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第66章 愛ある。ということ1※
長い長い沈黙の末、貴弘は宙を見つめたまま呟いた。
「俺は……雅紀に愛されていなかった……。雅紀はやはり……秋音が……好きなんですね。秋音を助けたくて、俺の所に戻ろうとしたのか……」
ため息のような掠れた独り言だった。大胡は再び、貴弘の手をぎゅっと握った。
「篠宮くんを責めるなよ、貴弘。仙台で秋音が車にはねられかけた時、彼もすぐ側にいたのだ。庇おうとして逆に庇われ、秋音が目の前で大怪我を負った。怪我を負った秋音より、ショックは大きかっただろう。だからきっと思い詰めてしまったのだ。秋音を狙う犯人から、何としても守りたい……とな」
大胡の言葉に、貴弘はぎこちなく顔を歪め
「……あいつらしいな……。雅紀はいつも一生懸命で真っ直ぐで……。あの一途な不器用さが……俺は好きだった…」
「……たしかにいい青年だな。父さんもそう思うよ」
再びの沈黙の後、貴弘は夢から覚めたように、大胡の顔に視線を向けて
「雅紀を責めたりはしませんよ。俺はそこまで情けない男には……もうなりたくない。でも……かなり、キツイな。当分は立ち直れそうに……ない」
「そうだな……。辛いな」
疲れた表情を見せる貴弘に、大胡は優しく微笑んで
「もう少し休みなさい。目が覚めたらまたゆっくり話をしよう。おまえには今、休息が必要だよ」
貴弘は逆らわずに素直に頷き
「そうですね……。ちょっと1人にさせてください」
「わかった。じゃあ、また後でな」
貴弘の手を軽く叩くと、大胡は椅子から立ち上がった。
「……んぅ…ぁ……ぁぅ……あぁん…」
「ここ、どうだ?……いいか?」
「ぅん……ぁ……ぃい……んぅ…」
暁の指が身体の奥で蠢く。雅紀は浴槽の縁を掴みしめて、ゆらゆらと腰を揺らした。
雅紀の中は火傷しそうなほど熱くて、暁の指をきゅうきゅうと締め付けてくる。ぷっくりふくれた肉壁を擦る度に、小さな尻がひくひく震えて、視覚的にも暁の興奮をひどく煽った。
暁は、雅紀が用意していたローションをたっぷり垂らすと、更に指を増やして中をほぐした。受け入れようとしても緊張で強ばってしまうなら、もっともっと感じさせて、どろどろにしてやった方がいいだろう。痛い思いも怖い思いも、自分との交わりでは一切させたくない。
「…ん……綺麗……だな……おまえ…すっげーエロくて可愛いよ。おまえの声も、いいぜ……めっちゃ、くる。俺の息子がさ、おまえん中、入りたいって、もうびんびんになってるぜ」
「んあ……っんぅ……ぁ……ほしぃ……あき、らさぁん…」
「……な……身体、流して、部屋行こうぜ。あっちで、もっととろとろに、してやっからさ」
真っ赤な耳に唇をはわせて、はみはみしながら囁くと、雅紀はくぅ…っと堪らない声で鳴いて、こくこく頷いた。
タオルで全身の水気を拭き取ってやると、雅紀を布団に連れて行った。雅紀は切なげに身体をくねらせて、暁にしがみつき
「……暁さん……の、舐めて……ぃい?」
上目遣いの大きな瞳が、欲情に濡れている。
「……舐めて、くれるんだ?……いいぜ……すっげー嬉しいよ」
雅紀は暁の前に跪き、股間に手を伸ばした。そそり立つペニスを両手で愛おしそうに包むと、顔を近づける。舌をちろっと出して先端を舐め、目だけあげて暁の顔を見る。
匂い立つような色気を纏った雅紀が、ペニスに舌を這わせつつ、大きな瞳でこちらを見上げてくる様子は、妙にアンバランスでぞわぞわする。暁は内股が引き攣るように震えるのを感じた。
雅紀は上目遣いのまま、先っぽをぺろぺろと舐め、口を開けてかぷっと先端を咥えた。
「……っ。無理に、奥まで、入れんなよ。先っぽ咥えるだけ……で、充分気持ちい、からな」
雅紀の柔らかい髪を撫でながら、そう言う暁の声も、欲情に掠れていた。
本当に感じ過ぎていて、先っぽを舐められただけで、呆気なくイッてしまいそうだ。
雅紀は小さな口を精一杯開けて、暁のものを咥えて頷く。歯をたてないように気を付けながら、唇と舌を使って、むぐむぐと愛撫している。
……ヤバい……このシチュエーションは……ヤバすぎるっ。……エロ可愛すぎて、見てるだけで暴発するっつーの
潤んだ目で見つめられながら、自分のものを頬張る雅紀の顔を見ていると、腰の辺りに何度も震えが走り抜けた。
暁は熱い吐息を吐き出して、感じ入った表情で、雅紀の髪をかきまわした。
「……っ。雅紀…っ」
雅紀が頬をふくらませながら、首を傾げる。気持ちいい?とその目が問いかけている。
……だから~っ。その顔はだめだっつの
危うくの暴発を、暁は歯を食いしばって堪えると、
「感じ、過ぎて、俺もヤバいっ。雅紀、口、離せ…っ」
雅紀はちょっとびっくりしたように、目を丸くして、おずおずと暁のものを口から出した。
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