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第11話 そのニー
「あぁん・・・イ・・・イク・・・イクッ・・・イクイクイクッ・・・イイッ・・・クウウゥーーーッッッ!!!」
とうとうオーガズムに達したその瞬間、アスリンは殆どシロメを剥いて淫らなイキ声と同時に己のヴァギナを思いっきり締め付けなおかつ天に向かってPUSSYを腰で突き上げていた。
アスリンのヴァギナのその最高の締め付けに、キョウヤも敢えて堪える必要も無いと判断して、アスリンの中で快楽を開放した。
キョウヤにヴァージンを捧げる事ができてなおかつキョウヤと愛し合ったあげくヨガリ狂って最後にはイッテしまったアスリンは、その快楽に深く感動し一時の間陶酔しきっていた。オナニーでイッた事は何度もあったが、自分でするのとは違って大好きな人に愛されたあげくの絶頂であるから、その感動はオナニー―――やった後は何故か虚しさを感じるのもアスリンがまだコドモだからかもしれないが―――なんて比べようもない程の深さ・大きさだった。
それ故に、ぼ~っとしていたアスリンはキョウヤが自分の身体から離れて後始末をしていた事も気付かないでいた。
そしてそろそろキョウヤが声を掛けようとしたその時に目を合わせてしまったアスリンは、急激にものすごく恥ずかしくなってしまって思わずタオルケットを頭から被って隠れてしまった。
「今更何を恥ずかしがっているのかな、お姫様」
などとキョウヤが茶化して声を掛けると・・・
「だ、だって・・・恥ずかしいのは恥ずかしいんだもの・・・」
セックスする間柄の男女なのにその行為の後で何故か恥ずかしがるそのアスリンの姿はやはりキョウヤにはコドモっぽく見えた。
「・・・ありがとう、キョウヤさん・・・私の一方的なお願いを受け止めてくれて・・・」
シンイチをたらし込むのにもはや自分の身体で誘惑するしかないというのっぴきならない状況だからこそ、自分の初めては自分の好きな人と・・・その願いが叶った以上、もうアスリンに思い残す事は無かった。
「・・・此処からの話は・・・私自身の事では無くて・・・私のミッション遂行についてなんですけど・・・」
「うむ・・・詳しく聞こう」
ガウンを纏ったキョウヤはアスリンが未だタオルケットに包まって寝そべっているベッドの端に腰掛けてアスリンの言葉を待つ。
元々、アスリンが色仕掛けしないとシンイチをたらし込めないという状況はどういう事なのか?それが肝心だ。
別にシンイチが色恋に全く興味の無い朴念仁だという訳では無い。どこにでもいるその年頃のDCと同様なレベルの性欲はあるようだし、アスリンのアピール不足という事も無い。ならば・・・
「・・・別にシンイチが移り気な男のコという事じゃ無いんだけど・・・ライバルが多すぎて・・・」
その第一人はシンイチとアスリンの二人の保護者であるサトミで、元々アスリンが来る前からシンイチを狙っていたらしいが、アスリンのミッションを知ってからは未練ある素振りでアスリンをからかったりしながらも二人が結ばれる事を願って身を引いてくれてはいる。同じクラス、いや、学校の女子にもシンイチは割と人気があるから彼女達もライバルと言えばライバルかもしれないが、サトミの元で同居しているので最も身近であるアスリンの存在に一目置いているみたいで積極的にシンイチに言い寄る者もまず考えられない。
では、一体誰がアスリンの心を脅かそうとしているのか?
「・・・シンイチは小さい時からバレエを習っていたらしくて・・・そのバレエ教室の生徒や先生がどうやらシンイチに色目を使ってるみたいで・・・」
幼い頃はまだ何も気にしないという事で熱心になっていたバレエも、第二次性徴が始まる頃にはなんとなく情熱が薄れていったらしい。おそらく、男のくせにバレエなんて・・・なんて言われたとか、そんな単純な事だったのかもしれないが、深い事情はシンイチは語らなかったらしい。
ただし・・・その時のレッスンメイトだった女のコ達や先生との交流は今でも続いていて、時々街で出会うとすぐに一緒になって行動してしまうとか。例えば、新しいレオタードを買うので品定めに付き合って欲しいとか、バレエの映画が公開されるので一緒に見に行こうとか・・・。
そしてその人数は先生一人を含めて全部で10人いるのだ。
「・・・あの連中が一人残らずいなくなれば・・・」
「そ・・・それは確かに大変だな・・・」
先生も含めてバレエのレッスンメイトだった10人の女性に想われているとは、猪狩シンイチもなかなか大した少年だと考えていたキョウヤも、その前のアスリンの言葉の意味に、つい気付く事ができなかった。
「だから・・・キョウヤさんに・・・私のお願いを聞いて欲しいの・・・私の望みをかなえて欲しいの・・・」
それを、キョウヤは「自分がその10人のライバルを逆に誘惑してシンイチから遠ざけて欲しい」という意味だと受け取った。
「はは・・・いくら何でも、10人同時とは大変だな」
「御冗談を・・・キョウヤさんの部下を使えば楽勝でしょ?」
そのアスリンの言葉に、今度こそキョウヤはこめかみをピクリとさせた。さっきまでの苦笑も引っ込み、そして一瞬でビジネスフェイスにチェンジした。
「君は・・・私の仕事の事をどこで知った?」
「私にだって・・・いろいろと伝手はありますから・・・」
アスリンはまだJCだが、サトミとは旧知の仲であり、その彼女にもいろいろと情報を入手できるような伝手がいた。イツコもサトミの旧知の仲で、サトミ経由でアスリンにいろいろ協力してくれているのだ。
