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後日談 『おしおきー24』※
秋音は男らしい眉をぎゅと顰め、息を殺して突き入れていく。狭くて柔らかい雅紀の肉壁が、己のものを押し包み絡みつく。
久しぶりの雅紀の中だ。気持ち良すぎて太腿が痙攣する。
「……んあ……っぁ……く……ぅん……っぁ」
もう何度も情交を重ねた雅紀の身体は、相変わらず狭くはあるが、秋音の大きな昂りを上手に受け入れ飲み込んでいく。そのままずずっと一気に奥まで突き入れると、雅紀はしなやかに反り返った。
「あーーーっ……っぁぁぁ……っ」
艶やかな悲鳴をあげて、堪えきれずに登りつめ熱を解き放つ。
……っすごいな。
入れた途端か
甘やかに登りつめ、くったりと弛緩した雅紀の身体に覆いかぶさり、後ろから耳元に囁く。
「……っぁ……は……ぁ……っん……ぅっく」
そんなささやかな刺激にも敏感に反応し、雅紀はぴくぴく震えながら小さく喘いだ。
雅紀の中は秋音のものに絡みついたまま、きゅっきゅと収縮を繰り返している。イった瞬間のものすごい締め付けに、危うくもってかれそうになった。
雅紀には内緒だが、雅紀の部屋から引き上げた後、実は秋音もなかなか寝付けずに、独りでこっそりと自慰をしていた。雅紀の色っぽい姿を想像して抜いたから、後ろめたさでいっぱいだったが、1度抜いておいて正解だったかもしれない。
熱い肉壁にみっちりと包まれていると、肉体的なだけじゃない安堵感と幸福感に満たされる。
雅紀と肌を重ねる度に得られるこの至福は、何度経験しても新鮮で感動的だった。
思えば、父のいない子として育ち、母が父の愛人だったと聞かされてからは、常に自分の中に欠落感があった。命を狙われていると感じてからは、更にそれが酷くなり、他人と情を交わすことに臆病にもなった。
誰かと繋がりたい。
でも否定されたら……。
拒絶されたら……。
そんな自分の臆病さを唯一理解してくれた女性は、自分のせいで命を落とした。やはり自分には、人を愛する権利も愛される資格もないのかもしれない。あの時の絶望感は、今でも覚えている。
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