俺がΩ………。ぼんやりとする頭で考える。そっか、Ωなのか。けど今は、どうでもいい。 「ん、九条……………っ、どうしよ」 「っ、薬は？」 「………ない」 「初めての発情期？遅すぎないか」 「知らない………っ」 　さっきから腰が痺れる。九条が話すたびに声が、腰にくる。脚の力が抜けて立てない。体の奥が疼く。触ってほしい、はやくその………。 　いやいや、俺は何を考えてるんだ？必死に理性をかき集める。けど体の火照りは収まらなくて。 「九条、お願い…………助けてっ」 「…………いいのか？」 「早く！」 　叫べば、ダンッと床に押し倒される。頭床にぶつけたとか、そんなの考えてる余裕なんてなかった。九条の熱を帯びた吐息が耳を霞めて、腰が跳ねる。 　残っていた理性でそのたくましい体を押し退けようとするが、あっという間に捕まれた。ふわりと体が持ち上がって、慌てて九条に抱きつく。 「っ、煽るな」 「煽ってないし…………っ、んっ」 　口を塞がれる。同時にベッドにたどり着いて、組み敷かれる。何度も何度も角度を変えて、唇を味わうようなキス。 　俺は童貞というわけではない。けど女の経験が豊富というわけでもなく、ただされるままだった。 「口開けて………ん」 「っ…………ぁ、舌…………ん、んっぁ」 　少しだけ開いた口をこじ開けるようにして入り込む舌。歯を軽くノックして、開けばすぐに舌を絡めとられる。快楽が思考を支配していた。もっと、もっと欲しい。 　途切れ途切れに漏れる声が、自分のものとは思えないほどに甘い。響く声が、耳を刺激する。 「ぁ」 　唇を離せば、その間を銀の糸が引いた。それをみてさらに興奮する。九条の唇が首筋へ移動した。触るような軽いキス、時々強く吸われる。 「白夜、気持いい？」 「んんっ！？耳やめ……………」 「耳がいいんだな」 「ふぁ、ぁっ…………ん！」 　耳元で喋られ、背中が仰け反る。舐められれば一段と高い声がでた。 「もうトロトロじゃん。ズボン下ろすよ」 　一気にパンツごと下ろされる。反応した俺の息子が存在を主張していた。見られてさらに大きくなる。九条はそれには触らず、内股を伝う密を指ですくう。 　足を開かれれば、きゅっと密部が締まる。見られて感じてるのか？男としてのプライドがズタズタに引き裂かれている。涙が滲んだ。 「………指いれるぞ」 「………っう、ぁ…………」 　なんとも言えない異物感。案外簡単に指が飲み込まれてしまって、中を探られている。腹が熱いな。変な感じ。なんだか期待してたのと違う。 　その時、指先があるポイントを刺激した。 「ひ、んぁあ！？」 　電流が流れたような、そんな感覚が指先にまで走る。背中が仰け反り、あまりの快楽に目がチカチカした。 「…………みーつけた」