だが。
「ユイコもやってほしいよね?」
「え?・・・あ・・・はぃ・・・」
ユイコは一瞬戸惑いの表情を見せたが、すぐに頷いた。二回戦の話なんて勿論ユイコは聞いていない。予定と言ってもそれは全て腐女子達の一方的なものだった。異議は唱えられないし従うしかない。
「トオルさん・・・もう一回・・・お願いです・・・ユイコのケツマンコの中に・・・トオルさんの熱いセーエキを・・・注ぎ込んでください・・・」
腐女子に取り囲まれて少し(キ)の入ってるメンヘラ少女にアナルセックスをお願いされるという異常事態な状況なのに、それでもトオルのペニスは心と体は別物だと主張するかのようにまだフル勃起を続けていて萎れる気配は全くない。それはまず最初にジュースで飲まされたドホモルンクルリンの影響か、はたまた女のコからのエッチなお願いというシチュエーションによる影響か、それはまだ不明であった。
「せっかくの女のコからのお誘いなんだから、やってあげてよ」
「据え膳食わぬは爪楊枝って言うでしょ?」
「なんか違うけど・・・まいっか」
サエコの言葉はともかくとして、アスリンの言葉はいろいろと勘違いてゆーか間違って覚えてしまったのが露呈したようが、チコはスルーした。
「よし、じゃあ、ユイコはスカート脱いじゃおう」
「えっ?そ、それは・・・」
いきなりの突拍子もないアスリンの提案におたおたしている内に、アスリンはさっさとユイコのスカートのホックに手を掛けて外してしまい、ユイコははスカートを床に落としてしまった。
そして、ユイコの下半身は黒いパンティ―――かなり特殊なものだが、それは傍目にはわからない―――しか覆われていない状態になってしまった事を見てしまったトオルも、もう理性の堤防が決壊寸前である事に気付いてしまった。先ほどのユイコのアヌスの中で迎えた絶頂の瞬間を脳裏にフラッシュバックさせたトオルは、ユイコの誘い―――それが勿論ユイコの自発的なものではなく、アスリンを始めとした周囲の腐女子達からの無茶振りなのであろう事に気付きながらも―――を受け入れる事にした。
「そうまで言うなら・・・好きにしてくれ・・・」
しかし、そこではたと気付いたのが、まだコンドーム未装着という事。トオルはまたユイコが口で装着してくれるのだろうと思っていたが、ユイコはベッドの上に仰向けで横になったトオルの身体をまたぐようにして、その上に膝立ちでトオルに背を向けた。
「ドゥフフ、ユイコもわかってるじゃん」
「やっぱ、生が一番だもんね」
「妊娠とか全然大丈夫だから、思いっきりヤッちゃいなさい」
“えっ?まさか・・・”
ユイコはそのまま腰を降ろすと、トオルのペニスの根元を掴んで狙い過たずその先端に己のアヌスをあてがい、ゆっくりまた腰を降ろしていった。
““ああ・・・入る・・・””
ペニスをアヌスで咥え込む方、アヌスにペニスを突き刺す方、双方とも挿入時の感覚はシンクロしていた。しかし、入れる方は性的快楽が有ったのに対し、入れられる方は性的快楽が無かったのが対照的だった。
「さあ、ユイコ、頑張ってトオルをイカせてあげるのよ。あんたが気持ち良くなればその分相手も気持ち良くなるんだから」
「は、はぃ・・・」
そのアスリンの言葉が口から出まかせである事は二十分に分かり切っている。でも、トオルをまたイカせてあげなければこのおぞましい悪夢は終わりそうになかった。
ユイコは今まで勉強と称して見させられてきた18禁やをいの漫画やアニメなどで見たそのシーンを思い出して、トオルへの奉仕を開始した。ローションはまだアナル内にたっぷりあるし、トオルのペニスも射精前後で我慢汁が漏れてたり精液の残滓も付着していたりでそれもローション代わりとなってくれた。
「んん・・・んぅ・・・」
ユイコはトオルのペニスをアヌスで咥え込んで腰を一心不乱に揺り動かした。三浅一深の普通のセックスでのオーソドックスな上下のストローク、時にはゆっくりと腰をグラインドさせながら、そしてストロークやグラインドのスピードだけでなく、アヌスそのものの締め付けも強弱を付けたりしてみた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・ど・・・どうですか・・・トオルさん・・・・・・・・・私のケツマンコ・・・気持いいですか?・・・・・・・・・チ、チンポ・・・気持よくなってますか?」
腰を動かしながらユイコは後ろを振り返ってみてトオルの反応を伺った。
「あ・・・あぁ・・・と、とても・・・気持・・・いいよ・・・」
