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第9話 脱線する二人。
俺はいったい何をやってるんだ-------
正臣の雄に手を掛けて、ゆっくり指で擦り降ろせば根元近くまで覆った被膜をじっと見てしまう。
一瞬意識が飛んだ様にクラクラすると、その手を離すことが出来なくて、正臣が俺の指ごと掴んで自分のモノを擦り出してもぼーっとしたまま。
――― はッ!
「お、おい!離し、てっ!や、だ!何させるんだッ!!!」
我に返って焦る俺に、正臣は目を閉じたままその感触だけを味わっているようで。
俺の声が聞こえないのか、全く自分の快感だけに酔いしれている。
「マサオミ!」
掴まれたままの指を思い切り振りほどくと、俺は腰が抜けたみたいにそのままベッドの上で尻もちをついた。
なのに、正臣は全然平気な顔で、時折俺の方に視線をやりながら見せつけると熱い吐息を漏らす。
俺は馬鹿みたいに、心臓の鼓動を高めながらじっとその光景を見てしまった。
ドクドクという音が、腹の底から波の様に押し寄せてくる。興奮した。正臣のそんな姿を目の当たりにして、俺は確かに興奮していたんだ。
「はっ、.....ぁあっ、...............」
せわしなく動く腕と、顎を上げて高まりを感じる正臣の首筋から鎖骨へのラインに見とれていると、自分の変化に気付いた。
(や、..........ヤバイ)
枕を鷲掴みにすると、自分の方に引き寄せる。
股間を覆い正臣に観られない様にベッドから降りようとすると、突然俺の足首を掴まれた。
「ヒャッ!!」
喉奥から変な声が出て、自分の口を押える。正臣が俺の足首を掴んで離さない。
もう、最後の追い込みをかけてる筈なのに!?
あたふたともがくが、コイツの馬鹿チカラには叶わない。そのまま顔を背けながらも視線だけは正臣の中心でそそり立つ物に行ってしまった。
「ハルミも、出せよ。..........ん、...........溜まってんだろ?」
「.........ば、ば............バカ。俺は、」
そう言ったが股間を隠す俺の言葉は、真実味が無くて。もう、ここまで来たらどうなってもいいや、という気持ちになる。
「クソツ、お前が悪いんだからな!!」
そう云うと、俺は自分のスウェットに手を差し込んだ。
その後はもう、自分でも訳が分からなくなって、正臣と膝を突き合わせながら互いのモノに手を伸ばすと扱き合っていた。
大きな波が身体を駆け巡り、もう堪えきれない所まで来ると、俺たちは脱力感と達成感を味わう事になる。
そのまま大きく肩で息をすると、正臣はベッドの上に仰向けに倒れ込んだ。
俺は、それを横目で見ながらゆっくり立ち上がると、椅子に掛けていたタオルで自分の飛沫を拭った。
洗面所に汚れ物を持って行き、鏡に映る自分の顔を見る。
- なんて顔してるんだよ............
気持ちは落ち込んでいてもいい様なものを
鏡に映る自分の顔は、ヤッた後みたいに虚ろな瞳が妙にエロくて。自分で言うのもなんだけど、俺って可愛い。
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