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御中城様との出会い

遊女たちの濡れ場を、修羅場を嫌なくらい見てきた。いずれ客を取らされる覚悟は出来ていた。それが、雪深い越後の地に連れて来られるとは。運命とはまこと不思議なもの。実城に戻った景勝にその後会っていない。お藤に言われるまま湯殿に向かうと、今まで一度足りとも袖を通した事のない真っ白な襦袢が用意されてあった。 湯を済ませるとすぐに寝所に案内された。襖が開いて中に入ると寝間着姿の景勝が寝床の上で口を真一文字に結び胡座を掻いて座っていた。 「別に何もせぬ」 近寄りがたい雰囲気に気圧され、立ち尽くしついると苦笑いされた。そろりそろりと近付き畳の上に腰を下ろそうとしたら、隣に座るよう命じられた。景勝の顔色を伺いながら、おっかなびっくり隣へ腰を下ろすと、不意に伸びてきた手が掌をそっと包み込んだ。 をそっと包み込んだ。 「寒い中の水仕事はさぞかし大変だろう」 次はぶんぶんと首を横に振った。かさかさの霜焼けだらけの手を大事そうに撫でられ更にびっくりした。 「大事な人を義父上に取られ辛い思いをした。それ故そちをどうしても手元に置きたかった。俺の側室なら誰も手出しは出来ぬ」 次は不安げな眼差しを景勝に向けた。 「案ずるな、そちみたいな童に手を出さぬよ。側にいてくれるだけでいい」 景勝はにこりと笑い、次の頭を撫でた。 「嘘はつかぬ。信じよ」 その代わり添い寝をして欲しいと請われ、次は小さく頷いた。

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