さっきは自分で腰をユイコの腰に打ち付けて悦楽を味わっていた。ユイコもアヌスの締め付けに強弱を付けて付き合ってくれていたが、結局それは独りよがりのオナニーに過ぎないのではないかとトオルは思っていた。強要されているのであれば、本当にユイコがアナルセックスで快楽を得ているのかも信じられなかった。
でも今は、自分は何もせずにじっとしているだけで、ユイコが自ら腰を振って自分に悦楽を与えてくれているのだ。受動的な悦楽によって、トオルはひたすら快楽を享受する事だけに甘んじていた。
「もっと・・・大きく・・・深く・・・」
「こ・・・こうですか?トオルさん・・・」
トオルからさらに激しい腰遣いを要望されてユイコはよりストロークを大きくしてみた。
“いいわ・・・もっと・・・もっと腰を振るのよ、シンイチ・・・ククク、何てみじめな姿なのかしら?男のくせにチンポを気持ち良くさせる為にアヌスで奉仕なんて・・・あんたはサイテーのアナルマゾほもーん奴隷だわ・・・”
まあ、まだ女装してユイコとして女のコの意識になっているのでほもーんかどうかは少々意見が分かれるところだがそれはともかくとして、二人のその交合をwktkというよりは昏い邪悪に満ちた笑顔で―――周囲の7名の腐女子も目の前の生やをいシーンへの鑑賞に夢中で・・・スカートのホックの所から手を中に差し込んで、何処ぞをまさぐっていたりしてもいた―――見ていたそのアスリンに誰も気づいていなかった。もし気付いたら間違いなく震えあがってドン引きしていただろう・・・。
「もっと・・・こう・・・早く大きく!」
「あんっ・・・ト、トオルさんっ」
ついにトオルはさらなる快楽をむさぼりたくなってユイコの腰を掴んで自らの腰の上に引き込むかのように動かし始めた。その激しさに、とうとうユイコのアナル内に溜まっていたローションとトオル自身がペニスから染み出させていた潤滑剤とがまじりあった液体がビチャッ、ビチュッ、ビチョッ、てゆーかグチャッ、グチュッ、グチョッ、みたいな感じ?でユイコのアヌスから吹き上がってきてトオルのペニスの付け根に降りかかって淫らな音を立て始めた。
“ス・・・スゴイわ・・・これが・・・本物の・・・生アナルセックスなのね・・・”
周りで見ているアスリンと七名の腐女子達はその音を聞きつけてさらに興奮していった。
そして、自分の腰を上げようとするユイコとその腰を下げようとするトオルの動きはいつの間にかシンクロし、そのシリンダー運動はストロークが大きくてスピードの速い激しいものとなっていった。
「うっ・・・くぅっ・・・も、もう・・・出そうだ・・・」
とうとうトオルが臨界点に近い声を漏らした。
「イ・・・イッて、トオルさんっ・・・・・・私の・・・ケツマンコの中にっ・・・・・・トオルさんのっ・・・・・・熱いチンポミルクッ・・・・・・・・・一杯注ぎ込んでぇっ!」
ユイコのその淫らな哀願の声にさらに感じたトオルはついに限界点を突破した。
「でっ・・・出るうぅっっ!!」
さっきはほんの微かなミクロン単位の薄さではあるがコンドームが被さっていたために、ほんの僅かではあるが摩擦エネルギーが減少してユイコのアヌスからのトオルへのペニスへ与えられる快楽の度合いも引き下げられていたのだが、今度は生ハメという事でそんな事は無くて、さっき以上の大きな絶頂を感じながらトオルはユイコのアナル内へ精液を噴き上げていった。
アナルシリンダーと言っても本当のシリンダーのように円筒になっている訳では無く、狭い中をピストンが力任せに押し広げていく事になるので、ユイコもトオルの精液がアナル内粘膜に吹き上がって来るのを感じていた。
“スゴイ・・・トオルさんの・・・チンポミルクが・・・ビシュッ・・・ぶちゅっ・・・て吹き上がって来るぅ・・・”
もしこれが女性上位ではなくて正常位や後背位だったら、きっと精液がアナル内粘膜に当たる感触はビシャッ、ビチャッというものだったろう。
“おお~・・・出てる・・・みたいね・・・トオルのチンポから・・・ドビュッ・・・って感じで・・・シンイチのアナルの中に・・・チンポミルクがぁっ・・・”
アスリンも他の腐女子と同じく―――スカートを捲って下から手を入れている所だけ少々違うが―――己の秘所を激しくまさぐっていたようで、トオルがどうやら絶頂に達したらしい事に気付いて一気に快楽が最高潮にまで達してしまったらしく、思わずその場にへたり込んでしまった。
