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第9話

今日もその休みの一日だ。 今日は気持ちいい晴れた日で、日差しが窓から差し込んでくる。 本当だったら、まだ買い揃えていない小物類を買い揃えたかったんだけど、隣で幸せそうにくっついている一縷を見ると、そんなこと口が裂けても言えなかった。 室内が日差しでポカポカとしてきた。 一縷は布団に潜っているから、だいぶ温かくなって眠くなってきたようだ。 うつらうつらしている。 (こんな一縷が見られるなら、買い物は後日でもいいかな) そう思っていると、唐突に尿意を催してきた。 我慢しようとも思ったが、一度意識してしまうと後に戻れなくなる。 一縷の袖を引っ張って起こす。 「どうした?」 「…と……てって…」 「何?」 「トイレに連れてってって言ってるのっ!漏れちゃうっ!」 一縷は僕の切羽詰まった声で目が覚めたようで、急いで僕をお姫様抱っこして、なるべく振動を与えないようにトイレに連れて行ってくれた。 「トイレも世話しようか?」 「もう大丈夫だから出てって。恥ずかしいからドアも閉めて」 「はいはい。ドアの前で待ってるからな」 「待たなくていい。リビングで待ってて」 ドアをパタンと閉める。 用を足そうとするが、ドアの前に一縷の気配を感じる。 (リビングに行ってって言ったのに…) 一縷がリビングに行くと思って我慢してみたけど、行くつもりがないらしく、気配が動く様子もない。 限界が来た。 便器の蓋を上げ、便座に座り、なるべく音を立てないように用を足した。 それでもやっぱり音は出てしまうもの。 (一縷、絶対音聞いてる…) そう思うだけで性的興奮を覚えてしまった。 (見られたいのかな…。そんな性癖なかったはずなんだけど…) ふとドアの外からブツブツと独り言のような声が聞こえる。 よく聞いてみると円周率のようだった。 (一縷も僕のおしっこの音聞いて興奮しちゃったんだ) お互い変な性癖に目覚めてしまったと思いながら、用を足し終えて、水を流し、手を洗う。 「いちぃー、トイレ終わったよ」 ドア越しに一縷を呼ぶ。 「今行く」 コンコン トイレのドアをノックされ、中から出た。 「ベッドまでお願いします」 「喜んで、お姫様」 来たのと同じようにお姫様抱っこして寝室まで運んでもらった。 ゆっくりベッドに降ろしてもらって、一縷も布団に潜り込もうとした時にさっきの行動の意図を聞いた。 「いち、ずっとドアの前にいたでしょ?」 「いや、リビングにいた」 「ううん、ドアの前で僕のおしっこしてる音聞いてたよ」 「何でそう思うんだ?」 「途中から円周率唱えてた」 「…………ごめんなさい」 「いつからそんな特殊な性癖持つようになったの?」 「俺にも分からない。たぶんあおに潮を吹かせてからだと思う」 「全部自分で墓穴掘ってるんじゃんっ!」 「面目次第もございません…」 「仕方ないなぁ…」 一縷は何でも話してくれる。 僕のせいで変態さんになってしまったんだね。 運んでもらっている間、ふと一縷の股間を見ると、軽くテントを張っている。 (まだ元気なままだよね?) 一縷のベルトに手をかけ、バックルからベルトを外しにかかった。 「ちょ…!何やってるんだ」 「さすがにもう腰は使えないから口でしてあげる」 「いやいや、まだ風呂にも入ってないから風呂入ってからでいいよ」 「今のいちのをしてあげたいの」 話ながらでもスルスルと一縷のズボンとパンツを脱がした。 一縷のモノは少し元気がなくなっていたけど、芯はまだ持っていた。 「変態さんなんだから」 パクリと一縷のモノを銜え込む。 「くっ…!」 一縷が気持ちよさそうな声をあげてくれた。 一縷の様子を見ながらしゃぶりたいと思って一縷の方を見上げる。 (一縷から見ると上目遣いに見えて、興奮するんだろうなぁ) 思った通り、一縷は視覚的に興奮を覚えたようだ。 (確かここら辺が気持ちいい所だったっけ?) 裏筋を舐めていると見せかけて、急に強く吸いながらカリを攻めてみる。 竿を片手で扱きながら、もう一方の手で玉を優しく揉む。 口の中であっという間にガチガチになった。 パクリと銜えていたモノを口から外し、尿道を根本から先端にかけて舌でツゥーと辿ったり、チロチロと舌を左右に動かしながら刺激してみた。 一縷のモノはもう出したいと言わんばかりにビクビクと反応している。 「あお、もうイク…」 「ほふ?(もう?)」 「銜えながらしゃべるな」 「ひひほ、ひっへ(いいよ、イって)」 「だ…から…しゃ…べる…な…」 じゅぽじゅぽと音を立てながら、俺のモノを銜え刺激する。 一縷は堪らなくなったのか、僕の頭を掴んで自ら腰を振ってきた。 「イ…クぅ…っ!」 昨日もたくさん出したはずなのに、今もすごい量が出てくる。 口の中でドクドクと射精が止まる気配がない。 射精が落ち着いて、口からモノを離した途端、一縷はティッシュを差し出した。 「ごめん、あお。出しすぎた。ペッてしろ」 ペッって…。 そんなもったいないことできるわけないじゃん。 というか、一縷が言う前に一縷が吐き出した白濁はお腹の中に入っていた。 「やっぱりおいしくはないね」 「何で飲んだ?…嬉しいけど」 「いちのだもん。もったいないでしょ?」 「もったいないって…」 「大好きないちのだから飲めるよ」 そっと一縷が抱きしめてきた。 「いち?」 「あおが大好きだ」 「僕もだよ」 一縷の変態度が上がってしまったのは僕のせい。 僕と体を重ねて、いろんなプレイをしてきたおかげで、僕にも一縷にも新しい性癖に目覚めてしまった。 その責任はきちんと取るからね、一縷。

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