「萩生コンツェルンが世界に進出していく過程で、国内・海外でいろんな事件に巻き込まれた事があるって、サトミから教わりました。だから、当然そんな問題を解決するためにいろいろと危険な任務に就いている人達もいるって・・・キョウヤさんが、そんな人たちのリーダーだって事も知ってました。だから・・・」
どうやらキョウヤはアスリンを萩生一族の末裔というだけのただのJCであると見くびっていたようだ。だが、その実態は、確かに一族の末裔であり、将来そのトップに就く為にいろいろと考え行動していくしたたかさも身に付けている上昇志向のかなり強いJCであったらしい。
「手段はお任せします。でも・・・別に命まで、なんて酷い事は言いません。ただ、シンイチの前に二度と姿を現す事ができないようにして欲しいのです」
もしそれがコンツェルンの総帥たるグレート萩生の命令だったとしたら、生死を問わず最小の行動で最大の成果を求めてくるだろう。実際、キョウヤの指揮するチームは全員単独行動で暗殺を実行できるプロばかりであった。と言っても、勿論、コンツェルンに対する問題解決であっても人の生き死にに関わる事であれば必ずグレート萩生の判断を仰がねばならなかったが。
「・・・今は、前向きに検討する、という回答しかできないが、それでいいかな?」
「ええ・・・期待しています・・・いえ、キョウヤさんを信じていますから・・・」
勿論、アスリンの本心はバレリーナ・ナイン+1の抹殺を望んでいた。それをアスリンが目論んだのは、シンイチが超ハイレグレオタードで女装してフル勃起したペニスを浮き上がらせてしまっていたのに、それを蔑んだり嫌悪したり―――最初は確かにアスリンの目論見どおりだったが―――する事はせずに逆にシンイチを受け入れてしまい、それでシンイチがバレエのレッスンを受けている間だけは女装して幸せを感じていた事がどうしても許せないから、という理由からだった。どう考えても理不尽そのものだった。
(case[S]・・・桂木サトミの場合)
“いよいよ今日は身体検査の日・・・どんな事になるか、愉しみだわ~、ぐふふのふ”
一週間前にその予定を知ったサトミは、早速ユイコに新しい上下御揃いのブラとパンティのセットをプレゼントした。色は小学生らしく純白であるが、フリルでオシャレに飾られているものだ。胸の膨らみが無いユイコの為にちゃんとカップもついてない「なんちゃって系」のブラはまあ問題は無い。問題はパンティの方だった。
「サトミさん、おはようございます・・・」
「はい、おはよう」
朝の食卓に身を出したユイコは既に着替えて学校に行く準備を整えていた。勿論顔も洗ったし歯も昨夜寝る前に磨いている。
「えー、早速だけど・・・ちゃんと私がプレゼントしたブラとパンティは着ているわよね?」
「え、ええ、勿論、サトミさんが選んでくれたんだし・・・」
ほんの少々ユイコは頬を赤らめ、もじもじした。両手はスカートの裾を前に引っ張るように持っていて何かを恥ずかしがっている素振りをしているが、勿論それはサトミを相手にする際のポーズであるし、それで逆にスカートの前に不自然な光景が現れてしまう―――まるでおバカなJCやJKがブルマーを見えないように体操シャツを必死に下に引っ張ったせいで胸の下に身に付けているブラの形が浮き上がってしまうかのようである―――ところを見てサトミもユイコのその可愛らしさについ眼尻を下げて・・・もとい、鼻の下を伸ばしてしまった。
「もう、サトミさんったら、またそんな顔して・・・」
「はっ!?」
ユイコに指摘されたサトミはすぐに鼻の下を伸ばしただらしない顔を元に戻した。
「ゴミンゴミン、今日はユイコちゃんの身体検査の日だったでしょ?それを思うとさ・・・ユイコちゃんも今までお子様パンツだったけど、今日はついに大人のランジェリーでデビューだもん、wktkしない筈が無いでしょ?」
とサトミはお姉さんぶったセリフを吐くが、その言葉が100%その意味の筈が無かった。
“もう、サトミさんったらエッチなんだから・・・でも、そんなサトミさんも大好き・・・”
そしてユイコはサトミが用意した朝食を―――勿論、食パンをトースターで焼いたりそれにママレードを塗るぐらいは自分でやったが―――食べたユイコはランドセルを背負って玄関で元気に
「行ってきまーす」
とサトミに言ってから登校していった。
「おはよう」「オハヨー」「グッモーニーン」「ごきげんよう」
元気に朝の挨拶が交わされる教室にユイコも「おっはー」と挨拶しながら入った。
以前だったらユイコを毛嫌いしイジメたりしていた残念な女のコ達がすぐに「ゲッ!また来やがったよ、チンコの奴・・・」とかヒドイ事を言っては、クラスの委員長―――一応、優等生でユイコの事もちゃんと理解してくれていた―――から窘められるのが恒例だったのだが、いつぞやのアンスコ丸見え事件でユイコの逆襲を喰らって以来、その問題児たちはおとなしくなっていた。まあ、ユイコを徹底的に無視するのは変わっていないが、自分に絡んできたりせず実害が無いのであればユイコも何も気に留めなかった。てゆーか、ユイコも相手にしていなかった。いや、たとえ何か言われても、今はそんな事に気を留めている余裕は無かった。
身体検査はお昼の給食前の4時間目を使って行われる。朝からすぐにやってくれればdkdkさせられる間も無かったのだが。
“・・・どうしよう・・・サトミさんのイジワル・・・”