「あの・・・トオルさん・・・今日は・・・私のアナルヴァージンを貰ってくれて・・・本当に有難う御座いました・・・」
一連の行為が終わっても、息が乱れて放心状態だった当の二人の他に周囲の腐女子達もオナニーでサカっていたせいでしばし保健室の中はハァハァハァという荒い声でいっぱいだったが、やはり一番年長だったチコだけがすぐに復活して―――てゆーか、アスリン達と違って理性が高かったせいか彼女たちほど積極的にオナニーをしていなかっただけで―――トオルとユイコや周囲の他の者達に声を掛けて撤収の準備を始めさせた。
そして、己のアヌスにトオルのペニスを咥え込んだ時と同様に自ら腰を上げてトオルのペニスを己のアヌスでの締め付けから解放したユイコはウェットティッシュでトオルのペニスを拭き上げて綺麗にしようとして・・・
「ちょっとぉ・・・ユイコったら、そんな無粋な事しないでさ・・・口で舐めて綺麗にしてあげなさいよ」
アスリンがまたシナリオ―――ウェットティッシュで拭く事はシンイチも腐女子たち全員をも含めた共通のものだった―――を無視した無茶振りをしてきた。アヌス内に入っていたペニスを舐めしゃぶるなんてスカトロプレイにも近いもので、流石にチコ他腐女子達も
「ちょおま・・・」
とアスリンの暴走に釘を刺そうとしたのだが
「・・・は・・・はぃ・・・アスリン様・・・」
一瞬躊躇したユイコもアスリンのそのアドヴァイスの名を借りた命令とその邪悪に満ちた昏い笑顔に抗う事はできず、まだ放心状態のトオルのお腹をまたぐように上に乗って―――つまり69の形になって―――トオルのペニスを口で咥え、フェラチオの要領でその表面に付着した粘液を舐め取っていった。事前にちゃんと無花果浣腸をしてアヌス内から汚物は排出して綺麗にしてあり、さらに中に注入したローションにも甘みを口だけでなく鼻でも感じられる成分も添加されていたらしいので、不快な臭いも味わいも無かったおかげでお掃除フェラチオはスムーズに終える事ができた。
途中で気付いたトオルが困惑して「もう・・・出ないよ・・・少し待ってくれ・・・」と何か勘違いした―――おそらく淫乱なユイコがまだ性欲を持て余していると思ったのだろう―――声を出したが、ペニス内部の精液の残渣もバキュームフェラで綺麗に吸い出してしまったユイコは結局それを全部飲み込んでしまった。
トオル自身は己の精液を飲んだ事は無いし、他人の精液もどんな味なのかは知らないが、少なくとも本来ならば決して美味とは言えないレベルのものだとは様々なところから入手した知識の中に入っていたので覚えていた。
“こ・・・このコは・・・本当に強要されて嫌々やっているのか?・・・それとも本当に淫乱な女のコなのか?”
精液を飲み込んで自分に微笑むユイコを見て、トオルも些か混乱してきたが、いつまでもそこにいるとまたアスリン達が何を言ってくるか怪しいので、ユイコの気が済んだと判断する事にした。
「それでは、もう僕はこれで帰らせて貰うよ」
「はい、凪羅くんがお帰りでーす」
何となく風俗店の従業員みたいな声が上がったがそれはそれとして、トオルは来た時と同様にサエコ・アケミ・ユミの三人に連れられて帰っていった。
「さてと・・・一杯腰振り運動して疲れただろうから、取りあえずジュースでも飲んでなさいな」
アスリンは何となくシンイチを気遣うような事を言いながら、行為の前にトオルも飲んだジュースの入っているペットボトルを差し向けた。毎日朝と夕方にコップ一杯飲んでいるドホモルンクルリン入りのジュースだから、別に問題は無い。
「これでトオルもこのお薬を摂取しても問題ないってわかったし、次はあんたから摂取してもらうようお願いするのよ」
「えっ!?」
もし、ジュースを喉に流し込んでいる最中にその言葉を訊いたら驚いて咽てしまっていただろうが、運良くそのタイミングはずれてくれてシンイチはペットボトルから口を離したところだった。しかも、アスリンのその言葉は、まかり間違えばその薬はトオルの身体に何か悪影響が有るかもしれない可能性があった事を意味していた。しかし、シンイチはその事には気付かずに、アスリンの最後の言葉の方に気を取られてしまった。
「そ、それって・・・」
「これでオシマイの訳ないでしょ?今日はあんたはユイコとしてトオルとケツマンコでセックスしただけなんだから、次はちゃんとやをって貰うわよ。その為にトオルのチンポにあんたがスプレーしてやれって言ってんの」
鬼畜な事をいとも簡単に言ってのけるアスリンはやはり昏い狂気にも似た笑顔だった。
“ここ・・・なのか?”
