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第4話

side蒼 入籍してからお互いの実家と会社に近い332E地区に新居を構えた。 僕は特に物件に関してこれと言った条件提示はないから、物件探しは一縷に一任していた。 二人で内見を繰り返して決めたのは、最上階のワンフロアのマンションだった。 賃貸かと思ったら、いつかは家族が増えるだろうし、また引っ越すよりは定住した方がいいだろうと言う一縷の意見に賛同して、二人の名義で購入することにした。 セキュリティー面も充実していて、コンシェルジュもついている。 かなり優良物件ではないだろうか。 僕も一目みて気に入った。 引っ越しの時、今まで使っていた家具は買い直そうと思っていたから、服くらいしか新居に持って行く物がなかった。 一縷も同じだったようで、お互いあっという間に引っ越し作業は終わった。 何もない部屋だったが、ベッドだけは早急に買った方がよさそうだったので、引っ越してすぐに買いに行った。 一縷が気に入ったのは、中世スタイルのフレームが柵状になっていて、少し華美な物だった。 僕が気に入ったのは、一般的な枕元に物が置ける物がいいと言った。 寝るだけなんだし、そこまで華美な物でなくてもいいと思った。 ここまで一縷との意見が真っ向から対立することがなかったので、どう折り合いをつけていいものか分からなかった。 いろんな家具屋さんを巡って、二人の意見が一致したベッドをようやく見つけることができた。 フレームにはレザーが使われているウォーターベッドで、枕元はフレームで覆われていて、リラックス効果がある青いライトが付いていた。 値段がかなり予算オーバーだったけど、二人で使う物だし、良質な睡眠は健康にも大事だからと購入することにした。 数日後、業者がベッドの搬入をしに来た。 業者が帰った後、一縷と二人で寝てみた。 目を閉じて横になってみると、お店で寝た感覚とは全然違っていて、体がふわふわと浮いているような落ち着かない感覚で、泣きそうになってしまった。 怖くなって一縷の方を見ると、一縷も同じような感覚だったのか、僕の方を見ていた。 「どうした?」 「何か体がふわふわして落ち着かない…」 「大丈夫。俺はここにいるよ」 「うん」 一縷が両手を広げてくれたのをいいことに、一縷の胸に飛び込んだ。 自分でも思っていた以上に怖かったようで、一縷にギュッとしがみついた。 一縷は本当に頼り甲斐がある。 かっこいい僕の自慢の旦那様だ。 「いち…」 一縷に呼ばれて顔を上げると、一縷にキスされた。 触れるだけのキス。 それだけでも十分気持ちよかった。 そこから一縷は少し唇を開けて、僕の唇をペロリと舐めてきた。 一縷がこうする時は舌を絡めたい意志がある時だ。 少し唇を開いて一縷の舌を迎え入れる。 一縷の舌と僕の舌を絡めたり、一縷は僕の歯列をなぞったり、性感帯である口蓋を舌先で刺激してきた。 あまりの気持ちよさに、つい甘い声が漏れてしまった。 「ふっ……ん…」 甘い声が自分から発せられたものと思うとすごく恥ずかしいが、一度出てしまうともう止められない。 僕の声に興奮した一縷は、しつこく口蓋を攻めてきた。 もう何も考えられなかった。 「あお、腰動いてる」 「……んっ…だっ…て……気持ち…ぃぃ……」 腰が動いていることにも全然気づかない。 それくらい気持ちよくなっていた。 一縷は再び僕の唇を一縷ので塞ぎ、口蓋を攻め始めた。 歯列から少し奥を縦横無尽に攻められる。 そこは僕が一番感じる場所。 「んふっ……!」 いきなりそこを攻められると思っていなくて、驚いて一縷に目で止めてと訴えてみる。 一縷と目が合ったけど、一縷は止めてくれる気配がない。 少し舌先に力を入れて、強めに刺激してくる。 「んんっ……!」 あまりの気持ちよさに僕の腰の動きもどんどん早くなる。 もう少しでイキそうだった。 一縷は僕の腰を抱き上げて、一縷の太ももに当たるようにガッチリ固定した。 そして、浮いた背中をツゥーとなぞってきた。 それだけで僕はイった。 パンツの中でモノが爆ぜる。 久しぶりの感覚に脱力感がすごかった。 というか、キスだけでイカされるとは思っていなくて、今更ながら恥ずかしくなってきた。 「イったな」 「…止めてって言ったのに……」 「聞いてない」 「目で言ったもん」 「気付いてない」 「気付いてたもん。目、合ったもん」 「…意地悪した。ごめんな」 「許さない」 「ごめんって」 「もっと気持ちよくしてくれなきゃ許さない」 僕は満面の笑みで一縷を見つめた。 一縷は僕の意志を受け取ってくれて、服を脱がし始めた。 Tシャツを脱がし、ズボンのベルトに手をかける。 ズボンと一緒にパンツも脱がす。 パンツの中はさっき自分で出した白濁でぐちゃぐちゃになっていた。 「あおのパンツぐちゃぐちゃだな」 「いちが止めてくれなかったから」 「そうだったな」 一縷はキスをしながら、僕のモノを扱き始めた。 「んっ……」 少ししか扱かれてないのに、芯を持ち、勃ち上がり始めた。 さっきイったばかりだから仕方ないと言えば、仕方ないけど恥ずかしかった。 「もう勃ち始めたな」 「さっきイったばかりだもん」 「気持ちいい?」 「ぅ…ん…」 「先走りでぬるぬるだな」 「こ…れ…以上…は…ダメ…」 「何で?」 「出……ちゃう…」 「出していいよ」 「買った…ばか…り…なの…に…」 「いいよ。出しちゃえ」 「イ……くぅ……っ!」 ぷしゃぁ 潮を吹いてしまった。 ある時から限度を超えてイってしまうと潮を吹けるようになった。 潮を吹くと、脱力感が普通にイクよりも強くて、体に力が入らなくなる。 今回もいつものように全然力が入らなくなって、ぐったりしてしまった。 「あお、ごめん。やりすぎた…」 「大丈夫…気持ちよすぎただけだから…」 「さっきイったばっかだったもんな」 「それ分かっててあんなに刺激するなんてひどいよ…」 「あおがかわいいから、いつもやりすぎちゃうんだよ」 一縷は僕の頬にちゅっちゅっとキスしてくれた。

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