今ユイコが身に付けている下着は大人のランジェリーと言うだけあって、パンティはおへそまであるようなお子様パンツではなく、パンティと呼称するのが確かにふさわしいビキニ水着のような小ささ。まあ、この年頃になればそれぐらいの小さい下着を身に付けているコが殆どで、プリティキューンのキャラパンを穿いているユイコのようなお子様はほぼいなかった。まあ、ユイコ本人はプリティキューンのTVアニメは毎週欠かさず見ているし着せ替えフィギュアも持っている程好きなのでそれは仕方が無かったが。
“せめて、ハイレグタイプのキャラパンとかがあったらいいのになぁ・・・”
とユイコが思うのも無理はない。何せユイコは姿だけはどう見ても普通の女のコだが、実は女装小学生で、しかも性同一性障害―――身体は男のコでも心は女のコ―――でありながら、女装するとペニスがフル勃起してしまうという変態でもあったのだ。
だから今も勿論ペニスはフル勃起―――まだ亀頭は完全露出するほどではない・・・勿論、指で包皮を引っ張ればちゃんと翻転して亀頭を露出してチンポに変身するが・・・のでオチンチンと言えるが―――と言う状態で、パンティの上から頭を覗かせてしまっているし、当然の如く制服のスカートの前にテントを張ったような不自然な膨らみが微かに見えるのだ。だから、もしハイレグタイプのパンティだったらオチンチンは全て覆い隠せるので、スカートの前のテントももっと緩やかになって気付かれないレベルになるだろう。
登校するその途上でも、車が背後を行き過ぎたりしてスカートの後ろが捲れたりしてパンティが見えちゃったりしていた事があったし、幸運にも前が捲れる事は無かったのでユイコが女装してペニスをフル勃起させてしまっている変態美少女少年である事は誰にも気付かれてはいなかったようだ。
ユイコの身体の秘密を知っているのはクラスメートと学校側の一部の人間のみ。と言ってもユイコが性同一性障害者だが女装して性的興奮する変態でもあると言うだけで―――それでも、担任のサヤの教育が行き届いているのでそんなユイコもごく一部のクラスメートを除いてちゃんと女のコとして認められていた―――ユイコのオチンチンを直に生にその目で見た事が有る訳では無かった。だが、今のままでは、とうとうユイコはオチンチンをクラスメートの女のコ達に見られてしまう事になりそうだった。身体検査は教室で服を脱いで上下とも下着一枚になり、そこから体育館まで行って身体検査を行い、それからまた教室に戻らなければならないからだ。すると、その間、ユイコはオチンチン丸見え?で身体検査を受ける事になってしまう。
“どうしよう・・・オチンチンは・・・サトミさんだけにしか見せたくないのに・・・・・・・・・それに、私のオチンチンを見たら、やっぱりクラスのみんなも私の事を気持ち悪いと思っちゃうかも・・・”
「・・・猪狩さん、大丈夫?何か、元気無さそうだけど?」
「あ、凪野さん・・・」
ユイコがなんとなく暗い顔をしているのに気付いて声を掛けてきたのは、いつもいじめっ子達を注意してくれているクラス委員長の凪野カオリだった。
「今日の身体検査の事?」
「えっ?」
「もしかしたら、気に障るかもしれないけど・・・胸が小さい事は気にしても仕方がないんじゃないかしら?猪狩さんの場合は特別なんだから、それはもっと大きくなってから悩めばいいと思うの。私だって胸はあんまり膨らんでないし・・・」
どうやら、彼女はユイコが身体検査で胸囲測定があるのでその事を気にしているのではないかと思ったらしい。勿論、ユイコには当然胸の膨らみなどできる筈が無いのだから、JS6の胸囲の全国平均に対するハイ・アンド・ローを気にするまでもないのだが、そこは心が女のコと一応思われているので気にする事もあるだろうと周囲の者が考える事もあるだろう。
「あ、いえ、そういう事では・・・」
「じゃあ、体重?」
体重が重いとデブ扱いされるのは世の常なのだが、そこはまだ第二次性徴が始まったばかりの彼女達は、適正体重のなんたるか、身体のプロポーションとの関係などについてはまだまだ知識は疎い。身長が大きいとか、胸が大きいとか理由が有れば、平均体重よりも大きい数値であっても問題無い訳だ。まあ、その辺は身体検査が終わった後で担任のサヤから話があるだろうが。
「いえ、それも違って・・・」
まさか全裸で体重測定する訳にもいかないし、だから上下の一枚だけ下着を付けて、それが無い物としてその分の微かな重さを無視して出た数値を記録する訳なので、できるだけ軽い物を身に付けるのが当然である。だから
「身体検査において、余計なものは身体に装着しないようにしてください」というサヤからのレターが特別にユイコだけに渡されていた。そして勿論それは保護者のサトミの方に回されて・・・
「あー、そっかー・・・じゃあ、仕方ないね。残念だけど、ユイコちゃんはこの日はディルドは無しという事で」
サトミの言いつけで、ユイコはアナルにいつもディルドを咥え込まされていた。アナルセックスするその日の為に備えておこう、というサトミの邪心によるものだった。
ユイコ本人はアナルにディルドを装着する事をもう気にしなくなっていた―――お尻の穴に何か嵌っている、という感触はわかるが別にそれを不快と感じている訳では無い―――のだが、サトミの言いつけを守る事と女のコらしくありたいという両方の理由でアナルディルドは装着していたいという想いはあったが、やはりそんな悩みは今現在の悩みに比べたら大した事では無かったのだ。
「・・・じゃあ、一体・・・」
「その・・・私・・・オシャレなオトナの下着にしてきたんだけど・・・ちょっと小さかったかな、って・・・」
