嵬仁丸の舌が、佐助の全身を余すところなく舐めつくす。 しみ一つなかった美しい肢体についていた縄の縛り傷や日差しで焼け爛れた水ぶくれの痕はほぼ消えたが、それ故目立つ醜い二つの銃創に嵬仁丸は眉根を寄せる。 だがふたりで生き延び、こうしてまた交わり合えるまでになったのだから良しとしなければな。 嵬仁丸はその傷跡にも優しく舌を這わせる。 天井から落ちてくる淡い月の光の中でも、このところ青白くさえ見えていた佐助の肌がうっすらと赤みを帯びているのがわかる。舐めしゃぶられた両の胸のしこりはつんと尖り、淡い茂みから勃ち上がった雄芯も硬く張り詰めていて、確かに佐助は回復しているのだと嵬仁丸を安堵させた。 赤い肉茎につうと指を添わせれば、ぴくぴくとそれは震え、てっぺんから熱い蜜液をとろりと垂らす。 「はぁ……」 色っぽい佐助の溜息が嵬仁丸の耳をくすぐる。もっとそれが聞きたくて、淫液を舐めとるように昂りに舌を這わせる。 「あぁ……ん……嵬仁丸様の舌が……あぁ……熱うて……んん……」 「気持ちよいか？」 頬を上気させた佐助がこくこくと頷く。 ああ、なんと可愛い顔だ。もっとその顔をとろとろに惚けさせてやりたい。 じゅぷとわざと音を立てるように屹立を口の中へ迎え入れると、佐助の口から嬌声が漏れた。長い舌を幹に絡め、敏感な所を擦るように蠢かせる。 「はぁ、熱い……あっ……そんなにされたら……久しぶりじゃから、我慢がきかんの……あ、あっ……嵬仁丸様……」 佐助は余裕のない表情を真っ赤に染め、口の中の昂りは刺激にびくんびくんと反応する。 愛(う)いやつめ、ああ堪らん。お前の良いところはもう全部知りつくしている。存分に感じるがいい。 「はっ、あ、ああ、嵬仁丸様っ、もう……だめじゃ……」 佐助の声がいよいよ上擦り、口の中の男芯も嵩を増す。 一滴残らずお前の物は飲み干してやる、さあ、ゆけ。 追い詰めるように扱き、擦って吸い上げ攻め立てる。 「ああっ、かいじん、まる……さまぁ……」 佐助は小さく叫びながら腰をびくつかせ、嵬仁丸の口の中に熱い欲望を放った。 「はぁ、嵬仁丸様……」 褥の上にくたりと身を横たえた佐助が、まだ整わぬ息で嵬仁丸を呼ぶ。 その額や頬を優しく撫で、脱力した肢体に夜着を着せようとする嵬仁丸に佐助は目をしばたいた。 「これで今宵はすぐに眠れるだろう」 途端に佐助の唇が尖る。 「嫌じゃ」 そう言うと嵬仁丸の手から夜着を取り上げ、放り投げた。そして嵬仁丸の体をぐいと引き寄せ抱きついた。 「んふ、肌をじかに合わせるっちゅうのはなんとも温こうて、ほっとして心地ええやね。そんで、こうやっていっぱい嵬仁丸様の匂いを嗅ぐんがおらは好きじゃ」 嵬仁丸の喉元に自分の鼻を押し付けすーはーすーはーと深呼吸をする。 「もちろんこれだけでも嬉しいんじゃけど……まだ、足りんの」 がっちり嵬仁丸の背中に回した手を緩めず、佐助は脚をもぞもぞと動かした。 「それに、これはどうするつもりなん？こんげに熱うなっとるけども？」 両の腿で一物を挟むようにされて、嵬仁丸は「くっ……」と小さく呻き声を漏らした。 「嵬仁丸様、心配せんでも大丈夫じゃから。おら、早う嵬仁丸様と繋がりたいん……」 甘えた声で囁かれ、途端に佐助の腿に挟まれた雄の象徴がむくむくといっそう嵩を増し昂った。それを直に感じて佐助は「はぅん」と色めいた息を漏らす。嵬仁丸は嵬仁丸でふうーと長い息をついた。 「まったく今宵のお前はえらく煽るな。くらくらするぞ」 そういって苦笑すると、あっという間に佐助の体をころんとうつ伏せに転がした。佐助が膝を立てて腰を上げようとすると、「痛むだろう、そのまま伏せていろ」と制し、両足を広げさせる。佐助の小ぶりの尻を大きな両手ですっぽり包むように掴んで割り開いた。 そこからは佐助がぐずぐずになって「はぁはぁ……なぁ……もう十分じゃろ？」と目を潤ませるまで、舌と指で丹念に準備を施した。