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後日談 『おしおきー79』
急に変わった話題に、雅紀がきょとんと首を傾げた。そのとぼけた可愛い表情に暁はくくっと笑いながら
「昨年の仙台の温泉旅行。すっげー楽しかったけど、その直後に余計なおまけついちまったろ? もう1回さ、気持ちを新たに行ってみるか」
事故のことを思い出したのか、雅紀がちょっと複雑な顔になる。暁は椅子ごといそいそと雅紀に寄っていって、雅紀の身体に抱きつき、うにゅーっと頬をすり寄せて
「んな顔すんなってー。な? 田澤社長に休暇頼んでさ、も一度仙台行ってみようぜ。藤堂さんにも直接会ってお礼言いたいしさ。俺と秋音とおまえ、3人で生きていくって決めた、けじめの新婚旅行だ」
暁の言葉に、雅紀はぱあっと表情を明るくした。
3人で生きていく。暁とは、先日かたくりの群生地でもう消えたりしないと約束したけれど、そこからもう1歩踏み込んで、前向きな言葉を聞けたのが嬉しい。
「けじめ、かぁ……。うん。それ、いいと思うっ」
「だろ? んでさぁ。当然、露天風呂とか一緒に入っちゃうわけだろ?」
「……え……えと、うーん……」
暁は雅紀を逃げないようにがっしり抱き締めて、頬をすりすりしつつ、ほっぺに軽くキスをし始めた。
秋音から、1ヶ月間濃厚な接触禁止令が出ているはずだ。雅紀は焦ってじたばたし始めるが、暁のキスは徐々に熱を帯びてくる。
「露天風呂……いいよなぁ。最高だったよな。おまえ、エロくて可愛くってさ……」
そう囁く暁の声に、すでに妖しい色気が滲んでいる。ほっぺだけでなく顔中にキスしながら、さわさわと腰やお尻を撫で始めた。
「んっ……っあ……きらさ……だめ……っ」
「んな冷たいこと、言うなって。なぁ……雅紀……もうさ、1週間もシテねえんだぜー。そろそろ俺、限界」
「……っぁ……だっめ。秋音さ、怒る……から……っぁ」
「……ちょっとだけだって。な?」
柔らかい耳たぶをはみはみしながら、熱っぽいハスキーボイスで囁く。
雅紀はぞわぞわムズムズしながら、声を出すまいと必死に抵抗している。暁は構わず雅紀のシャツのボタンを外して、指でもぞもぞと素肌をまさぐり始めた。小さな尖りに指先が触れると、雅紀は可愛い声をあげてびくんっと震えた。
「んー可愛い声。おまえだってさ、ずっとしてなくて辛いだろ? ほら。もうこんななってるぜ」
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