ユイコがちょっと恥ずかしそうなそぶりで思わず下を向いたので、カオリもその視線を追いかけて、やっぱり今朝ユイコが登校してきた時に思った印象が間違ってはいなかった事に気付いた。
“・・・気のせいかしら?・・・ユイコさん、普段より・・・スカートの前が目立ってるような・・・”
ユイコがかなり特殊な「女のコ」だという事はもう前から理解していて、その辺の優しさ・思い遣りを評価されてクラス委員長を任されていた訳で、ユイコがその「男のコ」の証が残っていて激しい自己主張をしていても、決して自分達を異性として捉えていない事から、カオリはユイコを積極的に受け入れていた。
そして、今のユイコの言葉を聞いて、カオリは何となく想像してしまって一瞬顔を赤らめてしまったが。
「えーと・・・大人の下着って、つまり、いつもとは全然丈が低い、という事ね?」
「うん・・・」
「・・・で、お股のものが隠しきれてない、という事ね?」
「はぃ・・・ごめんなさい・・・」
身体検査の光景をカオリは想像して・・・ユイコはブラとパンティだけで、オチンチンをこんにちはさせている・・・また顔を真っ赤にしてしまった。でも、前からユイコのオチンチンを一度見てみたいとは思っていた・・・それは、殆どのクラスメートも同様だった。第二次性徴を迎えて身体が大人の階段を登り始めたと同時に、性教育で異性の身体にも大きな興味が湧いて来た、というのはこの年頃の女のコならば当然の事であり、決してあーたらこーたらなんやかんや言われる事ではないのだ。
「ま、待って、別に謝る事じゃ無いと思うわ。それも、今は仕方がない事で、大人になってから何とかすればいいと思うの」
今、ユイコがオチンチンをフル勃起させているのは、今その瞬間に性欲を感じているからではない。サトミに躾けられて―――勿論、最初は幼い性欲を利用されたのであり、ユイコは女装させられるたびにサトミに歓びを与えられ続けていた―――とうとう女装するだけでユイコは条件反射的にオチンチンをフル勃起させるようになってしまったのだ。
別に自分達に対していやらしい事を思って―――まだ、男性が女性に欲情する事の意味を正しくは理解できていないため、自分達に対して男子がいやらしい目で見る事を女子は嫌ってヘンタイだのキモい等と反応してしまうのも致し方ない事もさる事ながら―――ユイコがオチンチンをフル勃起させている訳では無い事は今までのユイコ本人の仕草や素振りや反応―――例えば体育の授業で着替える時とかで、他人の身体を注視したりしない女のコとしてのマナーやエチケットもあるし、最初の頃はオチンチンの事でかなり恥ずかしがっていた・・・・・・・・・もっとも、クラスメートがユイコを受け入れてくれる―――例えば、カオリがふざけて「ユイコはクリトリスが大きいだけ」とか言ってくれたりした―――と然程恥ずかしがることも無くなった・・・・・・・・・で担任のサヤやカオリを初めクラスの誰も理解している。いや、例のイジメっこ達だけは勝手な思い込みでユイコをただの変態だと思い込んで無理解のままだったので、サトミに「バカは死んでも治らない」とか「バカは死ななきゃ治らない」と蔑まれていたりするのだ。
まあ、そんなこんなで、二時間目と三時間目の中休みにカオリはユイコをサヤの元に連れて行った。
「サヤ先生、ユイコさんが今日の身体検査でちょっと悩んでいるんですけど・・・」
そこでユイコは正直に打ち明けた。ちょっとおしゃれ気分で大人のパンティを穿いてきたはいいが、丈が短く布地も小さいのでフル勃起したオチンチンがコンニチハしてしまっている、と・・・。
「あら、まぁ・・・どうしましょう・・・」
欲情してフル勃起しているのなら、サトミに何度かされたように、自分で処理―――一本抜いとくのだ―――すれば収まるのだろうが、サヤもちゃんとユイコがある意味紳士・・・いや、この場合は淑女か?・・・である事は知っていたので、そんな方法が無意味である事もわかっていた。
そして思案したサヤは、妙案を思いついた。
「・・・つまり、ユイコさんは、オチンチンが隠れてしまえば大丈夫なのね?」
「はぃ・・・」
「それなら、いいアイデアがあるわ」
と言うなり、いきなりサヤは自分のスカートの中に手を入れて・・・何を思ったか、穿いていたパンティを脱いでしまった。
「サ、サヤ先生、一体、何を!?」
驚くカオリに対しユイコは唖然として声も出ない。
「ほら、よく見て。私のパンティ、ハイレグタイプなのよ。これならビキニタイプに比べて布地が縦に長いから、きっとオチンチンを隠せる筈よ。という事で、ユイコちゃんもパンティを脱いで、身体検査の間だけ、私のと交換しましょう」
「はぃ・・・」
どうやらそれしか方法はないとユイコも理解したようで、サヤとカオリの前で穿いてきたパンティを脱ぎ降ろした。その途端、半分とは言え抑えられていたオチンチンが開放されたせいでさらにスカートの前のテントはこれ以上は無いというくらいに高く張ってしまった。その変化を見て、サヤもカオリも
“まぁ・・・スゴイ・・・”“これって・・・オチンチンが・・・突き上げてるのよね・・・”
と一瞬好奇心に溢れた目の輝きを見せた。
「・・・脱ぎました・・・」
“・・・てゆーか、何この状況・・・手に脱いだパンティを持ってノーパンになってる女教師と男の娘・・・”
思わずカオリは脳内でサヤとユイコのレズっぽい光景をイメージしてしまった。しかし、そんなカオリに気付かず、ユイコとサヤの二人は互いにパンティを交換してまた穿いた。
「・・・はぁ・・・」
