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第48話 ・・・ぇ?

 暫くの間、狭い玄関先で睨みあいをしていた俺たちだったが、流石に俺も一日立ちっぱなしで疲れていた。 それに大原さんの所で飲んだ酒も抜けきってはいなくて。 渋々正臣を部屋にあげると、カウンターチェアーに腰を降ろす。 「ミキさんとは話したんだな。どうして家に戻らないんだよ、離婚するってホントなのか?」 「.........ミキとはちゃんと電話で話している。涼の様子も聞いているし........。それに、離婚の話はアイツから言って来た事で。」 スーツのジャケットを脱いで椅子の背に掛けると、正臣も腰を降ろして俺の話に返事をした。 - 離婚の話が出ているのはホントなのか......。 「お前の話は何処までがホント?浮気はウソ?自分から出てきたのか?俺の所へ行くって云って。」 「ああ、出てきたのはホント。浮気は.........、まあ、一度はあるかな?!でも、浮気って云えるものかは分からない。」 「なんだ、それ!結婚しているヤツが他でヤラシイ事したら浮気だろ?」 俺がムカついて云うと、またもや正臣は顔を綻ばせてニヤける。 「相変わらずだな、ハルミは。オレとミキの関係を聞いたんじゃないのか?互いに好きで結婚したわけじゃない。」 「それがおかしいんだよ!」 「合コンで出会ったのはホント。ミキは彼氏の子供が出来たかもって言ってた。オレだけに、だけどさ。」 「そんな大事な事、どうしてお前に?」 正臣に相談するような事じゃないだろう。しかも合コンで出会った男に話すって.....。 「アイツも捨て鉢になっていたし、オレも、同じようなもんだった。付き合いで行った合コンで、ミキも付き合いで来ただけでさ。なんとなくボヤキ合ってたら子供は産みたいって云って。」 「それで結婚する事にした?!バカじゃないのか?!!大バカだよ、二人とも。」 おかしな二人だ。ホント、俺には訳が分からない。 思考回路がおかしくなりそうで、テーブルに肘をついて頭を抱えた。 「ハルミのせいだろ?!オレがバカな事してるのは。」 そう云って正臣が俺の腕を掴む。 「................は?俺のせい???」 冷めた眼差しを向けると、掴まれた腕をブンツ、と振った。 さっきから云う事が一々意味不明。俺にも分かるように説明して欲しいのに。 「高校の時さぁ、藤岡の家でAV観ただろ?」 「............ああ、...........アレ、か。」 またもや黒歴史が蘇ると恥ずかしくなる。コキあいしている姿が瞼の裏に貼りついて、正臣に云われたら居たたまれなくなった。 「あン時、初めてハルミの達き顔見てさ、オレ、気付いちゃったんだよな、お前の事違う目で見てたってのに.......。」 「.............え?」 「あのビデオの女みたいに、ハルミの事抱いたらどんなかなって.....。顔真っ赤にしているお前が可愛くてさ、それからずっとそんな事ばっかり想像してた。」 「は?...........マジで?」 俺は驚きを隠せない。 目ん玉が飛び出る程大きく見開いた目で、隣の正臣の顔を見る。 心なしか照れている様で、伏し目がちになると頬が赤くなっていた。 「正臣、..............お前ゲイなの?」 「...............分かんないけど、多分違うと思う。他の男でそんな気持ちになるヤツはいなかったから。」 「......................................」 視線をキッチンの流しに向けながら、心の中でもう一度正臣の言葉を反芻するが.....。 - どういう事????

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