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第8話

ベッドで甘い時間を過ごした二人だが、会計時に大変な事を思い出した弦。肝心の金がない!! ということ。「私出すよ」と皐月は言うけれど、女の子に金なんて一銭も出させたくないと思った彼は、やっさんに電話を掛け、前借りを頼んだ。渋々やってきたやっさんを部屋に迎え入れ、怒鳴られる。 「まだ1回も働いてないのに何やってんだお前!」 そう、何度も言うが弦という人物は馬鹿なのである。そしてひょこっと洗面台から顔を出した皐月を見て重大な事実をやっさんが突きつける。 「お、お前……!! 響の妹の皐月ちゃんに手を……! 知らねーぞ! 響を怒らせたらすっげー怖いかんな!! あいつ皐月ちゃん溺愛してんだぞ!! 血を見るぞ!!」 「皐月、お前響の妹か!」 「そうだよ〜」 響がこんな俺でも皐月の彼氏として認めてくれるのか…なんて思う訳もなく、 「今更言うてもしゃーない、大人しく響に殴られるわ」 と、悪びれもなく、どこかあっけらな弦にやっさんは肩の力が抜け落ちて、話を変えた。 「うちで働きたいなら早く身元保証人を出せ」 「おー、忘れとった」 枕元に置いているスマホを手に取り、電話を掛ける。プルルルという、コールが何回かなった後「はい」という声が漏れた。

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