今まで他人が穿いていたパンティを自分が穿く・・・しかも、そのパンティのクロッチ部には相手の秘所が接触していた訳だが、そんな事等気にせず、というよりそんな事に心を置く事も無く、ユイコは自分のオチンチンが上まで全てしっかり覆われた感触でほっとしていた。
「ユイコさん、どう?」
「・・・大丈夫です。これなら安心できます」
さっきまでの妄想を何とか打ち消して訊いてきたカオリにユイコは安心したように微笑んだ。それに、色も同じ純白でデザイン的にもフリルの位置が前にボーダーに並んでいたのが少々サイドにずれてストライプに並んだだけの変化なので、ブラとの相違も感じられない物だった。ただし、オチンチンが包まれているとはいえそのフル勃起の力をゼロにする事はできず、その突き上げでお腹との間が空いてしまっているので上からのぞき込まれればオチンチンの茎の部分は見えてしまうが。
一方のサヤはと言うと・・・
“・・・ちょっときついかな?まぁ、何とかなるでしょ、2時間くらいは”
大人と子供だからサイズが違うのは当然、スレンダーではあるがそれなりにプロポーションもいい方のサヤのヒップにユイコの子供用のオシャレ下着は些か小さかったようで、けっこうなローライズになってしまった。ちゃんと処理してあるアンダーヘアも上の方は隠せていないが、それも隠そうと無理に引き上げたらゴムがダメになりそうなのでサヤは諦めた。
という事で、ユイコは1~2時間目とは打って変わって元気になって3時間目の授業を受け、いよいよ4時間目の身体検査の時間になった。
普段からふざけ合ってスカートめくりゴッコをしている仲ならともかくとして、普段は体育の授業での着替えでしかクラスメートの下着姿を見る事は無い訳で、それが1時間はずっと下着姿になるという事から、誰もがこの身体検査がある日はおしゃれなものを身に着けて来ていた。それなりに胸が膨らんでいる者はちゃんとそれなりに優しく乳房を包み込むタイプのブラだし、スポーツ大好きな者は堂々とスポーツブラにしていた。また、別に初等部では校則がさほど厳しい訳でもないので下着の色については特に規定は無かったので、普段の白一辺倒とは違ってクリーム・イエローとかライト・ピンクとかサックス・ブルーとかミント・グリーンといった極淡い色の下着を着て来た者もちらほらいた。まあ、いずれにしても、ブラとパンティはおそろいのセットとかよく似たタイプの物を合わせていた。
「それ、結構高そうなんじゃない?」
「うん、頑張ってママにブランドものをねだって買って貰ったんだ」
「あれ?何、そのひもパン・・・ほどけたらどうするのよ?」
「残念でした、そう見えるデザインなだけだもん」
とあちこちで互いのブラやパンティをやいのやいの言ってる声が聞こえる中で、ユイコも制服を脱いでちゃんと折りたたんで椅子の上に置いてその椅子を机の下に入れると・・・
「ちっ・・・チンコのやつ、またプリティキューンのキャラパンを穿いてくるかと思ったら、オシャレなハイレグパンティを穿いてきやがった!」
「つまんねーの!」
「何、勝手にハイレグパンティなんか穿いてんのよ!」
「チンコのくせに生意気!」
ユイコの下着姿を見た例の残念なイジメっこ達がまた絡んで難癖をつけようとしてきたが。
「ぷぷぷ・・・アンタ達、人の事とやかく言う前に、そのダサイ下着を何とかしたら?」
イジメっこ達は上下はちゃんとお揃いにしていたが、黄色の小花とか赤いハートマークとか青い水玉とか緑のマスカットとかが散り嵌められている、今時流行らないデザインのものだった。
周囲に笑われてイジメっこ達はうぐぐ・・・とか、グギギ・・・と言った表情だったが。
「本人が好きで着ているのならそれでいいと思うけど・・・」
自分に対して的外れも甚だしい難癖を付けてきたそのイジメっこ達に対するユイコのその予想外の言葉に、当のイジメっこ達は勿論、周囲のクラスメートも思わず口を開けたまま絶句した。
「はい、そろそろ移動の時間ですよ~。全員廊下に出席番号順に並んで下さい」
ちょうどその時、担任のサヤが入り口のドアを開けて声を掛けてきたので、ユイコとカオリを除く一同はフリーズ状態から解凍されて、廊下に並び始めた。転入してきたユイコは当然出席番号は最後になるので最後尾だ。
そのまま一列縦隊でブラとパンティだけ(+靴下)を身に付けたJS6達は静々と―――他のクラスは授業中なのだ―――移動して身体検査を行う会議室―――保健室ではベッドが置いてあるせいで手狭なのだ―――までやってきた。
検査するのは身長・体重・座高・胸囲・聴診の他に視力・色覚・血圧・問診など・・・。当然一か所に全員が並ぶと待ち時間が長くなるので、いくつかのグループに分けてからローテーションで各検査を行っていく。しかし、去年より身長が伸びたとか胸囲が大きくなった事には喜んだり体重が増えたり座高が大きくなったりする事にはがっかりしたりと一喜一憂が喧しい訳だが・・・。
“あれ・・・あの人・・・”
座高と胸囲を担当している保健医―――養護教諭一人では手が回らないので中等部や高等部や他の医療機関から手伝いや応援が来るのだが―――の中にユイコは見知った者がいた。それは、サトミの親友でユイコにアヌス専用ディルドをプレゼントしてくれた、イツコだった。しかし、その時が来るまでユイコになぜイツコがここに来ているのか、その本当の理由に気付く事ができる訳も無かった。
