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第32話 身を委ねても。
ひあっ、.........ぁあっ、やだ、.........ソレ........
あまりの刺激に膝頭を擦り合わせるが、正臣の頭が邪魔をして中途半端な格好のままのけ反った。
半身をひるがえす様に、捻じれたまま片手でシーツを鷲掴むと、鼻から甘い吐息が漏れそうで.......。
んふぅ、.....................
しつこく捻じ込まれた指は、内壁を擦りそれはまるでポイントを探しているかの様だった。
「あっ、マサ、オミ.............ダメだ、ヤダ..........」
俺は快感を得ながらも、ぎりぎりの所で自分を保っていた。なのに、正臣は確信的に一点を探しているようで、指はどんどん奥へと入って行く。
俺の前を刺激して得た蜜をそこへ垂らし、滑らかになった秘孔を押し広げる様に進むと、明らかに俺の反応が違う場所を見つけ、執拗にソコを何度も擦られると、俺の思考回路は完全に遮断された。
ふっ、んんん........
切ない喘ぎをあげた後、ほとばしる白濁は俺の腹を超えてシーツへ飛び散った。
その後で、ぐったりと頭を垂れると肩で息をする。
はあ、はあ、とせわしなく揺れる俺の胸に、正臣はチュッとリップ音をたてると俺の腰を持ってひっくり返した。
一瞬、俺の目が正臣を捉えたが、腰をグイッと引き寄せられてシーツに顔を埋めると視界は遮られる。
そして、正臣の囁く声が俺の耳元で聞こえる。
「......れていい?ココ。」
「..............」
無言で首だけを左右に振る。嫌だという意思表示をするが、正臣が素直にそれを聞くはずもなく。
ヤりたい事は分かっていた。好奇心からなのか、男の俺を犯したいだなんて。
でも、達してしまった俺が正臣に説教をするのも今更な気がした。
「痛かったら言って、すぐ止めるから。」
そんな言葉を信じた訳じゃないけど、この流れに身を委ねてしまいたくなった。
ずっと好きだった正臣に抱かれる。それは俺にとって願ってもみない事。なのに、これは只の気の迷いだと、もう一人の俺が眉を下げる。
「.....は、やく...........しろ。」
そんな乱暴な言葉で、気持ちをごまかそうとした。
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