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【12】-7

 人の人生で遊ばないでほしいと抗議すれば「誠司は大事な親友だけど、千春は妹みたいなものだから」と返される。そこは、せめて弟で、と思うが 「千春の幸せが、俺の願いだ」  にこりと微笑まれれば、何も言えなくなった。  新緑に染まり始めた桜並木を窓から見下ろす。通りの先のビルから、遅番勤務の雑貨店スタッフがこちらに向かって歩いてくるのが見えた。  白いドアを押して、資料を抱えた不動産屋の女社長が店に入ってくる。  千春は笑顔で声をかけた。 「いらっしゃいませ」  金井の声が重なり合って、朝の店内に明るく響いた。

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