低学年や中学年と違って第二次性徴も迎えている高学年、特にJS6ならば、良く言えばおマセ、悪く言えば色気づいたコもいる訳で、胸囲測定の際にサービスでウエストやヒップも含めてスリーサイズを測定して貰う事が慣例となっており、バストが去年より大きくなった、でもウエストも大きくなった、だけどバストやヒップとの差が大きくなったあるいは小さくなった―――前者だとよりプロポーションがグラマラスに近くなり、後者だとそれがズン胴に近くなる訳だ―――という事でこれまた一喜一憂の悲喜交々が有る訳だ。
ちなみにユイコに対するイジメっこ達はみなズン胴に近づいて嘆いていたが、それに対しユイコを理解してくれているクラスメート達、中でもカオリはよりグラマラスに近くなった度合いがクラスで1番で喜色満面の笑みを見せていた。
そしてユイコと言えば・・・今年になって女のコとして転入してきた訳で、去年は男のコだったので、変化の度合いがわかる筈も無く、一喜一憂のしようも無かったが・・・。
「はい、じゃあ、次はヒップね」
別にイツコはユイコにウインクしてきただけで以前からの知り合いであるような素振りは見せてはおらず、淡々とバストを測りウエストを測りそしてヒップを測ろうとメジャーを回したのだが・・・。
「うーん・・・えーと・・・これじゃあ、上手く測定できないわね」
「えっ?」
「だって、パンティの前が膨らんでいるでしょ?だからこの上にメジャーを当てても正しい測定値が出ないのよ」
確かに、ユイコのハイレグパンティは中のフル勃起したオチンチンを格納しているせいでお腹にぴったりしておらず前に膨らんでいる。その上からメジャーを回しても、オチンチンが邪魔して正しい数値を測定できない訳だ。
「ちょっと前の方だけ、パンティをズリ下げて貰えるかしら?そうしないと上手く測定できないわ」
「ええっ!そ、そんな・・・」
そんな事をすれば、ユイコのオチンチンが見えてしまう。サトミ以外には見せたくなかったからサヤの穿いてたハイレグパンティを穿かせて貰ったのに・・・。
「はい、パンティを降ろして」
「い・・・嫌です」
「どうして?」
「だ、だって・・・その・・・・・・・・・オチンチン、見えちゃうもの・・・」
「別にいーんでないの?減るもんじゃないし、若っかいんだしぃ」
そんなセリフを吐くのはサトミぐらいかと思っていたが、やはりサトミの知り合いてゆーか悪友らしいイツコはどうやらサトミの意を汲んでここに来ていたらしかった。つまり、せっかく丈の低いビキニパンティを穿かせて身体測定でオチンチンをご開帳・・・じゃなくてご披露させちゃおうというサトミの意向を知ってか知らずかユイコがそれに反する行動を取った場合―――つまり、今回のようにサヤのハイレグパンティを借りてオチンチンを隠そうとした事等だ―――への備えとして保健医の資格を持つイツコがここに送り込まれたようだった。
「それに、要するに貴女のオチンチンはクリトリスが人より大きいという事でしょ?だったら、同じ女のコなんだから別に身体の一部分の大きさで悩んだりしたって仕方ないでしょ?それも貴女の個性の一つ、という事に過ぎないんだから」
同じ女のコ・・・というくくられ方をしてしまったら、ユイコも女のコと認められている以上、それを自ら否定する事はできないし、同性という設定である以上、恥ずかしいと言うのもおかしい。銭湯や温泉など、そしてその前段階の更衣室などで同性に裸体を見られるのを恥ずかしがるなんてありえないのと同じである。
「で、でも・・・みんな・・・こんなの見たくないと思うし・・・」
自分のオチンチンを見たら、今まで自分を女のコとして受け入れていたクラスメート達が拒絶反応を起こすのではないか、それがユイコの一番の悩みだったが。
「なんだ、そんな事気にしてたんだ・・・ユイコさん、安心して」
ユイコのすぐ後ろにいたカオリが笑い掛けてきた。
「どっちかと言うとね・・・みんな、ユイコさんのオチンチンを見てみたい、って思ってたのよ」
「ふえっ!?」
「だって、つまり、それって男のコのオチンチンと同じモノなんでしょ?だったら、それを見てみたいって思うのは女のコとして普通なのよ。エッチなコだと、オチンチンを舐めてみたいなんて言うコもいるけどね」
「女のコなら、せめて死ぬ前にチンポの一ナメでもしておきたい、なんて思うのは当然の事なのよ」などとサトミが言っていた事を思い出したユイコは一瞬納得しかけたが。
「ほらね。気にする事なんて無いのよ」
等と勝手に決めてイツコはいきなりユイコのハイレグパンティを引き下ろしてしまった。
「やっ・・・やあぁん・・・」
フル勃起していたオチンチンがパンティの締め付けから解放されてぷるんと震えてしまったので、ユイコは慌てて両手で隠そうとしたが、その前にカオリがユイコの手を掴んで封じてしまい、その隙にイツコはメジャーを回してユイコのヒップを測定した。
「ついでだから、チン長とチン径も測っちゃいましょう。ちゃんと保護者に報告する必要があるしね」
言うが早いか、イツコはそのメジャーを今度はユイコのオチンチンの根本からまだ皮被りの亀頭部の先端まで当てて長さを測ったり、茎の中程で巻き付けて周長を測ったり―――周長をパイ・・・と言ってもオッパイのパイではなくて、円周率のπの事である・・・で除すると直径が算出される訳だ―――してそれを記録してしまった。そしてすべき事を全て終えるとすぐにハイレグパンティを引き上げてユイコのオチンチンを包んであげた。
幸運にもユイコのオチンチンを一瞬でも目撃できたのは、すぐ傍にいたカオリを始めほんの極僅かな人数だけだった。
「はい、オシマイ。次の人~」
「もう、カオリさんったら!」
「一瞬だったでしょ?注射みたいなものだから、気にしても意味無いって」