やって来たマンションてゆーか集合住宅の様子を見てトオルは唖然とした。以前は数棟あったのだろうが、目の前の一棟のみ残して他はすべて解体されてしまったようで、瓦礫が集められて残って居たり、土がむき出しになっていて、それらは全てロープが貼られて立ち入り禁止と表示されていた。
唯一残った一棟も、どこかしこを見ても薄汚れていて人が住んでいるような気配が感じられなかった。ただ、全ての部屋の雨戸が占められていると思いきや、最上階の一番端の一室だけがそうではなくて、白いカーテンが掛かっているのが見えた。そこが目的地らしい。
集合住宅のエントランスでは集合ポストに全部にチラシだのなんだのが詰め込まれてもう満杯のようでその下にはチラシが十数枚以上散乱していた。そして階段の傍から通路を覗けば、各戸のドアの新聞受けもその下もエントランスの集合ポストと同じ状態だった。
“もうすぐ取り壊されそうな感じがするけど・・・”
そんな疑問・不安を感じながらも、トオルは階段を昇り通路を歩き、招待された部屋の前にやって来た。しかし、集合ポストと同様に住人の表示は無い。
取りあえずトオルはドアの傍のチャイムを鳴らしてみた・・・が、ピンポーンやキンコーンとかリンゴーンでさえも鳴っている気配はしなかった。
“壊れてるみたいだね・・・”
仕方ないのでトオルは鉄製と思われるそのドアをガンガンと叩いて声を掛けてみた。
「御免下さーい・・・あの、凪羅だけど・・・佳和さん、いますか~?」
今回の「ユイコの部屋に来てください」という招待状の態をした呼び出し状には初めて彼女のフルネームが書かれていたのだが、やはりレターに同封されていた写真は前回よりもさらにいやらしいユイコの姿だった。ほとんどスケスケなレース地のベビードール姿でベッドに横になったユイコは両手にリアルなタイプのバイブレーター・・・ではなくてディルドを持って、その片方をしっかりお口で頬張っていた。勿論、デフォルトでアヌスにバイブレーターを咥え込んでいるのだが、下半身に穿いているのはやはり前回と同じアヌスに穴が開いているハイレグパンティ(ただし、色は今度はベビードールと同じく白に統一していた)であった。
“彼女・・・意外とモリマンみたいなんだな・・・”
サトミが入手してアスリンがシンイチに穿かせたその特殊なパンティは、しっかりとユイコのペニスをホールドして押さえつけてくれて、そこにペニスが有るとは思えない、てゆーか気付かせないためにどちらかと言うとモリマンを大きくアピールするような曲線の膨らみを呈していたのだ。
「どうぞ・・・カギは開いてますから・・・」
応えが無いのでもう一度ドアを叩こうとトオルが拳を振り上げる前に、チャイムのインターホンからユイコの声がした。
「あ・・・じゃあ・・・お邪魔します・・・」
トオルがドアを開けると・・・照明は点いておらず、外からの陽光―――と言っても今日は珍しく空は白いのでその陽光も弱弱しいものだったが―――が奥の窓から入ってきているだけなので、室内は少し薄暗かった。
玄関口にはどうやらトオルの為のスリッパが置かれていたが・・・床や入ってすぐの作り付けの小さなキッチンの流し台にもなんとなく薄っすらと埃が積もっているように見えた。
「・・・いらっしゃいませ・・・お待ちしていました、トオルさん・・・」
奥の部屋に置かれたベッドの上には、ユイコが腰掛けていた。それも、今回の招待状に同封してきた破廉恥写真と同じランジェリーを身に付けて・・・もしかしたら、例によってアナルにバイブレーターを仕込んでいるかもしれない。
そして、外から見た時には気付かなかったが、窓枠には十字の鉄格子―――トオルはカーテンが格子柄だと勘違いしていた―――が入っていた。まるで窓から出られないように、あるいは逃げられないように・・・。
「や、やぁ・・・取りあえず、来てみたけれど・・・ちょっと、部屋が暗くないかな?」
「御免なさい・・・私、ビンボーだから・・・照明は夜とか、必要な時しか点けないようにしてるんです・・・今、点けますね」
