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後日談 『おしおきー12』※
ふいに、暁にされた悪戯を思い出してしまって、雅紀は枕をぎゅっと抱き締めて、うーーーっと唸った。
秋音と暁の禁欲生活のせいで、雅紀はこのところ自分でもしていない。溜まっている上に、暁に際どい悪戯をされ、秋音には放置されて、身体がかなり過敏になっている。
ほろ酔いも手伝って、実は今も微妙に勃っている。雅紀はもぞもぞと手を下に伸ばし、部屋着の上から自分のものにそっと触れた。
さっき、秋音の胸に顔を埋めていた時も、逞しい身体や体臭を感じて、ちょっと堪らない気分になりかけていた。
……おでこにキスだけで出て行っちゃうなんて……寂しすぎるし……。
獣じゃあるまいし自制しろよ、俺、とは思うのだ。でも、想いが通じ合った恋人がすぐ側にいて、手を伸ばせば抱き合える状況なのに、触れられない、触れてもらえない。
これは結構きつい。
やんちゃな息子をなだめるつもりで押さえたのに、触れた途端に更に大きくなってしまった。
……んもぉ……ダメじゃん、俺。いいから静まれってばー。
もじもじしながらぎゅーっと握りしめると、静まるどころか完勃ちしてしまった。
……これはマズイ。こうなってしまっては、自然におさまるのを待つのは難しい。
雅紀は熱い吐息を漏らすと、ごそごそと仰向けになり、ウエストゴムの間に手を差し入れた。熱い昂りを直に握り、恋人の手の感触を思い出しながら、ゆるゆると扱く。
「……っん……ん……っ……んくぅ……っん……」
もう一方の手で上衣の裾をたくしあげ、胸の尖りを指先で摘んだ。目をぎゅっと瞑って、彼にされていると妄想しながら、手を動かしていく。気持ちいい。本当に久しぶりの自慰なのだ。疚しさも羞恥心も、このくらくらしそうな快感には抗えない。
……ん……だめ……っ……ぁ……ぁ……暁さん……秋音さん……
切なげに身悶えながら、雅紀は声を殺して手を動かし続けた。
「はぁ……」
部屋に戻ると、秋音はベッドにどさっと腰をおろし、深いため息をついた。
危ないところだった。
酔って甘えん坊になっている雅紀の可愛らしさは凶悪だ。ほんわりと目元を染め、とろんとした表情で上目遣いなんて、更にやばい。あれは絶対に、何か強烈なフェロモンみたいなものが出ているに違いないのだ。
うっかり抱き締めたりしたら、歯止めが効かなくなる。おでこにキスだけでとどまれた自分を、褒めてやりたい気分だ。
先日、約束を破って雅紀を襲いかけた暁に、散々説教をくらわせて反論を封じ込めた手前、まさか自分の方が抑えが効かなくなって、雅紀に手を出すわけにもいかない。
「はぁ……」
秋音はもう一度、深い深いため息をついた。
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