5 / 50

第5話

キスをしながら、一縷はベッドのサイドテーブルの引き出しからローションを取り出していた。 僕はそのままベッドに寝かされ、足を開かされた。 開いた股の間にローションを垂らす。 冷たい感触で一瞬体が強張ってしまった。 「ごめん。冷たかったか?」 「大丈夫」 垂らしたローションを僕の後孔に擦り付け、一縷の中指でさする。 それだけでも十分気持ちいいんだけど、もっと中に欲しい。 既に一縷の手によって二度イカされていたため、後孔の入口は柔らかくなっている。 「入れるぞ」 「ん…」 ローションのおかげですんなり一縷の中指が入った。 一縷はいつものように入口付近の浅い所を刺激してくる。 入口付近はお尻がめくれる感じが気持ちよくて、つい腰が動いてしまう。 何度もイカされているので、少しの快感でイってしまいそうになる。 僕は眉間に皺を寄せ、快感を逃がそうとシーツを握りしめていた。 僕の状況を知ってか、一縷は更に少し奥の前立腺付近を攻めてきた。 中指の第二関節を曲げ、中を探っている。 前立腺を探しているのだろう。 一縷は僕の体を僕以上に知っているんだ。 コリッとした部分、前立腺をすぐに見つけられ、攻められた。 「ひゃぁん」 さっき以上に甘い声が漏れる。 腰がビクついている。 もう何もかも止まらない。 「止め…て…また…イ…くぅ…」 生理的な涙が止まらずに、僕の顔はぐちゃぐちゃだ。 そんな僕を見て、一縷は前立腺を思いっきり攻めてきた。 (何で…!?) そんなことを考える余裕もなく、白濁を放出した。 さすがに三度目にもなると、量も減ってくるが、お腹の上は自分の出した白濁でベトベトで気持ち悪い。 一縷の顔を見ると、だいぶ余裕がない。 目が獲物を狙った獣のそれをしている。 ちらりと一縷のモノを見ると、いつも以上に大きくなって、先走りでパンツに染みができていた。 一縷は本格的に後孔を解しにかかった。 一縷の指が三本入るようになり、きちんと解れたのを感じると、一縷は手早く自身にゴムを装着させ、後孔に当ててきた。 「あお、入れるぞ?」 頭に靄がかかっているような感覚で、返事したくてもできず、されるがままになっていた。 一縷はグッと腰に力を込めて、僕の中に入ってきて、ゆっくり奥まで到達した。 入ってくる圧迫感。 何度体を重ねても慣れない。 体は僕の思いとは裏腹に、ようやく入ってきた一縷を喜んでいるようで、中がヒクついているのが自分でも分かった。 どこまで淫乱になってしまうんだろう…。 「……くっ」 一縷が苦しそうな声を上げた。 一縷の様子を見ると、かなり気持ちいいようで、必死な顔で快感の波が過ぎるのを動かずに待っていた。 中でビクビク一縷が跳ねているのが分かる。 「あお、全部入ったの分かるか?」 「…ぁっ…入った?」 「あぁ、全部な」 「……」 僕は一縷の先端がある辺りのお腹をさすった。 「おなか、いちでいっぱい…」 「そうだな。俺のであおの中いっぱいだ。もっと気持ちよくなろうな」 その会話を皮切りに、一縷はゆっくり動き始めた。 最初は浅い部分を擦ってくる。 浅い部分を指よりも自身で擦られると、お尻がめくれる感じがより強く感じられて、気持ちよくてたまらない。 一縷が入ってきてから中を刺激されて先走りが溢れるのを止められず、お腹の上をずっと濡らしていた。 ストロークを伸ばして、少し奥の方も擦ってきた。 ちょうど前立腺の辺り。 いい所は知っているから、先端で擦ってくる。 ダイレクトに刺激されると、腰が跳ねて、無意識に快感から逃げようとしてしまう。 でも、逃がしてくれなくて、一縷の下に戻されて、もっと深く動かれる。 (もう…限界…) イキたくて仕方なかった。 無意識に腰の動きがどんどん早くなっていた。 (一縷もそろそろイキたいよね…) 一縷のも、ガチガチに硬くて、大きくなっている。 「あお、俺もそろそろイキたいから激しくするけどいいか?」 「……もっ…と…してぇ…」 エッチの時、それもドロドロに溶かされてからでないと、素直に気持ちを言えない。 素直に気持ちを言うと、一縷はいつも叶えてくれる。 『もっと』とお願いしたことで、一縷は激しく攻め立ててきた。 僕の奥の奥まで入ってこようとするくらい攻めてくる。 こうなると、もう僕はついて行けない。 快感の波に流されてしまって、自分を制御できない。 一縷もそろそろイクのか、中で質量を増して、ビクビクと激しく跳ねている。 跳ねた瞬間、いい所を擦られて、後孔の入口をキュッと締め付けた。 「あお……イク…っ!」 「あ゛っ…!」 一縷と同時にイった。 僕は出すモノがなくなってしまっていたようで、ドライでイっていた。 一縷は随分我慢していたみたいで、射精が止まらない。 中でドクドクと出している感覚がある。 久々だったというのもあって、すごく気持ちよかった。 その分の脱力感もすごくて、もう指一本すら動かすことができなくなっていた。 全部出し終えた一縷は、中からズルリと自身を引きずり出した。 抜かれる瞬間、軽くまたイってしまって、とうとう意識を手放した。 「あお?」 一縷の声が遠くでする。 だけど、もう返事するだけの体力も意識も残っておらず、深い闇に飲まれていった。

ともだちにシェアしよう!