ユイコはベッドから立って紐を引いて天井照明を点けた。そして、ユイコの部屋の概要がトオルの目に明らかになった。それは、おそらく一人暮らしのJCとしては異常な感じがした。床はじゅうたんやカーペットを敷いているわけではなくタイル貼りのまま。壁は壁紙さえ貼っておらずコンクリがそのままだった。家具類は小さな衣装ダンスが壁際にぽつんと一つだけ置かれている―――おそらく入っているのは肌着類ぐらいかもしれない―――他には、細い整理棚―――何やら本で埋まっているがそのどれも随分と背が薄いものばかりで本の題名さえわからない―――が部屋の隅に置かれているだけだった。
「あの・・・どうぞ、こちらにお掛けになってて下さい・・・私、ちょっと飲み物とか用意してきますから・・・」
と、ユイコはトオルがお構いなくと言うのも無視してそこからキッチンへ立っていった。
“それにしても・・・本当に何も無い部屋だな・・・”
例えば、中学生なら勉強するための机は必須だろうと思われるのだがそれもなく、そして整理棚は埋まってはいるが教科書らしき書物はどこにも見当たらない。もしかしたら、授業で使う教科書もノートも筆記具も、勉強道具は全て一切合切まとめて学校のロッカーに置きっぱなしなのかもしれない。練芙学園も贅嶺女学園も私立校だから、金さえ積めば入学も進級もできるとは言え、規定レベルに比べてあまりに学力が劣っていれば普通は上の学年部には上がれずに落第もしくは放校処分となる訳で、それを回避するにはやはりかなりの寄付が必要になる・・・所詮、世の中お金という事なのだが。
“この薄い冊子は何なんだろう?”
とトオルはテケトーにそこから一冊の薄い本を抜き取ってぱらりと見てみた。
“うわ!?ちょっ、これ!?”
もしコウジやケンタにムサシやケイタ、てゆーか年齢を問わずおよそ健全な男性ならば、そこに描かれていた絵を見たら吐き気を催す物だったろうが、そこでトオルが少し違って冷静な反応―――一瞬驚きはしたが―――を見せたのは、彼が少々特殊なのかそれとも・・・。
「あの・・・トオルさん・・・お飲み物、準備したんですけど・・・」
「あ・・・」
その薄い本を広げたままトオルは振り返って、トレーの上にジュースが入ったコップを二つ載せて持っているユイコに気付いた。
「あ・・・そ、それは・・・」
「え?あ、その、勝手に手に取って悪かったね・・・」
トオルはユイコにとがめられると思ってまずはその薄い本を元の所に戻した。
「・・・何か、思っていたのと反応が違う・・・」
「ドホモルンクルリンの効果かしらね?」
「まだ一回しか飲んでいないからその可能性は低いわね」
またしてもアスリン、サトミ、イツコの愛の三人組は何処ぞからその室内をモニタリングしていた。
アスリンが揃えた腐女子御用達の薄い本を見て、トオルは不快感を露わにするのではないかと思っていたが、それでもユイコとのアナルセックスの甘美さには及ばないとして不機嫌にはならないだろうとも推測していた。勿論、サトミが言ったイツコの開発した薬の影響も、まだ一回しか口にした事がないから可能性はゼロに近いと考えるのが普通だが、イツコがそうではなくて可能性が低いという言い方にしたのもトオルの反応を見てからの返事だったので何かしらの可能性を考慮したらしかった。
取り合えずユイコの持ってきたジュースをぐいっと飲み干して二人とも一旦落ち着いた。
「えっと・・・佳和さんは・・・ああいったジャンルが好きなんだね?」
「その・・・はぃ・・・」
「それにしても凄く一杯あるね。ちなみに何冊ぐらい?」
「・・・私もわからなくて・・・数えた事無いし・・・」
「コミケとかで買ったのかな?」
「あ、いぇ・・・アスリンが持って来てくれて・・・やっぱり、乙女の嗜みだから、って・・・」
“乙女の嗜み、ねぇ・・・”
トオルはどうも言葉の使い方が間違ってるように思った。いわゆるやをい―――しかも今トオルが手に取って見たものも含め全部18禁モノだった―――を嗜好するのは腐女子なので、そこは腐女子の嗜みと言うべきではないか、と・・・。やはり乙女とは清らかな男女の交際を夢見るような女のコの事であろうというのがトオルの認識だった。
