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後日談 『おしおきー53』※

雅紀の肉が、飲み込んだカリの部分をぎゅうぎゅうに締め付けてくる。腰を妖しくくねらせて、掠れ声でおおきいとか言われたら……煽られ過ぎて抑制が効かなくなる。 暁は必死に気を散らしながら、雅紀の腰を掴んでぐぐぐっと押し進めた。 暁の太いものが、強烈な異物感と共に内壁を押し広げていく。気持ち良さと冷や汗の出そうな悪寒が交互に押し寄せ、雅紀はあぅあぅと鳴きながら腰を揺らめかす。 ようやく、根元まですっぽりと入った。雅紀の背中に、暁の身体がぴったりと重なる。3週間ぶりのこの一体感。身体だけでなく、心も満たされていく。 「……おまえん中……っ気持ちいいな……すっげ~熱い……っ」 雅紀は声を出せないのか、はくはくと忙しなく息をしながら頷いた。 「……っく。溶けちまい、そうだ……っ」 「……っあっ……は……ぁ……ぅ」 感極まった暁の声に、雅紀は首を捻って振り返る。蕩けきった顔。大きな瞳から涙が零れ落ちている。暁は身を乗り出して、舌でその涙をぺろんと舐め取り、柔らかそうな唇に吸い付いた。 「……ふううっむ……んんぅ……っ」 雅紀の舌が、縋りつくように暁の舌を絡めとった。 ひとしきり、互いの唾液を与え合うような濃厚なキスを交わした。上も下も繋がり合って、相手との境界線が曖昧になっていくような錯覚が、満ち足りた快感を倍増させる。 唇を離すと、お互いの唾液が長く糸をひいた。うっとりとした雅紀の表情が壮絶に色っぽい。 「力……抜いてろよ……動くぜ」 暁の囁きに雅紀はこくんと頷くと、前を向いて床にしっかりと両手をついた。 暁は少しずつ慎重に、腰をひいていく。呻く雅紀の中からぎりぎりまでペニスを引き出し、腰をぎゅっと押さえて、今度はぐにぐにと押し込んでいく。いっぱいに満たされて、すぐまた逃げていこうとするのを追いかけるように、雅紀は暁の動きに合わせて、腰を前後に揺らした。 「っぁあ……いい……すげえいいぜ……っ」 ゆるゆると抜き差ししながら、呻く暁の声にも余裕がなくなってきた。自分の身体が、彼にちゃんと快感を与えているのだと思うと、それだけで雅紀の心は更に満たされていく。 暁の動きは徐々に荒々しさを増していった。受け入れる雅紀の身体もまた、恋人の情熱を包み込むように、柔らかく熱く、濡れて熟れていく。 静まり返った夜の静寂に、聴こえてくるのは、互いの熱い吐息と水音だけ。夜空にぽっかりと浮かぶ上弦の月が、柔らかい光で2人の愛の営みを照らし出していた。

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