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彼の目の中には密林の、僕の知らない国が映っていた。
其の瞳が揺らぐ。
「あれは人間の所業じゃない」
彼は虚ろんな眼で独白した。
「気が違っていたんだ、俺は。」
訥々と零れる言葉はまるで僕より幼い子供の様。
「喰わなければ死んだ」
ぽつんと落ちた言葉は僕の良く知る言葉だった。
「すまない、すまないすまない…」
皆が、そうだったのだ。
喰わねば死ぬ。
死にたくはない。
生きるためには、誰かを見殺しにすることも、誰かを殺すことも、
喰うことも、できた。
何が僕の心の琴線に触れたのかなど、僕にも判らなかった。
「あぁぅー…あぁぅぉ―…」
判らなかったが僕の目から涙が溢れた。
僕は泣きながら訳の判らない呻きを上げた。
「あぁうー!」
僕は涙に濡れた頬を彼の頬に擦り付けた。
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