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誰よりも御中城様をお慕い申しております

篝火が赤々と空を焦がすほどに燃え盛る。 雪混じりの雨は声なき次の頬を冷たく濡らす。両手は後ろで一括りにされ小姓頭に押さえ込まれ身動きを封じられた。はだけた小袖から覗く雪のような白い肌は男たちの情欲を掻き立てるには充分だった。 (どうかお許しを) 次は大粒の涙を流し許しを乞うた。 「御屋形様にと献上されたのです。即ち御屋形様のもの。潔ぎよく諦めよ」 小姓頭が眉一つ変えず冷たく返した。 屋敷内では、剃髪した大柄の男が左右に多くの見目麗しい小姓を侍らせ、大きな盃に並々と注がれた酒を豪快に呑み干していた。 次は襖の影に隠れている与六の存在に気が付いていた。人を無理矢理さらい、ここへ連れてきた張本人だ。 両手で胸元を開き、茶坊主が顔を埋め赤い小さな実をちろちろと舐め始めた。次は首を横に振り、喉を絞り出し悲鳴を上げた。 小姓頭の手が後ろから前へと滑り込み何かを探し始めた。次は体を捩り必死に抵抗した。そこだけは死んでも人前に晒したくない。 「お待ちくださいませ」 周囲が一斉にざわめき出した。 「我が側室を迎えに来ただけだ」 臣下らの制止を振り払い姿を現したのは景勝だった。烈火の如く怒りを露にしながら御屋形様を睨み付けた。 「一度ならず二度もあなた様は」 「あの者はわしに献上された半陰陽じゃ。どうしようが勝手だろ」 「次は、側室とはいえ俺の大事な人です。それに次の腹にはややがいる」 「ややだと?」 景勝の一言に場は騒然となった。 一番驚いているのは次自身だった。床は一緒でも、まだ一度も契りを交わしていない。

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