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【13】-4
誠司の手が寝間着代わりのTシャツに忍び込む。背中を撫で、覆いかぶさるように姿勢を変えて、Tシャツの裾を持ち上げる。
千春の白い胸があらわになる。
「限界だったんだよ……」
誠司の唇が肌に触れた。所有の証を小さく刻む。
千春は唐突に、あの夜のことを思い出した。
――ダメ。
誠司に抗って、千春は半泣きになっていた。涙をためて首を振る千春の肌に、誠司が赤い印をいくつも刻んだ。
「まだ、十四になったばかりの子どもを相手に……」
誠司の唇が、白い肌の上を移動する。
「おまえは……、泣きそうな顔で、俺を見ていた。それでも、やめてやれなくて、こんなふうに……」
――ダメ。そんなことしたら……。
きつく肌を吸い上げられて、下肢に熱が集まってゆく。
「誠司さん……」
「そしたら、おまえが『いい敷物なれなくなる。だから、赤くしないでくれ』って……。それが、あんまり思いがけない言葉だったから、俺は、なんとか踏みとどまれたんだ」
「覚えてる……。ううん」
思い出した。
「うん?」
「あの時、僕……」
千春が怒ったのは、よい敷物になれないと思ったからではなかった。自分の身体の反応に驚いて、それを隠すためにそんなことを言ったのだ。
「あの時、おちんちんがヘンな感じになって……、それを誠司さんに知られたくなくて……。だから……」
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