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十六夜のつき3※

「疲れたろ?遅くまで付き合わせてごめんな」 「ううん。大丈夫。俺は結構寝たりしてたから。暁さんこそ疲れたでしょう」 アパートに戻って、交代で風呂に入り、部屋着に着替えて、布団を敷いた時には、もう日付が変わっていた。 暁は、途中のコンビニで調達した缶ビールを、端に寄せたテーブルの上に出して、布団の上に腰をおろすと 「おまえも飲むだろ?」 まだ部屋の隅で、旅行鞄の中身をいじっている雅紀を手招きして、自分の隣に座れと指で差し示す。 雅紀は暁の顔をじ…っと見てから、おずおずと近寄ってきて、暁から少しだけ離れた場所に腰をおろした。 「なに、その微妙な距離」 「や……、だって」 「なんか警戒してる?もう悪さなんかしないぜ」 雅紀は、じと……っと暁を見てから、もぞもぞともう少しだけ身を寄せてきた。暁がビールを差し出すと、手を伸ばしてくる。すかさずその手を掴んで引き寄せた。 「あっ」 「捕まえたっ。なーんだよ、その顔。もう外じゃないし、誰も見てないんだからいいだろ?」 腕の中でじたばたしている雅紀を、後ろからぎゅっと抱き締める。雅紀はまた耳まで真っ赤にして 「嘘つきっ。もう悪さしないって…」 「嫌か?こういうの。うっとおしい?」 「いっ嫌じゃない。けど…」 「俺は好きだぜ。おまえとこうするの。なんかさ、ほっとするんだよな」 暁の言葉に雅紀のじたばたが止まる。顔を覗き込むと慌てて反らし 「……俺、女の子じゃないし。柔らかく……ないから」 暁は、雅紀の赤い耳に口を寄せて 「知ってるよ。でも俺は、おまえと、こうするのが、いいって言ってんの」 ゆっくりと低音ボイスで囁いてみると、雅紀の身体がぴくん…と跳ねた。 「……っあ……きら…さん……こうやって……女の子……口説くんだ…?」 暁の腕をつかむ手が震えている。途切れ途切れの言葉の合間に、もれる息が甘い。 「ん?俺はさ、雅紀、おまえを口説いてるんだけど?」 耳に触れそうなほど唇を近づけ、息を吹きかけながらそう囁くと、雅紀は、んぅ…っと微かに声をもらして、首を竦めた。 「んやっ……めて、暁さ……ん、そこ、やだっ…」 「なんでだよ。くすぐったい?……ああ。もしかして……感じるんだ?」 わざと、そのまま囁き続けると、雅紀はくぅんと仔犬が鳴くような声をもらし、ふるふる震えた。 ……なにその声この反応。マジ可愛すぎるだろっ。 暁の悪戯から逃れようとして、よじる雅紀の身体を両足で挟み込み、弱点を更に攻める。 「なあ、雅紀。答えて。俺にこうされるの、気持ちいい?」 「やめっあ……ぅん……んっ」 暁の右手がするっとTシャツの裾から進入し、脇腹を悪戯し始めると、雅紀はビクンっと仰け反り、大きな声をあげた。 「んんっあっ……っ」 自分の出した声にビックリしたのか、今度は両手で自分の口を押さえた。 暁の足の間にすっぽり収まって、まるでもっと悪戯してくたさいと、言わんばかりの無防備な姿に、暁はたまらなくなってきた。 雅紀を抱き締めたまま、耳から首筋へと、熱い吐息とともに、唇を這わす。 口を押さえ、いやいやするように首をふる雅紀からは、自分と同じボディソープの香りに混じって、甘い匂いがした。 ……ヤバいっ止まんねえっ。 脇腹から上に滑らせた手で、胸をまさぐると、小さな尖りは既にツンと立ち上がっていた。指先でそっと触れると、雅紀は口をふさいでいた手を離し、暁の手を掴んで 「やっダメっさわ……っんっ」 暁はその手をふりほどき、顎を掴んで自分の方を向かせると、唇を奪った。 「んぅっ」 唇を割り、舌を差し入れ絡ませて、強く吸い上げる。 「ん……ふぅ……んっんっ……ぅん」 鼻から抜ける雅紀の甘い喘ぎが、暁の理性を奪っていく。 この体勢がもどかしくなってきて、いったん唇を放すと、雅紀を抱き込んだまま布団に倒れ込んだ。 すかさず身体を起こし、上からのし掛かって、再び唇を奪う。 激しく口づけながら、弱々しく身をよじる雅紀のTシャツをまくりあげた。 滑らかな肌に手を滑らせ、胸の尖りを探りあてると、指先でそっと摘まんで、転がしてみる。 雅紀は呻きながらびくびくと震え、せつなげに身体をくねらせた。 鼻から抜ける吐息が、更に甘さを増す。 雅紀の悩ましげな反応が、視覚と聴覚を通して、暁の下半身に熱を集めていく。 暁は、息を荒げ、雅紀の唇を放して、そのまま首筋、鎖骨へとキスを落とした。やがて、ぷっくりふくらんだ胸の尖りにたどり着くと、舌でぺろっと舐めてから吸い付いた。 「あぁっ……あ……やぁ……あっ」 唇で挟んで、舌で掘り起こす。吸い上げて、また転がす。雅紀は、低く掠れた喘ぎ声をあげた。 もう一方の胸をいじり回していた手を、そろそろと下へ滑らせていく。下着の隙間から手を差し入れ、硬く勃ちあがった雅紀のものに触れると、雅紀は息をのみ、身体を強ばらせた。         

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