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第33話 夢心地。
ゆっくり押し広げられて苦しい表情になると、そこで正臣の動作は止まる。
俺の反応を見られている様で恥ずかしかったが、じっとしていると脈打つ正臣の硬芯が余計に感じ取れて尚更興奮を覚えた。
体内に取り込んだのは、恋い焦がれていた男の証。
どんなに手を伸ばしても叶うはずの無い恋が、こんな形とはいえ手に入ったのは悦ぶべき事なんだろう。でも、身体の疼きと同じくらい心の奥が疼き出す。
ぁあ、あ、あ、.............んっ、
やがて、長いストロークでじわじわ攻められると、俺の自制心は崩されて行く。
「は、ぁ、..............るみぃ、..........んんっ、すげぇ、..........っ、..........」
俺の腰をしっかり掴んだまま、時折掌で背中を撫でると、正臣は喘ぎの様に言葉を吐く。
その言葉が俺の耳には心地いい。否定されるのではなく、受け入れて気持ちいいと感じてもらえている事が嬉しかった。
こんなバカな事をしている友人たちがいるだろうか。
男同士で欲に任せてこんな事。それに俺は正臣の傷心に付け込んだ感もある。今なら許される行為であると、心の何処かで言い訳にしているんだ。
「はっ、はっ、はあ、..............ぁ............」
同じ姿勢のまま奥深くまで突き上げられて、気が遠くなるほどの快感を与えられると、俺の口から消えそうな声が漏れだす。
「うっ、はぁ、......................ぁあ、イ........く......んんっ、」
腰を掴んだ手に力が入ると、正臣は思い切り俺の最奥で果てた。
もちろん俺も自身のモノに手を添えて二度目の達成感を味わうと、ぐったりとシーツに伏してしまう。
大きく波打つ胸の鼓動と荒い呼吸が、俺たちの夢の終わりを告げていた。
息を整えて横に倒れ込んで来た正臣の横顔を眺める。
コイツも達成感を味わっているんだろうか。ふと、そんな事すら気になって。これに意味なんてないのに..............。
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