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男は気が向いた時に僕を裸に剥き、身体を撫で摩った。
その度僕は落第点をもらった。
「――」
開いた唇は音を出さない。
男の服は袂を割っただけで、太い幹のような隠茎を褌の脇から出し、僕に突き立てた。
骨の浮き出た腰を掴み、がくがくと揺すぶられる。
「……――――!」
息も出来ぬ充足に僕は溺れる魚みたいに口をぱくぱくさせて手で空を掻いた。
その骨に皮が張り付いただけの胸を男が吸う。
平坦で皮のみと思われた胸に米粒より小さな突起ができた。
「―――!―――!」
それを摘まれ器用に扱かれると僕は堪らなくなって、男の逞しく薄い肩に両腕を絡めて縋った。
痛みに似た疼痛が、尿道を走る。
その度にビクビクと体が震え、直腸の粘膜が、男の太い幹を絡め、絞るのを、自分でも感じる。
その肉の中に、ぐりぐりとしたシコリがある。
何かよくは判らない。
こんなものがあったことさえ、自分の体なのに知らなかった。
「――――――!!!」
詰めた息が喉に張り付いた。
男の張り出した亀頭環が、肉ごとシコリを抉った瞬間、僕の腹から尿道、尿道口に向け、鋭い痛みが走る。
濁流が迸り、僕は半ば白目を剥いた。
今までに感じたことのない衝撃だった。
「はっ……は……」
男の吐息が音を伴っている。
続く痙攣から脱した時、息が張り付いた喉から、変な音がしていた。
「気持ちが快いのか」
男の声が事務的に響いた。
これが気持ち快いと言うのであれば、気持ち快い事と言うのは命懸けだ。
一瞬息が止まり、心臓が破裂しそうに膨れたかと思うと、一気に縮み、締め付けられる。
これが気持ち快いということならば、
僕はどこか可笑しいのだ。
苦痛としか思えないこの行為を、男に何度もされたいと願っている。
僕は、どこか可笑しいのだ。
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