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誘惑*性描写
反り返ったペニスの先は潤み、クセルの手は溢れ出た透明な液体をぬちぬちと塗りつけるようにして愛撫を施す。他人の手による刺激に慣れていないのか、ツチラトは信じがたいものを見るように目を見開き、腰をびくびくと震わせた。
「は、ァ……っ、やめ、……や、あ、ッ」
「生娘みたいに敏感ですね、ツチラト殿」
薄い唇を引き結んでも喉から零れる声は抑えきれず、ツチラトは上擦った喘ぎを漏らしながらフリードの前で身悶えた。秀麗な顔は堪えるように顰められ、汗の滲んだ額に金糸が張り付く。ペニスには血管が張り、クセルの手の中で震えている。
悶える青年の姿を見上げながら、次第に自身の呼吸も荒くなっていることにフリードは気づき始めた。
「……っ」
射精する直前で快楽を奪われたまま、ずっと放置されている。だがフリードのペニスは興奮してガチガチにいきり立ち、先端から先走りを垂らしてシャツの裾を濡らしている。自身の精液に濡れた後孔は、目の前で高められている青年のものを期待して、何もない空虚な肉壁をきゅうっと締めつけた。
熱の孕んだ金色の目に気づいたクセルは、意地悪く唇の端をつり上げながら、天に頭を向けるツチラトのペニスの先を爪の先で軽く弾いた。
「ひあっ!?」
「物欲しそうにしてますね。この坊っちゃんのもの、入れたいですか?」
クセルの問いに、フリードは素直に首肯する。この際誰のものでも、何でも構わない。身体の奥の疼きを止めてくれるのであれば。
「どうしますかツチラト殿? 入れてあげます?」
「入れる訳、ないだろ……ッ」
「だそうですけど?」
憎悪と劣情の炎を灯した瞳が見下ろしてくる。その視線でさえ、皮膚の上をそろりと這いずる悦楽にすり変わる。
フリードは腕を動かし、自身のペニスを強く扱き上げたい欲を抑え、奥の窄まりへと手を滑らせた。入り口に指を這わせると、ぬちゃりと粘着質な水音がする。
すでに丹念に解された孔へ二本の指を差し入れ、柔らかく濡れた中を探る。きゅっと締め付ける肉壁に抜き差しし、指同士を広げると空気に触れた粘膜が収縮する。赤色が覗く熟れたそこに視線を感じ、甘い痺れとなって背骨を駆ける。
「隊長の中、あったかくて、柔らかく溶けてるのにぎゅっと締め付けてきて、入れたら気持ちいいんだ。自分で擦って射精するより、何倍もいいですよ」
ペニスを弄びながら、ツチラトの耳元でクセルが甘く誘惑して唆そうとする。悪魔の囁きだ。内臓に触れる自分の指の感覚に腰を揺らしながら見上げると、男の言葉を想像してしまったのか、性経験の浅そうな青年は熱い吐息を繰り返す。
「絶対、嫌だ……ッ」
「本当に? 隊長のいやらしいとこ見てガチガチにしてるのに?」
「それは、人狼のフェロモンのせいだろ……!」
「何だっていい。あんたは隊長に欲情してる。入れちまいなよ」
うわ、と短い悲鳴が降ってくる。膝立ちの状態から肩を押され、倒れたツチラトがフリードの身体に覆い被さる。熱く猛ったペニスはフリードの内腿をずるりと滑り、鈴口から溢れる先走りで褐色の肌を濡らした。
鼻の先にある、紅潮した白い肌。生理的な涙に濡れた青い瞳は驚きに見開かれ、息を潜めるように薄い唇を引き結んでいる。この初々しい反応を見せる青年の一物は、フリードの下肢に押しつけられたまま震えている。
入れて欲しい。そうしたらこの延々と続くかのようなもどかしさから解放される。
フリードはツチラトの耳元にぐっと顔を寄せ、低く掠れた声で囁いた。
