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後日談 『おしおきー80』

Tシャツをぺろんと捲って、少し尖ってきた小さな突起を、暁は舌先でちょんちょんとつついた。 「……っぁん……っ」 「可愛いな。おまえのこれ、ピンクだぜ。ほら、ぷっくりしてきた」 抗いきれずにもじもじしている雅紀の乳首に、暁はちゅっと吸い付いた。舌でぺろぺろしながら吸い上げると、雅紀は喘ぎながら身を捩る。エッチ禁止で堪らなくなっているのは、暁だけじゃないのだ。 「っぁ。だっめ……だめ、でしょ……っ秋音さん、に……っ怒られちゃうからっ」 必死に言い募る雅紀に、暁は口を離して下から顔を覗き込み 「秋音には、後で俺が謝るよ。抜きあいっこだけでいいから、な? 挿れたりしねえって」 切羽詰った暁の声と表情に、雅紀はへにょんと眉をさげた。そんなせつなくおねだりされても……困る……。 「約束……でしょ。守んないと……だめ」 「んじゃ、触るだけだ」 暁は懲りもせずにそう言うと、雅紀の短パンのウエストに手を差し入れた。ごつい手が下腹をまさぐり、ちょっと反応しかけてる雅紀のものの先端に触れる。雅紀は諦めてじたばたするのを止めて目を閉じ、暁の腕をすがり付くように掴みしめた。暁の指が勃ちかけたものを包み込む。雅紀は唇を噛み締めて、声が出そうになるのを必死に堪えた。暁の手がゆるゆると雅紀のペニスを扱き始めた。ものすごく……気持ちいい。思わず腰が揺れそうになったその時…… 「ダメだ。まったく。堪え性のないヤツだな」 目の前の男が吐き捨てるようにそう言って、唐突に下着の中から手を抜き取った。雅紀はびっくりして目を見開く。 「……」 予想に反して、目の前の顔は怒ってはいない。ちょっと苦笑いの表情で、雅紀に片目を瞑ってみせる。 「……秋……音……さん……?」 「ああ。俺だ。暁のバカが暴走を始めたからな、無理矢理中に押し込めた。まったく……しょうがないヤツだ」 雅紀はこくこく頷くと、暁に肌蹴られたシャツを慌てて閉じた。 「1ヶ月エッチ禁止を約束してからまだ1週間だ。暁は全然反省してないらしいな。これからちょっとあいつにお説教だ。雅紀、オーブンのブザーが鳴っていたぞ。見てこなくていいのか?」 「え。うそっ」 秋音の言葉に、雅紀は飛び上がると、慌てふためいてキッチンに飛んで行った。その後ろ姿を見送って、秋音はため息をつくと、自分の中の暁にこんこんと説教を始めた。

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