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後日談 『おしおきー33』※
「…っ」
突然の中断に、雅紀は唖然として、言葉もなく目の前の男を見つめた。濃厚過ぎるキスからあまりにも唐突に解放されて、思考力がついていかない。自分を見つめる男の後ろに、大きな尻尾がふりふりしているのが見える……気がする。
濡れて赤くなった唇。とろんと蕩けた目。上気した頬。彼は、色っぽさ全開の雅紀の顔を覗き込み
「っなんつー顔してんだよっ。おまえそれ、ヤバすぎるって~」
嬉しそうに文句を言いながら、肩をがしっと掴んで迫ってくる。雅紀は若干顔をひき、ぼんやり呟いた。
「……暁……さん……?」
「おうっ俺だ俺だ。もお~エロ可愛すぎんだろーおまえっ」
そのままがばっと襲いかかってきそうな勢いに、雅紀は更に首を仰け反らせた。
「おいこら、なんでひく?危ねえって。後ろにひっくり返っちまうぜ」
暁は仰け反り過ぎた雅紀の身体を、慌てて支えて抱き寄せた。
「……や……だって……食われそう…」
「食うかよっ」
暁は楽しそうにツッコミを入れて、雅紀の頭を抱え寄せ、食いつかんばかりの勢いで顔中にキスの嵐をふらせた。
「…むぁっ……んー…っむぅ……やっあ、きらさっだめ……っくすぐったい…っ」
まるで大型犬に懐かれて、顔中舐め回されているみたいだ。雅紀は慌ててもがいて暁の顔を引きはがすと
「もうっ。暁さんのばかっ」
途端に暁がぷくーっと膨れっ面になる。
「おっ。バカってなんだよ~。おまえ冷たい……」
「いいから、落ち着いて。ちゃんと顔、見せて」
雅紀は暁の顔を両手で包んで、じーっと見つめてから、ほわんと微笑んだ。
「ふふ。暁さん、だ」
暁はまだ半分拗ねた微妙な表情で、雅紀をじと見した。
「顔は秋音とおんなじだっつの」
「ううん。この顔は暁さんだし。でも良かったぁ……やっと出てきてくれたんだ……」
ほっとしたように頬をゆるめる、雅紀の笑顔がすごく幸せそうだ。暁もつられて微笑んで
「ふう…ん。少しは寂しがってくれてたんだ?」
「当たり前でしょっ。暁さん、もう出て来ないかもって、俺、すごく不安だったんだから」
「んなわけねーじゃん。もうおまえ置いてったりなんかしねえよ」
暁はすっかりご機嫌な顔になり、雅紀の柔らかい髪の毛をわしわしと撫でた。
「で。エロいキスの続きするか?」
にやっと笑う暁に、雅紀は赤くなってぷるぷる首をふり
「だめ。もうすぐ夕飯きちゃうし」
「えー。しねえのかよ。ちぇっ……。まだちょっと時間あるだろ。な?」
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強引なエロエロの暁さんに押されぎみの雅紀が可愛いんですよね~(*/ω\*)
(〃艸〃)ありがとう♡ほんと。暁ったらエロわんこだから(笑)恥じらいつつも応えるエロにゃんこの雅紀。可愛いって言って貰えて嬉しいです( *´︶`*)