「お前のでぐちゃぐちゃにしてくれよ……」
ぐび、と喉が嚥下する音が聞こえた。内腿に当たる青年の屹立を手探りで鷲掴み、くびれを指で絞る。血管が浮き出たペニスは熱く、十分な固さを持っている。これで中を突かれたら。
「くそ……っ」
耳元に囁かれた短い罵声に入り交じる憎悪と欲情。
ツチラトが身を起こし、ひくひくと収縮する後孔の入り口にペニスを押し付ける。身構える間もなく、高められた熱塊はずぶずぶと肉を割って入ってきた。
「ん、っ……はぁ、ぁ……!」
空虚なもどかしさが埋められていく感覚に、身体が打ち震える。待ち望んだものがようやく与えられ、熟れた肉がぎゅうっと絡みつく。真上で腰を推し進めるツチラトが切羽詰まった声を落とした。
「……っあ、何だ、これ……っ」
「ね、気持ちいいでしょ? 動いて擦っていいんですよ」
嘘だろ、と熱に浮かされた声を上げながら、ツチラトのペニスが腸壁を擦る。張り出た亀頭が内側を削るのに、爪先をぎゅっと丸めて耐えた。
「っあ、あ、すげ……っ、もっと、突いて、くれ……ッ」
「最悪、だ……っ、こんな、こんなの……!」
悪態を吐きながらもツチラトの腰の動きは止まらず、自らの快感を求めるように抽挿を繰り返し、奇しくもフリードの要求に応えることになる。中へ擦り入れる度に硬いペニスが前立腺を刺激し、下腹に強烈な快感を押し寄せる。求めるようにツチラトのペニスをぎゅっと締め付ける。
「そんな、締め付けたら、……ゃ、あ、――っ!」
ぐっと奥まで腰を押し付けたツチラトが動きを止めて声を飲み込む。中に埋まったペニスが震えて先端からびゅうびゅうと温かい液体が流れ出るのがわかった。断続的に精液を出しきる間、搾り取るように肉が蠢く。
「もう、いっちまったのか」
「ッ……」
「俺は全然、足りてねえぞ……っ」
達したばかりだというのに、ツチラトのペニスはフリードの中で再び硬度を取り戻し始める。芯を持つ自身のものにツチラトは狼狽して息を飲み込んだ。
「俺、また、何で……ッ」
戸惑いの声を上げながらも緩やかに動き始めた腰遣いに、フリードは恍惚の息を漏らした。熱を溜め込むばかりで達していないのだ。ツチラトが絶頂を迎えずに感じる場所を突いてくれていたら射精することができたのに、堪え性のない青年のせいで再び取り上げられた。
「ツチラト殿、さっき突いたらキツく締め付けられた場所があるでしょう」
「し、らない……」
「真っ直ぐ突き入れて少し腹側に寄ったところです。そこを突いて」
傍らのクセルの言葉に抵抗を示しながらも、ツチラトは言われた通りにゆるりと腰を打ち付ける。すでに十分に硬くなったものの先端が前立腺を叩き、爪先がびくりと跳ねた。
「アッ、あ……そこ……っ!」
一定の間隔で前立腺を突かれ、再び快感が蓄積していく。時折勢い余って前立腺を過ぎて奥までにゅるりと入り込んでくると、開いた口から上擦った喘声が漏れる。
「ひっ、ぁ、あ……っ、ア……!」
同じ場所を何度も穿たれると、反り返って腹の上に涎を垂らすペニスに甘い快楽が押し寄せ、尿道が精液を出したいとせがんでじんと痺れる。堪えきれない衝動が駆け、フリードは声もなくついに絶頂を迎えた。
「は、――ッ」
ペニスの先から勢い良く迸った白濁が、肌とシャツの裾をねっとりと汚す。我慢した分を出しきるかのように、びゅっびゅっと数回に分けて射精する間、フリードは金色の目を伏せて解放感に感じ入っていた。
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