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【9】-13

「くそ……っ」  突然、指での刺激が奪われ、失くしたものを追うように腰が揺れる。すっかり勃ちあがった千春の中心が、解放を求めて小刻みに震えていた。 「千春、もう限界だ……」  綻んだ入り口の襞に、指とは違う硬くて熱いものが押し当てられた。 (ああ。誠司さんが……) 「もう無理だ……」  掠れた声で小さく叫んで、誠司は熱の楔を襞の間に突き立てた。つぷりと丸い先端がのみ込まれる。 「あ……っ」  先端を含むと、狭い場所を押し広げるように、太いものがゆっくりと奥に進んできた。 「あ……、入って……くっ、あ。あっ! い……っ、痛、んんっ! うぅ……っ」  ひい、と喉が鋭く鳴った。押し開かれる痛みと異物感と、その中にさえ潜む悦楽の欠片とが、一つの波になって千春を襲う。 「や……っ、あぁ……」 「悪い……っ。千春……、もう、限界なんだ」 「あ、あ、あぁ……、んん……っ」  大きく開かれた足の間に誠司の腰が埋め込まれる。受け入れた場所が引きつれるように強張り、股関節と腰の骨が砕けて身体が二つに裂けそうだった。  辛くて痛くて苦しい。  なのに、その全部がどうしようもなく嬉しかった。  誠司を受け入れた痛みに、胸の奥が幸福で満たされてゆく。  深く貫かれ、揺さぶられ、千春の奥まで入り込んでくる誠司の欲望を、霞む意識の中で必死に掴み取る。  ずっと、こんなふうに、一つになりたかった。  誠司が欲しかった。  二度と許されなくても。  千春を見下ろす誠司の額に、真珠のような汗が浮かんだ。荒い息を吐き、ゆっくりと身体を揺らす。濡れて張り付いた前髪に手を伸ばすと、愛しさで胸が震えた。

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