「えっと・・・その・・・どうして、男同士で愛し合ってるのがいいのかな?」
正常な男性ならその疑問を持つのは当然で、そしてそれに対する模範的な答えというのは「男女が描かれていると生々しいからイヤ」というのが多くてオーソドックスである。しかし、それなら女同士でもいいのではないかとも考えられるが、やはりそこは男性が同性の裸体を見てもつまらないのと同様に女性も同性の裸体を見ても萌えないという事で男同士というのは納得できそうな理由ではある。
「・・・惣竜さんと佳和さんはどういう関係なの?なんか、彼女が無理やり君に強要して僕と関係させようとしているような気がするんだけど・・・」
「あ、あの・・・そんな事より・・・今日の私のこのカッコ・・・どうですか?」
ユイコは腰掛けていたベッドから腰を上げると、トオルの前でクルッとターン―――バレエのレッスンを受けていたのでよろめく事も無くピシッと難なく決めた―――をして見せ、とどめにベビードールの裾のサイドを少し上に引いて―――当然、ハイレグの特殊パンティもよりよく見えるようになってしまう―――首を傾げて可愛らしくお辞儀をしてみせた。
「あ、ああ・・・とても・・・可愛いよ・・・」
招待状の写真とほぼ同じ格好だったので、一度見ているせいもあってここに来てユイコの今日の姿を見た時はそれほど萌え度は大きくは無かったのだが、今のパンティ見せ及び可愛らしいお辞儀という仕草を見て、トオルもdkdkし始めた。すると、先ほどドホモルンクルリン入り―――勿論トオルは知らない―――のジュースを飲んだ事も相まって、バッテリーもあっという間にチャージされていった。
“・・・でも・・・モリマン・・・というより・・・また何か変な物付けてるのかな?”
トオルがそんな事を思ったのは・・・ユイコのパンティの前の膨らみに気付いたからだ。モリマン―――ドテ高とも言う―――というのは女性器の大陰唇の部分の肉が厚くて盛り上がっているからそう言われる訳だが、今ちらっと見えたユイコのパンティは、女性器に近い部分だけでなくその上の方も何やら膨らんでいるように見えたのだ。だからトオルは、女性器を刺激する何かの小道具をパンティの中に仕込んでいるのではないか?と推測したのだ。先ほど自分が男性同性愛シーン―――しかも18禁、勿論無修正―――満載の薄い本を見てしまった事については「ああ、腐女子御用達のだな」という感想だけで―――そこに自分をモデルにした絵が載っていたら勿論激怒するだろうが―――さほど強い印象を持たなかったのも不幸と言えた。
「あ・・・トオルさん、ムフフな気分になりましたね?」
「あ・・・ま、まあ・・・」
「いいですよ・・・そのつもりで招待したんですから・・・」
ユイコは妖しく微笑んでトオルの前に歩み寄ると、床に座り込んだ。
「また、いつものようにおしゃぶりさせて下さい・・・」
ユイコはトオルのペニスをズボンの上からそっと撫でると、手慣れた手つきでファスナーを降ろしてパンツの穴からトオルのペニスを引っ張り出した。
「いつ見ても素敵・・・それじゃ、頂きま~す・・・はむっ・・・うぐ・・・むぐ・・・ふぐぅ・・・」
既に100%バッテリーチャージされていたトオルのペニスは、ユイコの熱心なフェラチオでさらにコチコチにされた。
トオルのペニスに適度に快感を与えつつ自分もその匂い・味・硬さ・舌触り・熱さをひとしきり堪能した?ユイコはぱっと口を離した。
「そうそう、忘れてました・・・」
「・・・何を?」
ユイコはベッドの下の引き出しを開けた。そこには赤や青に黄や緑、紫オレンジ水色ピンク、金に銀に透明アクリルにヌード色、等々のローター、バイブレーター、ディルド、アナルバイブなどが綺麗に整理整頓されて一個ずつ区分けされて並んで置かれていた。その一区画にそれらの所謂「大人の玩具」ではなくてそれに関連するものが置かれていた。フレーバー付きのローションとか、虹色に輝くコンドームとか・・・。
ともだちにシェアしよう!