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【13】-8
「あ、あ……」
「はぁ……」
荒い息を吐きながら、恍惚と目を閉じて、残滓を吐き出す誠司の身体を味わう。
奥深く埋め込まれたまま、一度やわらかくなった誠司のものが、すぐにまた硬度を取り戻して千春の中を行き来し始めた。
「あ、誠司、さ……ん?」
「足りない、千春」
ギシッとフレームが鳴く。
「もっと……」
「あ、……」
再び始まる活塞に、千春の心臓が高鳴る。愛しい身体に腕を回し、揺らされるまま身を任せ、声が嗄れるまで嬌声を上げて、何度も、何度も抱き合う。
長い長い春の、受け取り損ねてきたたくさんの贈り物。
その輝く宝石を、全部一度にまとめて享受するかのように、欲深く。
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