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【9】-12

 離さない。  離れない……。今だけは、この人を自分のものにする。 (罰なら、後でいくらでも受けるから……。だから……)  神様――……。 (誠司さんを、ください……!)  きつく抱き返されて、骨が軋む。何度も強く深く口づけられて、舌が痺れる。千春の好きな、節の形が美しい長い指が、千春のぬめりをまとってその場所を暴いてゆく。押し広げられ、引き攣れる感覚に涙が溢れ、息が乱れた。 「あ……、あ……っ」 「大丈夫か?」  涙に濡れた頬に誠司が口づける。 「だ……、じょ、ぶ……」  必死に笑みを浮かべて頷いた。次の瞬間、身体が跳ねるほどの強い愉悦が全身を貫いた。 「ひあ、あ、あぁ……ん」  いや、とかぶりを振って腰を逃がそうとするが、誠司の手がそれを引き止めた。千春の背中を強く抱き、もう一方の手で、たった今触れた場所を再び擦る。 「あっ! あぁ……、ダメ……!」 「ここが、いいのか?」 「あ、ダメ……そこ、あ、ぁ……」  刺激を受けるたび跳ねて逃げようとする身体を押さえ、誠司は執拗にその場所を攻め始めた。全身を駆け抜ける強い愉悦に千春の身がよじれる。抑えきれない嬌声が天井に放たれる。 「あ、あ、あ……っ」  下肢が再び熱を持つのを感じた。芯を持って勃ち上がる自身に気付いて千春は目を見開いた。 (う、うそ……)  こんなに立て続けに勃起したことなどなかった。月に数度、身体の仕組みとして処理するだけで、そんな時に誠司を想ってしまうことがうしろめたくて……。 「ああ……っ、ダメ……お願い……」  腰が勝手に揺れる。 「あ……、あ、んぅ、あぁ……っ」

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