ユイコはカオリに少々抗議したが、確かにカオリの言葉のとおりに一瞬―――1分もかかっていないので所謂「秒殺」?―――で終わってしまった訳で、終わってしまった後では始まる前よりも気分が楽になってしまっていたので、怒ったと言ってもその顔は笑っていた・・・。
「サヤ先生、有難う御座いました。なんとか、身体検査を終わりました」
「そう、それは良かったわ。じゃあ、またパンティを元通りにしましょ。先生も、ユイコちゃんのパンティがちょっと小さくて、ずっとドキドキだったんだから・・・」
ユイコがサヤに身体検査を無事に乗り切った事を報告しに行くと―――ちなみに今度はもうカオリが心配して同道する事は無かった―――サヤもほっとして自分の気持ちを正直に打ち明けてきた。
「・・・どうしてサヤ先生がドキドキするんですか?」
まあ、その主な理由は、今サヤが身に付けているビキニパンティは最初ユイコが穿いていたのだから、当然その内側にはユイコのオチンチンが触れていたという事から、間接キスみたいにパンティを介してユイコのオチンチンと自分のオマンコが接触し合っている、と言う状態だった事が99.89%を占めていた。残りは、そのパンティがやはりコドモ用だったので大人のサヤが穿くとけっこうなローライズになってしまっていた事だった。
「だって、ビキニパンティとは言っても、コドモ用だからサイズが合わなくて・・・ほら」
サヤは何故か何となく上機嫌のようで、ユイコに言いながら自分のスカートを捲ってお尻を見せた。確かに、コドモ用のビキニパンティでは大人のお尻を十分にカバーできず、サヤのお尻の割れ目は半分強は見えてしまっていた。
「わ・・・サ、サヤ先生・・・お尻・・・見えちゃってます・・・」
「これ以上、上に引っ張るとゴムがダメになっちゃいそうだからこれでずっと我慢していたのよ」
ユイコがサヤのハイレグパンティを穿いてオチンチンを全て覆って安心していた間、サヤはお尻の大半―――勿論それは後ろだけであって、前の方だとアンダーヘアの上の方が見えてしまっているという事にユイコは思い至らなかった。また、サヤも相手が身体は男のコでも心は女のコという存在であっても何故か女装してオチンチンをフル勃起させてしまっている、ある意味変態美少年である事を考慮して、流石にスカートの前をめくってアンダーヘアの一部が見えてしまっている様を見せつける訳にはいかないと熟慮しての行動だった―――が見えてしまっている状態・・・まあ、スカートを穿いてるから別に見られる心配は皆無だったが・・・だったという事を知って、ユイコは・・・。
「あ・・・ご、ごめんなさい、サヤ先生・・・私だけ、安心してしまって・・・」
「うん、まあ、とにかく、パンティをちゃんと交換しましょうね」
という訳で、二人のパンティはちゃんと元の持ち主の股間と下腹部の所に戻ってきた。サヤもこれで一安心・・・心の中のほんの0.11%では少々残念な気分もあったようだが・・・できた。が、ユイコは少々不安な面持ち。何しろ、ビキニパンティではユイコのオチンチンは全部隠せずにいたので、風が吹いてスカートの前が翻ったりあるいはふざけてスカートめくりされようものなら、オチンチンが上半分は見られてしまう可能性が有るからだ。
「あ、それから・・・保健医のイツコさんから報告があったんだけど・・・ユイコさん、チン長とチン径も測って貰ったんですってね」
「そ・・・それは・・・あ、あの・・・その・・・」
「あ、いえ、別に怒ってるのではないのよ。それに、悪い事でもないし」
サヤは自分の言った言葉でユイコが顔を真っ赤にしてあうあう状態になってしまったのを可愛らしく想いながらも話を続けた。
「まあ、大事な話だから、ちゃんと聞いて。一応、ユイコさんは女のコとして扱っているけど・・・オチンチンが付いてるので身体はやっぱり男のコなワケ。だから、オチンチンが勃起する事は何もおかしくないの」
性同一性障害―――身体は男、心は女―――という事でも、では女のコとしての衣類を身に付けてペニスが勃起してしまうのは女装フェチという性的嗜好からと思われるので、心が女のコと言う設定としては少々おかしな事象であるのだが、まだ小学生の女子や男子では理解しにくいだろう。しかし、ユイコはそんな状態―――オチンチンが四六時中フル勃起―――であっても決して男のコのような性的欲望をクラスメートである女子に向けてくることは決してなかったので、カオリを筆頭にクラスの女子の圧倒的多数はユイコを「少々変なコ」と認識はしているが、ちゃんと女のコとして受け入れてくれている訳だ。
「それでね・・・将来、ユイコちゃんが本当に女のコになるのか男のコに戻るかまだわからないから・・・やっぱりちゃんと男のコの身体としても検査すべきという事で・・・まあ、チン長とチン径も測定したそうよ」
「あ・・・はぁ・・・」
まだユイコは恥ずかしさが大きくて気の無さそうな返事だが、サヤの方も少々気恥ずかしさがあるのか、出てくる言葉は少々滑らかさに欠けていた。
「それで・・・イツコさんからの言伝なんだけど・・・今日はオチンチンがフル勃起した状態での数値だったので・・・オチンチンが萎え萎えの時のデータも必要です・・・」
「ふぇ?」
「まあ、つまり、その・・・萎え萎え時とフル勃起時のオチンチンのサイズの違い・・・膨張率って言うそうだけど・・・そんなデータも必要だと・・・そんな訳で、家に帰ってオチンチンが萎え萎えになったら自分で長さと太さを測ってきてほしいって・・・」
「は・・・はぃ・・・」
教室に戻る道すがら、ユイコはふと思い返してみた。
“私・・・オチンチンが萎えてる時間ってあったっけ?”
