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後日談 『おしおきー55』※

月光浴をたっぷり堪能した後、室内に戻り、奥の寝室のベッドの上で、再び甘く激しく睦みあった。 後ろからだと繋がりは深いが、互いの顔が見えない。雅紀を下にして向かい合うと、苦しそうで嫌だ。だから、羞じらう雅紀を横たわった自分の上に跨らせる体位で繋がった。 下から暁に見られているのが恥ずかしいのか、赤くなった顔をもじもじと背け、最初はぎこちなく動いていた雅紀だったが、徐々に高まっていく熱に押し流されて、最後は淫らに腰を揺らし狂い乱れた。 暁の迸りを2度受け止めて、さすがに疲れたのか、くったりとしてしまった雅紀を、暁は優しく抱き締め直して、ほっと余韻の吐息を漏らす。 「雅紀……」 「……ん? ……なぁに?」 うとうとしかけていた雅紀は、暁の呼びかけと優しく髪を撫でてくれる感触に、ふっと意識を戻した。うっすらと開けた瞼がひどく重たそうな雅紀の様子に、暁は苦笑して 「悪い……起こしちまったか」 「……ん……大丈夫……へーき。どうしたの……暁さん」 「いーや。なんでもねえよ。なんつーかさ……。んーと……」 珍しく、暁が言葉を詰まらせる。雅紀は急に不安になって、目をぱちっと開けると、起き上がって暁の顔を見下ろした。 「なにそれ……すっごい気になる……」 眉をさげ心配そうな顔をして、自分を見つめる雅紀に、暁はふ…と笑って 「んな顔するようなことじゃねえよ。たださ……泣きたいくらい幸せだなーって……思っただけだ」 暁は手を伸ばして、雅紀の顔にかかる柔らかい髪をかきあげてやり 「消えなくて……良かったぜ。ほんと……あん時さ、おまえが最後のお願い使ってくれて……よかった……」 「暁さん……」 暁はくしゃっと泣き笑いを浮かべ 「おまえにも……秋音にも……感謝してるんだ。俺の存在を認めてくれて……愛してくれてさ。……ありがとうな」 雅紀はほっとしたように微笑んで 「もう……びっくりさせないでよ。また、俺消える、とか言い出すのかと思ったし」 「言わねえよ。もう絶対に消えるなんて言わねえって。だいたいさ、おまえに3週間も触れないとか、拷問過ぎるだろ~。秋音のやつ、まじで鬼畜だよな」 「んもぉ。こだわるとこ、そこですか?」 ぷーっと膨れた雅紀の頬を、暁は楽しそうにつんつん指でつついて 「もちろんそれだけじゃねえけどさ、それも結構重要だろ? おまえだって、超欲求不満だったじゃん。……でもまあそのおかげでさ、いつもの数倍エロエロなおまえ、見れたけどな。あ。これからもたまーにさ、禁欲週間とか作るのも悪くねえかも。我慢した分めっちゃ燃えるっていうか……」

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