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第7章 夢
夢を見ていた。
上を向いても周りを見回しても、どこもかしこも真っ青な世界だった。
夢の中で俺は、ひとりの女性と小さな子供を連れて歩いていた。すごく満たされた気持ちで、子供の足元を気遣いながら。
時折、女性が何か言う。俺は笑ってそれに答えていた。
いつの間にか足元は、白い砂浜になっていて、サクサクと踏みしめる砂の感触が、とても心地よかった。
あーでも、これは夢だな。
だってこんな世界は存在しない。
夢の中で歩く俺を、見下ろす俺がいて、俺はこれが夢だとわかっていた。
ふいに、足元がグラグラ揺れて、俺は地震だと思って、慌てて連れていた2人を庇おうと振り返った。
2人はいなかった。
俺の後ろの足元には、ぽっかりと大きな穴が開いていた。
唐突に目が覚めた。心臓が痛いくらいにドキドキしていた。
俺は泣いていた。涙は後から後からわいてきて、しばらく止まらなかった。
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