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【13】-1
見慣れた天井がふっと遠くなり、古いフレームがギシッと音を立てた。
「あ、あ……ぁ、……」
狭いシングルベッドの上で、誠司に貫かれていた。
開いた足を高く上げ、ゆっくりと前後する腰の動きに合わせて千春も揺れる。フレームの軋みが、淫らな悦びに拍車をかける。
ギシ、ギシ、と。
「あ……。あ……、ん……」
母が関西に出張になったこの日、誠司は久しぶりに千春の家に泊まると言った。一緒に食事を作り、食べて、交替で風呂に入った後で千春の部屋のベッドに横たわった。
子どもの頃から使っているベッドは、大人二人で寝るにはさすがに狭かった。
ぴたりと身体を寄せて、幼い頃と同じようにとりとめのない話をした。
有栖川が現れて、『千春はもう子どもじゃない』と金井に言われたこと、相手が男だと知り、混乱し動揺したことを誠司が打ち明ける。
「千春もいつか大人になる、いつか誰かのものになる。それはわかってたはずなのに、いざ、現実になると、どうすればいいのかわからなくなって、途方に暮れた。しかも、相手が男とか……」
「全然、そんな感じしなかったよ?」
「全然、会わなかっただろう?」
忙しかったのは本当だけれど、自分の考えを整理する時間が欲しかったのだと誠司は言った。
「年の離れた、同性の従兄弟だぞ? 風呂に入れてやったり、こうやって抱いて寝てやったりした、七つも年下の、小さかった従兄弟なんだ……」
そんな相手に何ができる?
ため息混じりに呟く。
「それでも、千春が有栖川といるのを見たら、居ても立ってもいられなくなった。あいつに取られると思うと、我慢できなかった。千春が幸せなら、百歩譲って相手が男でも構わない。そう自分に言い聞かせていたのに……」
身体が勝手に動いていた、頭に血が上って、自分が何をしているのかわからなかったと言う。
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