朝から寝るまでずっとフル勃起しっぱなしで萎えてる状態なんて無かった筈である。就寝前にサトミにオモチャにされて歓びと微睡みの間に眠りに落ちて、朝起きると朝勃ちしている事から、きっと寝ている間―――勿論、ベビードールというセクシーランジェリーを寝間着にしているのでしっかり女装している―――さえもフル勃起したままだろう。女装で性的興奮してオチンチンをフル勃起させてしまうユイコが女のコとして暮らしている以上、一日24時間つまり一年365日、寝ても覚めてもオチンチンはフル勃起している筈である。
女装しない時間は、例えば水着に着替える時は裸になるので瞬間的に女装していない事になるが、だからと言ってすぐにオチンチンが萎え萎えになる筈も無く、結局フル勃起したまま水着を着る事になるのだ。勿論、水泳の授業が終わってまた制服に着替える時も同じである。あとは、お風呂に入っている時間は確かに裸だから女装はしていないが・・・その後のサトミとの交合が待っているのでそれを期待しているせいで萎え萎えになる筈も無かった。
“・・・まあ、サトミさんに相談するしかないよね・・・”
と言っても、サトミこそがユイコを変態女装小学生に仕立て上げた存在なのだが・・・。
その日も授業が終わりHRの時間になって、サヤは今日の身体検査についてユイコやカオリを始めクラスの全員にコメントした。
「今日の身体検査で、みなさんも一喜一憂した事があったかもしれません。でも、まだまだみなさんはこれから成長し大人になっていくのですから、その事をいちいち気に留めたりしてはいけませんよ。また、人それぞれとか十人十色というように、自分と他人とで何か違いがあるのは当然です。むしろ、同じだったりするのはただの偶然です。ですから何かを悩んだりする必要は無いし、誰かをどうこういう事は恥ずかしい事だと思って下さい」
人より胸が大きい事を自慢に思ったり優越感に浸ったりする事は控えるべきであり、自分より胸が無いとか体重が重いとかで誰かをpgrする事等もってのほかという事だ。
「えー、それから・・・猪狩さんの事ですが・・・猪狩さんが特殊な「女のコ」だという事はみんなわかってますね?でも、それには事情が有るのです。だから、家に帰って家族の方に面白おかしく話したりする事は絶対にしてはいけませんよ」
そこまではクラスの誰もがちゃんと話を聞いていたのだが、誰かが挙手してサヤに質問してきた。
「先生・・・猪狩さんにはオチンチンがついてる事もですか?」
その途端、クラス中が「きゃ~」とか「や~ん」とか、嬉し恥ずかし気な嬌声に包まれた。
「実は私・・・身体検査の時にさ・・・ちらっと見ちゃったんだ・・・」
「え?な、何を?」
「わかってるくせに・・・」
「いいから言いなさいよ」
「猪狩さんの・・・オチンチン・・・」
「ウッソ~」
「いいな~」
「うらやまし~」
「そ・・・それで・・・どうだったの?」
「えっと・・・ぴんっ・・・って、上向いてて・・・確かに肉の棒なんだぁ・・・ってカンジ?」
「何が肉棒よ、このスケベ!」
「でも、ちゃんと見るだけでも経験していた方がいざと言う時に怖気づく事ないからいいよね」
やはり異性の身体、性器に興味津々なお年頃でもあるし、男子の目が無い所だとおしとやかさを放り捨てるコが多いようだった。
勿論、おしとやかさを決して捨てたりしないコもいて、その代表がカオリで、さらにユイコのオチンチンの話で盛り上がると言う、ある意味ユイコを針の筵に座らせているような状態になってしまったのが許せなくて、思わず立ち上がってクラス委員長権限で静粛にさせようとした正にその時。
「静かにしなさい!!」
サヤが黒板をバンバン!と叩いたのを見て―――今までサヤがそこまで声を荒げ、威圧するような素振りを見せた事は皆無だった―――誰もが一斉に口を噤んだ。
「お年頃の貴女達が男性器に興味があるのはわかります。それをいけない事とは言いません。でも、だからと言って、クラスメートの一人を話のタネにして盛り上がっている事がどういう事か、貴女達はわからないのですか!?」
サヤの剣幕に、誰もがユイコのオチンチンの話でノリ過ぎた事を後悔して言葉を失った。
「・・・それは・・・猪狩さんを辱めている事だと思います」
サヤの詰問に冷静に答えを返したのはカオリだけだった。
「そう、凪野さんの言うとおりです。確かにユイコさんにはオチンチンが付いています。身体は男のコである事は事実です。でも、貴女達が思う男のコのような素振りをした事がありますか?」
それは全く無かった。男のコはスケベだから、スカート捲りしてパンティを見ようとしたり、あるいは女子の着替えを覗こうとしたりする・・・そういう男子に対するごく普通の知識・イメージもちゃんと誰もが持っていた。しかし、ユイコがそんな男子と同様な行動や態度を取った事はただの一度も無かった。女装してオチンチンをフル勃起させてしまうという身体の反応はさておいて、ユイコの心が女のコだという事は誰もがわかっていた。
「・・・猪狩さん、ごめんなさい・・・」
「な、凪野さん!?どうして貴女が謝るの!?」
いきなり自分の傍に来て頭を下げたカオリにユイコは驚いて目を丸くした。
「・・・私はクラス委員長だから・・・クラス全員を代表して謝るわ・・・」
「そ、そんな、いいってば、さっきのサヤ先生が言ってくれてみんなわかってくれたと思うから、それだけで私は十分だから・・・」
カオリのクラス委員長としての見事な対応で、騒ぎは丸く収まった。勿論、誰かの質問・・・ユイコにオチンチンが付いている事も家族に話したらいけないのか?・・・についても、「他言無用」という事が周知された。
だが、これで事件が全て解決したという事では無かった。
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